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アイロンはどのくらい電気代がかかるのか?
家電の電気代は「消費電力(W)÷1000×使用時間×電気代」で計算できます。
標準的な家庭用アイロンの消費電力から消費電力を1200Wとし、電気代を全国家庭電気製品公正取引協議会の「新電力料金目安単価」から27円と設定して、1時間あたりの電気代を計算してみます。
1200W÷1000×1h×27円=32円
1時間32円ですので、毎週1時間アイロンする家庭では1年で1,664円程度、2時間程度の家庭だと3,328円程度の電気代と考えてください。
1200Wは高温の場合の消費電力ですので、中温で使うと8割の1時間26円、低温だと6割の1時間19円程度が目安となります。
アイロンがけは順番を工夫するだけで電気代を節約できる!
アイロンの電気代は1時間32円程度ということがわかりましたが、アイロンの電気代を節約することはできるのでしょうか。普段のアイロンがけのなかで、順番を少し工夫するだけでも電気代は節約できます。
アイロンの電気代を節約する4つのステップをご紹介します。
ステップ1:『低』で始める?低温でもアイロンがけができる素材から!
アイロンはスイッチをONにするとだんだんと温まっていくため、高温になるのを待っているだけの時間は非常にもったいないです。
そこで洗濯表示で低温表示のある、アクリルやポリウレタンなどからアイロンがけをはじめることをおすすめします。これらの素材は、低温であっても十分にシワを伸ばせます。
ステップ2:中温が適した素材のアイロンがけ!
低温に適したアクリルやポリウレタン素材のもののアイロンが終わったら、次は、洗濯表示に中温表示のあるウールやナイロン素材のアイロンに入ります。アイロンの温度が高温になる前に、ウールやナイロン素材のもののアイロンがけをしてしまいましょう。
ステップ3:高温が適した素材のアイロンがけ!
アイロンの温度が高温になったら、洗濯表示に高温とある麻や綿などの素材のアイロンがけを行ないます。アイロンの温度が上がるのに合わせて、アイロンの温度にあった素材のもののアイロンがけをすることで無駄を減らし、電気代を節約できるのです。
ステップ4:最後はスイッチを切って余熱で小物のアイロンがけ!
ひととおり大きなものをアイロンがけしたらスイッチをオフにしてしまいます。高温になったアイロンは冷えるまでに時間がかるので、この時間を活用して、ハンカチやスカーフなどの小物のアイロンがけをします。小物類は面積が小さいので、電源をオフにした状態でも十分にシワを伸ばすことができます。
アイロンがけの節電で心がけたいこととは?
アイロンの電気代の節約は、普段のアイロンがけの仕方や道具を工夫するだけでも、効果を期待できます。普段のアイロンがけに取り入れてもらいたい、アイロンの電気代節約の心がけを3つご紹介します。
アイロンがけはまとめておこなう
アイロンを使うときにもっとも消費電力がかかるのは、アイロンを冷たい状態から高温に温める過程です。一度高温まで温めてしまえば、それを維持するための電力はそれほど高くないのです。
そこで、アイロンがけが必要なものが出ても、毎日アイロンがけするよりまとめてアイロンがけしたほうが、電気代の節約の観点からはお得といえるでしょう。
アイロン台は熱効率の良いアルミ素材のものを!
アイロンの節約のポイントとして、アイロン台にも目を向けてみましょう。電気代節約の観点でアイロン台を選ぶのであれば、アルミ素材のカバーを使用しているものをおすすめします。アルミ素材のカバーは、熱効率がよいため、短時間でシワを伸ばすことができます。
また、高温でないとシワが伸びなかったものでも、中温や低温の状態で伸ばせるようになることもあります。低めの温度で、短時間でシワを伸ばせられるため、電気代の節約につながります。
シワ伸ばしはスチーム機能を上手に使う!
アイロンの電気代を節約するためには、アイロンの使用時間を短くすることが必要です。アイロンの使用時間を短くするのに効果的なのが、スチーム機能を上手に活用することです。
アイロンのスチーム機能は、スチームを出しながらプレスすることで、シワが伸ばしやすくなります。高温のアイロンだけで伸ばすより、スチーム機能をあわせて使った方が、手早く衣類のシワを伸ばせます。
アイロン前に!シワをつきにくくする洗濯のコツは?
アイロンの電気代を節約するための工夫は、アイロンを使うときだけではありません。洗濯の段階からシワをつきにくくする工夫をすることで、アイロン時間を短縮し、アイロン代を節約できます。
普段の洗濯に取り入れてもらいたい、アイロンの電気代節約に効果を期待できるコツをご紹介します。
脱水時間は短めに
選択時の脱水時間が長いほど、シワがつきやすくなってしまいます。脱水でできる限り水分を取り除くことは、短時間で乾かせるメリットがありますが、シワができる原因でもあります。
脱水は長ければよいというものではありませんので、ためしに1分程度でどの程度水切れできているか確認し、できるだけ短時間ですませることをおすすめします。
洗濯が終ったら早めに干そう!
脱水したあと放置しておくと、洗濯物にシワが残りやすくなります。シワが残ると、アイロンがけに時間がかかってしまうため、電気代もかかります。脱水が終わったら、すばやく洗濯槽から取り出し、できるだけ早く干すことをおすすめします。
干すときはシワを伸ばして!
