目次
家電の延長保証の特徴
メーカー保証との違い
メーカー保証とは事業者が顧客サービスとして自主的に定めたもので、通常1年の保証であることが多く、保証期間内の修理は事業者のほうで保証してくれます。
一方、販売店などが独自に付けている保証が延長保証です。購入金額の5%ほどの金額を支払えばメーカー保証とほぼ同等レベルの内容を一定期間延長できるサービスです。
保証内容を確認してから加入すること
メーカー保証も延長保証も、保証内容は自然故障を対象としていることが多く「保証対象外」の項目は思っている以上に多いようです。
自然故障というのは、製品の取扱説明書や注意書に従って正しく使用したにもかかわらず、その製品に生じた故障のことを指します。
そのため、保証期間内であってもすべての不具合を無償で修理してもらえるわけではなく、保証対象外は多くある、ということを認識しておきましょう。
延長保証を引きうける会社は販売店とは別の会社であることも多いようで、この場合、延長保証会社は単独で利益を出せなければいけないことになります。
延長保証に入る前には、できるだけ細かく保証内容を確認してから加入するほうが良いでしょう。
保証内容や期間は販売店によってさまざま
メーカー保証はメーカーで定められた保証のため、購入先の販売店がどこでも同じ条件ですが、延長保証は販売店によって保証内容や期間はさまざまです。
- 年数の経過とともに保証される金額も減っていくタイプ
- 保証期間内で受けられる回数に制限があるタイプ
- 商品によっては自己負担金額が発生するタイプ
- 限度額が設けられているタイプ
このように内容は販売店や製品によっても異なるため、同じ販売店での購入であっても製品ごとの内容をきちんと確認してから加入するようにしましょう。
家電の延長保証が必要ない理由やデメリット
保証期間中に壊れる可能性はほぼ無い?!
延長保証が受けられるのは、購入後1年後のメーカー保証が終了してから3年や5年などの期間が延長保証期間となります。そして、一般的に延長保証期間内に故障する確率というのは低いということが知られているそうです。
製品の故障率は、バスタブのような曲線になっているのが多いようで、故障率が高いのは購入後1年以内の初期不良の時期、そしてそこから数年間は故障率が低く推移し、一定年数が経過した後は故障率が上がるそうです。
つまり、延長保証となっている期間は故障率が低い期間であるとも考えられるのです。製品によって保証期間が異なるのも、販売店は延長保証の期間を故障率から決めているからだと考えることもできるようです。
保証対象外となるケースが多い
延長保証をつけたからと言って、故障した場合に無条件で対応してもらえるわけではありません。前述したように保証内容を確認すると「保証対象外」の項目は多くあります。
例えば次のような原因の故障は対象外となります。
- 設置不良や工事不良
- 間違った使い方が原因の故障
- 水濡れや落下などによる故障
- サビ・カビなど腐食が原因の故障
- 消耗品が原因の故障
このように、使い方の問題である・消耗品が原因である、と説明されれば保証を受けられなくなります。説明は曖昧で客側には不利な条件とも受け取れるような場合もあるようです。
申請手続きが大変な場合もある
保証対象の可能性があっても申請手続きが大変なこともあるようです。
例えば、手続きをすべて自分でやらなくはいけないことも多く、その手続きが複雑なため一般の消費者では難しいケースもあるそうです。
また、保証金額には上限が設定されていることがほとんどであり、自己負担金が最終段階まで分からず、修理するべきかの判断ができないこともあるそうです。
経費を全額払って手続きを進めたとしても、最終的に故障の原因が分かった時点で対象外となっていれば保証代金が支払われることはありません。
このように、申請手続きがシンプルでスムーズでないケースもあるということも知っておきましょう。
壊れたら買い替えればいいという考え方
メーカー保証の期間が過ぎた後であれば、もし壊れてしまっても新しいものに買い替えればいい、という考え方もあるでしょう。
特に買換えサイクルの短い製品や単価の安い製品であれば、延長保証に入るメリットはあまり感じられないかもしれません。
家電の延長保証のメリット
家電は、壊れるリスクというのはすべての製品にあります。壊れた時の修理費が購入金額を上回ることもあるはずです。
家電の値段や種類によっては延長保証への加入を検討する価値はあるでしょう。加入の多い商品は
- 洗濯機
- テレビ
- ブルーレイ
- 冷蔵庫
- エアコン
- パソコン
などのようです。
家電は機能が多いほど壊れる確率は多くなるようです。特に洗濯機のドラム式は入っていてよかったという声も多いようです。修理費用の平均目安はテレビで25,000円、洗濯機で16,000円、ブルーレイなどが22,000円程度のようです。
購入して数年で修理費用を払うことになる可能性があるのであれば、延長保証を付けておいた方が得であるという考え方もあるでしょう。また、使わないにしても加入してれば安心感もあるため付けているという人もいるようです。
他にも、海の近くに住んでいる場合は塩害でエアコンの室外機が壊れやすいためエアコンには必ず延長保証を付けるなど、住んでいる地域や家電の種類によって加入する・しないの判断も分かれることもあるようです。
家電の延長保証に入るべき条件とは
家電の延長保証はつけるかつけないか?というテーマが以前テレビ番組(林先生が驚く初耳額)で取り上げられていたそうです。そこで紹介されていたのは「期待値」の考え方です。
期待値とは簡単に言い換えると「起こりうる値の平均値」です。
宝くじなら平均してどれくらい儲かるか、サイコロの目の数値なら平均していくつの目が出るか、などで確率的に決まる数値は何回も繰り返すと平均値が期待値にだんだん近づいていくそうです。
林先生は番組内で10万円のテレビを延長保証料の相場3,000円で入る価値があるかどうか説明されていたそうです。
まず、テレビがどのくらいの確率で壊れるか考えてみると、過去に何度テレビが壊れたかについては、そう起こることではなく推定で100分の1程度としたそうです。
そこで延長保証料が3,000円だとすると『10万円×100分の1=1000』となり、期待値は1,000円となるそうです。つまり延長保証料が1,000円までなら払うことに合理性がありますが3,000円では合理性がない、とのことです。
この考え方から延長保証に加入するかしない判断すると3,000円では加入しない、1,000円であれば加入してもよい、ということになるそうです。
さいごに
家電の延長保証は保険のようなものですね。実際に延長保証に入っていて、保証内で修理ができたためとても助かったという経験をしている人も多いでしょう。
延長保証に入る際には、保証内容をよく確認、納得をしてから入るのがポイントのようです。