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梨の旬の時期と産地
梨の収穫は、秋を待たずに始まります。日本梨は追熟をしないため、市場に出回るのは収穫したてのものばかり。
梨の収穫シーズンが、そのまま旬の時期になるということですね。梨にはさまざまな品種があり、それぞれの旬の時期は微妙に違います。
ここでは、梨の品種別の旬の時期と主な産地について、具体的に解説します。
食べごろの美味しい時期は9月
品種によって収穫の時期が変わるため、市場に出回る梨の種類も月ごとに異なります。一番収穫が早い品種だと、店頭に並ぶのは7月からです。
そのため収穫のピークは8〜10月で、遅いものだと寒くなりはじめる秋以降にようやく旬を迎えます。そのため梨が一番美味しいのは9月と言われています。
《 ポイント 》
- 梨の収穫ピークは8〜10月、食べごろは9月!
品種ごとの旬の時期
ここで、品種別の旬の時期を具体的に見ていきましょう。日本で生産量の多い人気の品種を、6種類ピックアップしました。
- 幸水:7~9月半ば
- 豊水:9月
- 二十世紀:8月下旬~10月中旬
- 愛宕:12月半ば~1月
- 新雪:12月半ば~1月
- 新興梨:10月下旬~11月
品種にこだわらなければ、梨は夏から冬にかけて長期にわたり食べることができます。
《 ポイント 》
- 梨は早いものだと7月、遅いものだと1月に旬を迎える
全国的に生産されている
国内で日本梨の生産量がもっとも多いのは千葉県です。次いで、茨城県と栃木県がシェアを占めています。西洋梨の生産量は、山形県がナンバー1です。
福島県や鳥取県でも、日本梨の生産が盛ん。日本の南方に位置する九州産の梨は収穫時期が早いので、6月下旬から市場に出回ります。
梨は沖縄以外のほとんどの地域で栽培されている、日本人に人気の果物なのです。
《 ポイント 》
- 日本梨の生産量トップ3は、千葉・茨城・栃木県!
旬の梨の美味しい食べ方
せっかく旬の梨が手に入っても、美味しい食べ方を知らないともったいないですね。梨を美味しく食べるためには、いくつかのポイントがあります。
これから紹介するポイントを参考にして、梨を美味しくいただきましょう。
冷やし過ぎはダメ
冷たい梨は美味しいですが、冷蔵庫で冷やしすぎることで、せっかくの甘みがぼやけてしまいます。梨の甘さをキープするなら、食べる直前に冷やすのがベスト。
食べる予定の1時間ぐらい前に冷蔵庫に入れるといいでしょう。氷水に入れて急冷するのもおすすめです。
《 ポイント 》
- 梨は食べる1時間前に冷蔵庫に入れる!
皮はなるべく薄くむく
梨の皮付近の果肉は、糖度が高く美味しい部分。皮を厚くむいてしまうのはもったいないです。皮をむくときは、糖度の高い皮の近くの果肉を残して薄くむくようにしましょう。
芯に近い中心部分は甘みが弱く酸味が強いので、大きめにカットしてOKです。
《 ポイント 》
- 皮の近くの果肉は糖度が高くて美味しい!
旬の梨の選び方
スーパーに並ぶ梨を、適当に選んではいませんか?
美味しい梨には、見た目でわかる特徴があります。梨を買う前に、ここで紹介する3つの特徴をチェックしてみてください。
旬の美味しい梨のカタチと大きさ、色について解説します。
カタチ
梨のカタチをチェックするときには、まず「おしり」部分を見てください。おしりが平べったい形で重量感があるのが、美味しい梨の証。
梨のおしり部分には、甘みの強い果汁がたっぷり。いびつなカタチではなく、左右対称できれいなカタチの梨を選びましょう。
《 ポイント 》
- 左右対称のカタチでおしりが平べったい梨を選ぶ!
大きさ
梨は大きいほど味がいい、といわれる果物。品種によって大きさは異なりますが、同じ品種の梨なら、迷わず大きいサイズのものを選びましょう。
大きい梨は栄養豊富で香りがよく、甘みが強くてジューシー。サイズが大きいと、味も大ぶりなのでは……と思う方は、ぜひ大きい梨を食べてみてくださいね。
《 ポイント 》
- 小さい梨よりも大きい梨のほうが美味しい!