洗濯物を干すときには、上から下にふり下ろして全体のシワをとったり、シワがついた部分を引っ張ったりしてシワ伸ばしてから干すようにしましょう。このひと手間をするかしないかで、洗濯物のシワの数が減り、入ったとしてもシワの深さが浅くなるので、アイロンがけが楽になります。
シワが少なければ、アイロンがけの時間が短縮できるので、アイロンの電気代の節約につながるのです。
形状記憶素材の衣類はシワになりにくい!
ビジネススーツを着用される方がいる家庭では、手間のかかるワイシャツのアイロンがけがありますが、形状記憶素材のYシャツであれば、アイロン自体が不要となります。
面積が大きく、襟や袖口など時間のかかるYシャツのアイロンがけがなくなれば、アイロン時間の大幅な短縮となり、電気代の節約にもつながります。
思い切って買い換える?アイロン選びのポイント5選
冷蔵庫やエアコンなどは、10年以上前のものと比べて消費電力が改善されているので、買い替えによる節電効果を期待できます。それではアイロンの場合でも節電効果はあるのでしょうか。
アイロンは最新のものだからといって消費電力が小さいわけではありません。アイロンの機能を上手に活用することで、短時間でアイロンできるため、多少の削減効果を期待できます。
とはいっても、アイロンの購入代金に比べるとわずかな削減です。
選び方1:コードの有無で選ぶ
節電の観点からみると、コードがついたアイロンのほうがおすすめです。
コードレスタイプのアイロンは、取り回しがしやすいというメリットがありますが、スタンドで蓄熱する必要があるため、蓄熱中にアイロンがけできません。コードがついているものなら、蓄熱中も温度にあわせた素材のアイロンがけができて無駄がありません。
選び方2:重量で選ぶ
アイロンをかける際、ある程度の重さがあると、プレス効果が高まりシワが伸びやすくなるメリットがあります。とはいえ、重すぎると取り回しが大変です。店頭で手に取ってみて、重すぎないか、軽すぎないかを実際に確認しましょう。
選び方3:スチーム性能で選ぶ
スチーム機能でチェックしておきたいのは、スチームの量です。スチーム量が多いほどシワ伸ばし力や消臭効果を期待できます。
また、タンク容量が大きいほど吸水の手間が省けるメリットがあります。スチーム孔の目詰まりや水垢を軽減する抗菌機能つきのものもあるので、衛生面を重視する方におすすめです。
高温だけでなく中温でもスチーム機能を使えるものもあります。当て布せずにほとんどの素材でスチーム機能を活用すれば、短時間でシワを伸ばすことができます。
選び方4:かけ面の素材で選ぶ
アイロン本体のかけ面の素材によって、アイロンのかけ心地にも違いがあります。
布滑りがよいアイロンは、スムーズにアイロンがけできるため、時間の短縮効果を期待できます。布滑りのよい素材として挙げられるのは、チタンやセラミック、また、メーカー独自の素材を使った商品です。
ただし、チタンやセラミックは価格が高めですので、他の要素ともあわせ総合的に判断してください。
選び方5:付加機能で選ぶ
ここまで、アイロンを選ぶ際のポイントとして、コードの有無、重量、スチーム性能、かけ面の素材をご紹介してきました。
節電効果の面でおすすめしたい付加機能として、最後にご紹介するのがオートパワーオフ機能です。オートパワーオフ機能は、アイロンの電源をオフにし忘れたときに、一定時間経過後に自動的に電源を切ってくれる機能です。
おすすめのアイロン3選
アイロンの買い換えを検討されている方に、節電効果を期待できる、おすすめのアイロンを3機種ご紹介します。
コードつき、コードなしの両方をご紹介しているので、アイロン選びの参考にしてください。
パナソニック NI-W550
パナソニック NI-W550は、「Wヘッドベース」という、前だけでなく後ろや横に動かしてもシワがつきづらい形状をしています。アイロンを持ち替えせずに反対方向にも動かせるので、アイロン時間が短縮され、節電効果を期待できます。
パナソニック NI-WL505
パナソニックNI-WL505は、パナソニックNI-W550は同様に「Wヘッドベース」なので、アイロンを持ち替えせずに反対方向にも動かせ、時間短縮効果を期待できます。また、握りやすい指かけグリップが手になじみやすく、アイロンがより扱いやすい点も魅力です。
日立 CSI-201 A
日立CSI-201Aは、給電台が360°回転するコードレスアイロンです。洗濯物をアイロン台に置いて整えるときに、給電台に置いたり、手に取ったりする動作がしやすく、アイロン作業がはかどるでしょう。
さらに節約するなら電力会社を見直してみよう
アイロンの年間の電気代は、毎週1時間使っても1,600円程度ですので、アイロンの仕方を工夫することで、アイロンの利用時間を削減できますが、削減効果は数百円に限られるでしょう。
そこで家計全体の電気代を削減したい方におすすめなのが、電気代自体を見直すという方法です。
冒頭で1Wあたりの電気料金を27円として設定しましたが、電気料金は契約する電力会社や利用するプランによって異なります。現在では好きな電力会社を選べるので、比較サイトなどを利用して、家計全体の電気料金をより節約できる事業者を探してみましょう。
アイロンの電気代節約はかける時間を短くする工夫がポイント!
アイロンの電気代を節約するポイントは、できるだけアイロンを使う時間を短くすることです。
洗濯の段階から工夫したり、アイロンをかける順番を工夫したり、スチーム機能を活用するなど、ちょっとした工夫をするだけで、アイロン時間を短縮できます。
アイロン時間を短縮する工夫を取り入れ、電気代の節約に取り組んでみてください。