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畳の寿命は何年?
畳はフローリングと違い、ある程度年数が経つと劣化が進むため、新しいものと交換しなければなりません。ただし、居住環境などによって、畳の寿命は変わります。
畳の寿命の目安がどのくらいなのか、詳しく見ていきましょう。
「使い始めて10年」が一つの目安
畳の平均的な寿命は、だいたい10年前後。使い始めて10年ほど経過したら、「畳表」と呼ばれる畳表面の部分を張り替える必要があります。
しかし、家族構成やペットの有無、ライフスタイルの違いによって、畳の劣化スピードは変わるもの。丁寧に扱い、メンテナンスをしっかりおこなえば、畳の寿命を多少延ばすことができます。
畳の基礎の部分である「畳床」の寿命は、20~25年が目安です。
《 ポイント 》
- 畳表の平均寿命は約10年!
- 畳床は20~25年が寿命の目安
畳の寿命はお手入れすると延びる
畳表に織り込まれている「い草」は自然素材なので、どうしても劣化は避けられません。しかし、こまめにお手入れをすることで、きれいな状態を維持できます。
畳には和紙やビニール製のものもあり、お手入れ方法はそれぞれ違うため、素材に合ったお手入れが必要です。畳を大切に扱い、丁寧にお手入れをすれば、40年ほど使い続けることもできます。
《 ポイント 》
- 素材に合ったお手入れをすることで、40年もつこともある!
畳の材質や種類でも寿命が変わる
畳にはいくつかの種類があり、使われる素材もさまざま。素材によって、寿命は異なります。畳の主な種類と特徴は次のとおりです。
和紙畳:畳表が和紙製・カビが生えにくい
和紙畳の畳表は、こより状にした和紙をさらに樹脂でコーティングしたもので織られています。和紙の表畳で有名なのがダイケン製のもの。
カビが生えにくいためダニが発生しにくく、撥水性が高いといったメリットがあり、評判も高いです。なんと、い草の畳の約3倍長持ちするといわれているんですよ。
琉球畳:畳表が七島イ(カヤツリグサ科)製で畳縁がない・半畳サイズ
琉球畳で使われる七島イは丈夫ですが、縁がないため擦り切れやすく、畳縁のある畳よりも寿命が短くなります。
ビニール畳:畳表がポリプロピレン製・汚れにくくカビが生えにくい
ビニール畳も和紙畳と同様、汚れに強く丈夫でダニが発生しにくいですが、直射日光による熱に弱いといったデメリットも。
畳床は「稲わら」「木材チップ」「ポリスチレンフォーム」の3タイプあり、昔ながらの稲わらがもっとも寿命が長いです。
畳の専門店「こうひん」では、国産い草の畳や和紙畳など、あらゆる種類の畳が揃っているので、ぜひチェックしてみてください。
https://www.kouhin.com/
《 ポイント 》
- 畳には「い草」の畳のほかに「琉球畳」「和紙畳」「ビニール畳」などがある
- 和紙畳とビニール畳はカビが生えにくい!
- 畳床は昔ながらの「稲わら」タイプが一番長くもつ
寿命の過ぎた畳を使った場合はどうなるの?
明らかに傷みのある畳をそのまま使い続けるのはNGです。見た目が悪いだけでなく、畳表面のささくれが目立つようになり、い草のカスが服や足の裏に付くようになります。
和室のある賃貸マンションに入居予定の方は、とくに注意が必要です。内見した際に畳の傷みが気になったら、入居前までに畳を交換しておいてほしい旨を、管理会社の方に伝えましょう。
最悪の場合、古い畳の状態のまま入居することになります。耐久年数を明らかに過ぎた畳は劣化スピードも早まるため、退去時には畳の傷みがひどくなり交換費用を請求される可能性も。
和室のある賃貸物件に入居の際は、管理会社の方としっかり話し合っておく必要があります。
《 ポイント 》
- 傷んだ畳を使い続けると、表面にカスが出て衣類や足の裏に付いてしまう!
