目次
ベランダに洗濯機を設置する時に確認すること
ベランダに洗濯機を設置するときに、排水場所をしっかり確保しておかないとトラブルのもとになります。
洗濯機が設置ができなくなってしまわないように、次の6点を設置前に確認しておきましょう。
設置する十分なスペースはあるか
ベランダの洗濯機置き場の幅や高さを測り、洗濯機を置くスペースが十分にあるかどうかを確認しておきましょう。洗濯機置き場のスペースが十分でも、搬入する時に通路が狭くて洗濯機を運べなかったというトラブルもあるようです。
ベランダの設置場所は安定しているか
築年数が古くてベランダが歪んでいたり、設置する防水パンに凹凸があったりすると、洗濯機使用時に振動や騒音が発生してしまいます。
アパートなどの集合住宅では、洗濯機の振動音によって隣人に迷惑をかけてしまう恐れもありますので、事前に防音マットを設置するなどの対策が必要です。
コンセントの位置
ベランダに洗濯機を置くためには、コンセントが必要になります。同様に、洗濯機には感電を防止するアース線がついていますので、そのアースをコンセントにあるアース端子に接続できるかどうかも、引っ越し前に下見をして確認しておきましょう。
陽当たり
洗濯機はプラスチックで覆われているので、日光に長く当たっていると変質する可能性があります。
日当たりの良いベランダに設置する場合には、それが故障の原因にもなりますので、ホームセンターなどで購入できる「洗濯機カバー」を掛けるなどして予防するようにして下さい。
特に洗濯機の操作ボタンは、雨風や紫外線で劣化しやすいので、洗濯機カバーを使用することによって長持ちさせることができます。
排水場所
洗濯機から排水口までどのくらいの距離があるのかも大切な確認事項です。
その場所によっては、洗濯機に付いている排水ホースの長さに関係してきますので、無理なく排水ホースを取り付けられるかどうかを確認しておきましょう。
2階のベランダには、隅に穴がありベランダに溜まった雨水を流す構造になっています。屋内の排水口のほとんどは、排水ホースを固定出来ますが、ベランダの場合は排水ホースを固定出来ないこともありますので、排水の圧力で外れないかどうかも確認しておくと安心です。
蛇口の形状
ベランダにある蛇口の形状が、洗濯機に合っているかを確認します。大体の洗濯機は、どの水栓にも対応できる部品が付いていますが、中古品などは取り付け工事や別売りの部品が必要になる場合もあります。
《 ポイント 》
- ベランダに洗濯機を置くスペースが十分にあるか。
- ベランダが歪んでいないか。
- ベランダのコンセントや排水口の位置。
- ベランダにある洗濯機の操作ボタンは、雨風や紫外線で劣化しやすい。
- ベランダにある蛇口の形状が洗濯機に合っているか。
ベランダに置く洗濯機の排水トラブルと対処法
洗濯機の排水ホースが抜けたり、排水口が詰まってしまうと洗濯機から水漏れを起こして様々なトラブルに発展し、集合住宅だと隣人や下の階の住人に迷惑が及んでしまう危険性があります。
排水ホースが排水口から抜けてしまう
洗濯機の設置で一番神経を使うのが排水です。排水ホースの取り付けが緩いと、排水時の水圧によりホースが動き、排水口から抜けるケースがよくあります。
洗濯機の排水ホースが長すぎる
洗濯機の排水ホースが長すぎるのであれば適度な長さに切ったほうがよいでしょう。ただし、賃貸の人は次の引越し先で新たに端水ホースを購入することになるかもしれません。
排水口に入るエルボを探す
洗濯機の排水エルボとは、排水ホースと排水口を接続する部品のことです。ぴったりのエルボがあれば、漏れないようにしっかりと排水ホースを排水口に固定することができます。
もし排水口とエルボのサイズが緩いときは、テープを巻いて固定してみましょう。
重しをのせる
洗濯機の排水ホースが外れやすいときは、ホースの先端に重しをのせて外れないように固定する方法もあります。
排水ホースが詰まる
洗濯機の排水ホースは、曲がりやすいジャバラ構造になっているため、ジャバラの部分にゴミが溜まりやすく詰まってしまう可能性があります。その予防対策として、少なくても年に一回程度は排水ホースの掃除をしておきましょう。
また、洗濯機の排水ホースは消耗品です。特にベランダに設置してある洗濯機は、通常より痛みが進みやすいので、早めに交換する必要があるでしょう。
排水口が詰まる
ベランダの排水口には、ゴミやホコリが入り込みやすいので、そのまま放置しているとすぐに詰まってしまいます。それを少しでも予防するためには、ベランダに出た時に排水口をチェックする習慣をつけ、こまめに掃除しておくとよいでしょう。
排水口が詰まった時の対処方法
- 排水口が見える位置まで洗濯機を移動する。
- 排水口の蓋を開け、排水トラップが見えたら左に回して外す。