色
果皮の色が緑色をした「二十世紀」などの青ナシの場合、鮮やかな緑色よりも黄緑がかった色のほうが美味しいです。ところどころ黄色くまだらになっている状態が「虎熟れ」といわれ、食べごろのサイン。
幸水などの赤ナシは、果皮が薄い黄土色から赤みを帯びてきたころが食べごろです。
《 ポイント 》
- 青ナシは果皮が黄緑でところどころ黄色い「虎熟れ」の状態が食べごろ
- 赤ナシは果皮の色が赤みがかった茶色のものが美味しい
梨の正しい保存方法
梨の正しい保存方法を知らない方は、意外と多いのではないでしょうか。梨は、残念ながらあまり日持ちしません。鮮度が高ければ高いほど、シャキシャキとしてジューシーです。
できれば購入したその日のうちに食べるのがベスト。保存する際には、新鮮な状態をしっかりと保つ必要があります。ではここで、梨の正しい保存方法を見ていきましょう。
冷蔵は野菜室で保存
梨を丸ごと保存する際には、乾燥させないよう心がけてください。ポリ袋などに入れて、食べる直前に冷蔵庫の野菜室に移すようにしましょう。
その日のうちに食べない場合は個別にラップで包み、ヘタの部分を下にしてポリ袋やジッパー付きの保存袋に入れ野菜室で保存します。
しっかりと密閉した状態で野菜室に入れた場合、保存期間はおよそ10日ほど。でも美味しく食べるには、早めに食べるのが一番です。
《 ポイント 》
- 梨をしっかり密閉して野菜室で保存すれば、約10日もつ!
シャーベットなどにするなら冷凍保存もOK
梨を食べるなら生のままが一番ですが、冷凍保存も可能です。凍らせた梨を半解凍し、スプーンなどで軽くほぐせば、シャーベットとして食べられます。
冷凍する前に、梨の皮をむいてカットしたら塩水や砂糖水にさらして「酸化止め」するのを忘れずに。酸化止めすることで、果肉が茶色く変色するのを防ぎます。
小分けにしてラップに包み、ジッパー付きのフリーザーパックに入れて冷凍庫に入れましょう。保存期間は、約1ヶ月です。
《 ポイント 》
- 冷凍前に、カットした梨を砂糖水や塩水にさらして酸化止めをする!
- 梨を小分けにしてラップに包み、フリーザーパックに入れて冷凍保存すれば1ヶ月もつ
梨に関するQ&A
西洋梨(洋ナシ)に関する質問にお答えします。
A.西洋梨の旬は、11月~12月頃です。西洋梨は、収穫後およそ3週間の追熟期間を必要とします。追熟期間を終えた時期が旬であり、西洋梨の食べごろです。
A.日本でもっとも人気の西洋梨といえば、ラフランスです。ラフランスに次いで人気なのが、甘みの強さとなめらかさが魅力のルレクチェ。どちらも果汁たっぷりで、香りがよく絶品です。
A.ラフランスを含め、西洋梨の生産量が圧倒的に多いのが山形県です。ルレクチェは主に新潟県で栽培されています。
《 ポイント 》
- 西洋梨の旬は11月~12月頃
- 日本で人気の西洋梨は、ラフランスとルレクチェ
- 西洋梨の主な産地は山形県!
梨の栄養成分と効能
梨の果実の88%は水分です。主な栄養素と期待できる効果は、以下のとおり。
- アスパラギン酸(アミノ酸の1種):疲労回復
- ソルビトール:咳の緩和、解熱
- プロテアーゼ:消化促進
- カリウム:高血圧予防
夏に梨を食べれば、手軽に水分補給ができます。夏バテ予防効果も期待できるので、一石二鳥ですよ。
《 ポイント 》
- 梨は咳の緩和や解熱、消化促進、高血圧予防効果が期待できる
さいごに
梨の魅力といえば、たっぷりの甘い果汁とシャキシャキ感。秋になると無性に食べたくなりますよね。梨の旬は秋だけでなく、初夏や晩秋に食べごろを迎える品種もあります。
今回紹介した美味しい梨の選び方や食べ方を参考にして、旬の美味しい梨をたくさん食べましょう。品種にこだわらければ、長期間楽しめますよ!