- 和室のある賃貸マンションに入居する場合は、内見の際に畳をチェックしておこう
畳の交換時期を判断する目安
畳の交換時期を見極めるのは、素人にはちょっとむずかしいですよね。そこで、畳を交換する時期を判断する目安を、具体的に紹介します。和室がある方は、畳の状態を確認してみてくださいね。
年数で判断する
畳の寿命を使用年数で判断するのが、一番わかりやすいです。畳のメンテナンスを何もせずに20年以上使っている場合は、寿命だと考えていいでしょう。
畳の状態を見たうえで、まずは畳表の張り替えを検討してみてください。畳の上を歩くと、きしんだりへこんだりする場合は、畳床ごと取り替える必要があります。
《 ポイント 》
- 何もメンテナンスせず20年以上使っている畳は、畳床ごと交換が必要かも!
色で判断する
畳表の色が黄色や黄土色になってきたら、そろそろ畳表を張り替えるサイン。新品の畳表は緑色ですが、少しずつ白~黄みがかってきて、年月がたつにつれて朱色っぽい黄色に変化します。黄色が赤みを帯びてきたら、畳表を交換するタイミングです。
《 ポイント 》
- 畳表が赤みを帯びた黄土色になってきたら畳表を張り替えるサイン!
表面の状態で判断する
畳が劣化すると、表面がバサバサと毛羽立ってきます。畳の網目が粗くなってきたら末期の状態なので、早めに畳表を張り替えたほうがいいですよ。畳表のシミや汚れがひどい場合も、寿命と考えていいでしょう。
《 ポイント 》
- 畳表が擦り切れて網目が粗くなったら畳表の寿命!
臭いで判断する
明らかに畳から異臭がしてきてどうしようもできない場合は、交換することをおすすめします。拭いても取れない強いカビの臭いがする場合は、畳の中がカビだらけの可能性も。畳の状態によっては、畳床ごと新調する必要があります。
《 ポイント 》
- 畳がカビ臭くなってきたら要注意!早めの交換が必要
カビ・ダニの状況で判断する
掃除を怠っている、または湿気の多い部屋に畳がある場合は、カビが生えている可能性があります。
畳の表面にカビがたくさん生えていて、畳の上にいるとダニによく刺される…といった場合は、畳を交換した方がいいでしょう。
《 ポイント 》
- 畳の表面にカビが目立ったりダニがたくさんいたりする場合は交換を検討しよう!
汚れの具合で判断する
生活していれば、畳は多少なりとも汚れてくるものです。しかし、頑固な汚れや擦り切れが目立つ畳をそのままにしておくのは問題ですよね。
来客があったときに、相手を不快にさせてしまうかもしれません。使用年数が短くても、汚れや擦り切れが度を越している場合は、畳表を張り替えるのが間違いありません。
《 ポイント 》
- 使用してさほど年数がたっていなくても、汚れが激しい場合は畳表を交換する!
畳のメンテナンス方法
畳のメンテナンスは、手間とお金がかかりそう…と不安に思う方も多いのではないでしょうか。ここでは、畳のメンテナンス方法とおおよその費用の目安について紹介します。
裏返し
裏返しとは、畳表(畳の表面部分)を一度はがし、裏返すこと。裏側は新品同然なので、裏返しをおこなうだけで、新しい畳のようになります。
裏返しをする時期の目安は3~4年目。5年を過ぎると裏面も劣化している可能性が高いので、5年以内に裏返しをしておくのがベストです。
裏返しの費用の目安は、だいたい3,500~6,000円程度。畳縁の交換をする場合は、追加で1畳につき約3,000円かかります。
《 ポイント 》
- 裏返しとは畳表をはがして裏面にし、張り替えること
- 裏返しの時期の目安は3~4年目
- 裏返しの値段は1畳あたり3,500~6,000円
表替え
表替えは、畳表自体を新品と張り替えること。表替えの費用は裏返しより少し高めで、1畳につき4,000~9,000円ほどかかります。
《 ポイント 》
- 畳の表替えは、畳表を新調すること
- 表替えの値段は1畳あたり4,000~9,000円
新調
畳の新調とは、畳床ごとまるまる新しくすることです。畳を使い始めて20年以上経っており、歩くたびに畳が沈む場合は、畳を新調する必要があります。
畳の新調にかかる費用は、1畳あたりおよそ10,000~25,000円です。
《 ポイント 》
- 畳の新調とは、畳床ごと新品に交換すること