- 水が溜まっているコップ型のパーツを外す。
- ゴミや排水の状態を確認する。
- ブラシやスポンジで、取り外した部分をていねいに洗う。
- 排水口自体を洗い流す。
- 排水トラップとコップ型のパーツを元の位置に戻す。
- 下から上がってくる臭いを防ぐために、コップ型のパーツに水を溜めておく。
排水口のメンテナンス
まずは小まめに排水口を確認するようにしましょう。基本的には、1年に一度、排水ホースを掃除したり、排水口のゴミを取り除くことでトラブルを防ぐことができます。
ただし例外もあります。ベランダの位置によってはゴミや枯葉なども飛んできますし、ベランダに虫や鳥たちが巣を作っていることもあります。そのような場合は、普段以上に小まめにゴミを取り除き、その原因も解決するようにする必要があります。
また、排水口の金具の部分が錆びたり劣化して壊れてしまっていたら、自分で交換するのが難しいようであれば、専門の業者へ修理を依頼しましょう。
《 ポイント 》
- 排水ホースが抜けてしまうなら、ホースの長さを合わせる、エルボを使用する、重しをのせる。
- 年に一回、排水ホースの掃除をする。
- 排水口をチェックする習慣をつけ、こまめに掃除する。
ベランダに洗濯機の排水口がない場合
引っ越し先のベランダに、洗濯機の排水口がなかったらどうしたらいいのか困ってしまいますが、心配いりません。そんな時でも対処方法はあります。
ベランダには、排水口が無くても、雨水を排水する「排水溝」は必ずありますので、その排水溝を利用して、洗濯機の排水をすることができます。
ベランダの排水溝は隣と繋がっているのが普通なので、隣人と同じ排水溝を共有することになります。洗濯機から勢いよく排水が出てしまった場合、排水ホースが短いとその水圧に負けて向きが変わってしまい、お隣さんの方向へ向けて排水してしまうということにもなりかねません。
それを防ぐためには、排水ホースをなるべく長めにし、排水溝へ出来るだけ近づけて、固定しておくとよいでしょう。
《 ポイント 》
- ベランダに排水口が無ければ、雨水を排水する「排水溝」を利用する。
- ベランダでは隣の方向へ向けて排水しないように、排水溝に近づけて固定する。
ベランダに洗濯機を設置する方法
洗濯機をベランダに設置するときは、ホースや電源プラグ、アース線を手順通りに接続するだけで、それほど難しい作業ではありません。
しかし、洗濯機が重くて作業がしにくかったり水漏れが心配な場合は、専門の業者に依頼するのがよいでしょう。
自分で行える洗濯機設置の手順
電源プラグとアース線の取り付け
アース線(緑や黄色のカバーが付いている細い線)を取り付けなくても洗濯機は使用できますが、感電を防ぐために面倒でも必ず取り付けて安全を確保してください。
- アース線を付ける場所のカバーをマイナスドライバーで開ける。
- 中にあるプレートを抑えているプラスのねじを緩めて、プレートを浮かせる。
- プレート内の穴にアース線の先端を差し込む。
- ネジを締めてからカバーを戻す。
洗濯機に排水ホースを取り付ける
- 排水口に取り付けられている排水エルボを外す
- 排水エルボと洗濯機の排水ホースをつなぐ。この時、洗濯機の排水ホースの取り付けが甘いと、水漏れが発生するので慎重に取り付ける。つなぎ目から水漏れしないように、できれば結束バンドやビニールテープを巻いて補強しておく。
- 排水ホースをつないだエルボを排水口に戻す。
給水ホースを取り付ける
- 蛇口側に給水ホースを取り付ける。
- 洗濯機本体に給水ホースを取り付ける。給水ホースの長さに余裕がない場合には、延長用のホースを取り付けて長くする。止水機能がない蛇口の場合は、「ニップル」という四つネジのついた部品を取り付けると安全です。
- 試運転をして確認する排水ホースと給水ホースの取り付けが終わったら、問題がないか洗濯機を試運転させて、接続部分から水漏れがないかをしっかりと確認します。
《 ポイント 》
- ホースや電源プラグ、アース線を手順通りに接続するだけ。
- 水漏れが心配な場合は、専門の業者に依頼する。
- 最後に洗濯機を試運転して問題がないか確認する。
最後に
ベランダの洗濯機の排水トラブルと、その対処方法、そして設置前に確認すべき点について紹介しました。
ベランダに洗濯機を置くときは、周囲に迷惑がかからないように配慮しながら設置することを心がけなくてはいけませんね。
集合住宅でのベランダは、隣人と繋がっていることがほとんどなので、排水ホースや給水ホースが外れないように固定したり、排水が詰まらないようにチェックや掃除を先延ばしにせず取り組むようにしましょう。
水漏れなどのトラブルを起こしてしまうと、洗濯機を購入する以上のお金がかかることもありますので、簡単に考えず、慎重に取りつけるようにしてくださいね。