- 畳を新調する値段は1畳あたり10,000~25,000円
畳の寿命を延ばすコツ
畳は扱い方次第で寿命を延ばすことができます。少しでも長持ちさせるために、こまめにお手入れしましょう。畳の寿命を延ばすためのお手入れの仕方を紹介します。
定期的に天日干しする
多くの畳は天然素材でできており、湿気に弱い性質。湿気を逃すために定期的に天日干しすることで、畳を劣化させる原因となるダニやカビを防ぐことができます。
外に畳を干すことができない場合は、畳を少し持ち上げて、厚みのあるものを間に挟んで風を通すだけでも効果的です。
天日干しのやり方
- 晴れた日に、畳を取り出して外に運ぶ
- 畳を立てかけられる場所に置く
- 布団たたきなどで「パンパン」と畳を叩き、ほこりを払う
- 4~5時間ほど干す
天日干しの際に、畳表を直射日光に当てると日焼けしてしまうので注意してください。畳表は日陰に、畳裏は日が当たるように干すのがポイントです。とくに湿気がこもりやすい部屋に畳がある場合は、半年に一度くらいの頻度で天日干しするといいでしょう。
《 ポイント 》
- 半年に1度畳を天日干しすると、カビやダニから畳を守ることができる
- 畳表に直射日光が当たらないように注意する
こまめに掃除機をかける
1週間に数回、畳の上にたまったホコリや小さなゴミを掃除機で吸い取りましょう。掃除機をかけるときは、「畳の目に対して平行にやさしくゆっくり」を心がけてください。
畳のすき間のダニやホコリを吸い込むイメージで掃除機をかけるのがポイントです。
《 ポイント 》
- 畳に掃除機をかけるときのポイントは、織り目に対して平行に、ゆっくりやさしく!
水や飲み物をこぼしたら直ぐに乾かす
畳は湿気に弱いため、水気のあるものをこぼしたら乾いた雑巾などですぐに拭き取ってください。ジュースなどの場合はベトベトしてしまうので、乾拭きの後お湯で湿らせて固く絞った雑巾で拭き取りましょう。
織り目に沿って撫でるように拭くのがポイントです。畳を拭いた後は、窓を開けてしっかり乾燥させてくださいね。
《 ポイント 》
- 畳に水をこぼしたら「すぐに乾拭き→乾燥」を徹底する!
汚れたらなるべく早く対処する
ときには畳の上でペットがおしっこをしたり、小さい子どもが嘔吐したりすることもあるでしょう。そういったときに早めに対処することが、畳を傷めないコツです。こまめに不織布のモップで乾拭きをするのもおすすめですよ。
《 ポイント 》
- 畳が汚れたときにすぐ対処するのが畳の傷みを防ぐコツ!
畳の寿命が短くなるNGなこと
畳をできるだけ長持ちさせるためには、寿命を短くさせる行為は避けたほうがいいですね。とくに、ここで紹介する3つの行為は絶対にやめましょう。
畳の上にカーペットなどの敷物を敷く
畳の上にカーペットやラグマットなどを敷くと、畳が呼吸できなくなり内側に湿気がこもってしまいます。カビやダニの棲み処になり畳の劣化につながるので、畳の上には何も敷かないようにしてくださいね。
《 ポイント 》
- 畳の上にカーペットなどを敷くと湿気がこもってカビやダニが発生しやすくなる!
畳を直射日光に当てる
畳の表面素材にはい草や和紙、ビニールなどがありますが、どの素材も日光によりダメージを受けます。
い草の畳や琉球畳は日焼けにより変色しやすく、ビニール畳は熱により伸縮しやすくなります。畳のある部屋には、直射日光が入らないように注意しましょう。
《 ポイント 》
- 畳に直射日光が当たると、変色や伸縮を招き劣化が進む
畳の部屋にペットを入れない
畳の部屋にペットを入れてしまうと、排泄物や唾液による汚れ、爪による擦り切れなどを避けられません。どれも畳の劣化を早める原因となるので、ペットを飼っている家庭では注意が必要です。
《 ポイント 》
- 畳の部屋にペットを入れると、汚れや擦り切れが避けられず畳の劣化を招く!
まとめ:上手にお手入れして畳の寿命を延ばそう
畳のない家に住んでいても、「畳ベッドやユニット畳を使ってみたい」と考える人も多いはず。
畳には、心を落ち着かせる不思議な魅力がありますよね。畳には寿命がありますが、使い方やお手入れのやり方次第で長持ちさせることができます。
和室がある方やこれから畳を使う予定がある方は、この記事を参考にして畳を丁寧に扱いましょう。