目次
きのこを冷凍保存するときの基本
水洗いをしない
きのこは鮮度が落ちやすく日持ちしないため、取り扱いに注意が必要です。すべてのきのこに共通する保存方法はふたつ、冷蔵と冷凍を使い分けることです。
その日のうちに使いきる場合は、生のまま冷蔵保存しますが、それ以外は、きのこの鮮度が落ちないように冷凍保存しましょう。きのこの風味が落ちるのを避けるため、基本的には洗う必要はありません。
きのこについた水分は腐敗やニオイの原因になるので、きのこは洗わずに保存するのが基本です。汚れやほこりが付着している場合は、水で軽く湿らせたキッチンペーパーで拭き取りましょう。
そのまま調理できる状態で冷凍
大切なことは、それぞれのきのこに適したやり方で切ってから冷凍するということです。冷凍したきのこは、解凍せずに、いずれも凍ったまま加熱調理に使えるからです。
切るときには、
- まな板と包丁を使う
- キッチンバサミを使う
- 手で食べやすい大きさに裂く
この3つの方法があります。
きのこは種類によって、適した保存方法が異なりますので、それを把握したうえでおいしさを長持ちさせましょう。
まとめて密封できる保存袋に入れる
きのこは切り口から水分が出てくる野菜とは異なり、凍らしたときにきのこ同士がぴったりとくっついてしまうことがありません。きのこは簡単にバラせますので、小分けにしなくても全部一緒に1枚の密閉保存袋に入れて冷凍しても構いません。
冷凍きのこのミックス
数種類のきのこをあらかじめ混ぜたものを冷凍しておくと、料理に使った時に、より旨みを出すことができます。
自分の好みのきのこを組み合わせてOKですが、中でもおすすめは、味と風味のバランスがよい「しめじ」「えのきだけ」「エリンギ」のミックスです。しいたけは、味や香りが強めなので、他のきのこよりも少なめにしましょう。
冷凍きのこミックスの作り方
- カット・ほぐす
お好みのきのこは、石づきがあれば切り落とし、食べやすい大きさになるようバラバラにほぐします。※マッシュルームやしいたけは包丁で薄くスライスします。 - 混ぜてから冷凍する
きのこをボウルなどで混ぜてから冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
- 冷凍庫で1ヵ月程度保存できます。
- きのこを食べるときは凍ったまま料理に加えて加熱調理します。
凍ったまま調理
冷凍してあるきのこを解凍してから調理すると、きのこがベシャベシャになり、旨味も一緒に溶け出してしまいます。
よって、きのこは凍ったままの状態でフライパンや鍋に入れて調理しましょう。
《 ポイント 》
- きのこは基本的には洗う必要はない。
- きのこはそのまま調理できるようなサイズにしてから冷凍する。
- きのこをまとめてジップロックなどの密閉保存袋に入れて冷凍する。
- きのこを調理するときは解凍せずに凍ったままフライパンや鍋に入れる。
- きのこは冷凍なら1ヶ月程度の保存が可能。
きのこ種類別!冷凍保存方法と賞味期限
しいたけ
しいたけは傘の部分だけでなく、軸の部分にも栄養があり食べることができますので、用途に合わせてカットします。
丸ごとでも冷凍できますが、ぶつ切りにするか、斜めにスライスしてから冷凍すると炒め物などにそのまま使えて便利です。キッチンバサミを使ってカットしてもよいでしょう。
- 先端の石づきだけを取り除き、傘と軸に切り分けます。
- 冷凍用保存袋に軸と傘を入れ、冷凍します。
- このやり方で、保存期間は冷凍庫で1ヵ月程度です。
- 食べるときは凍ったまま料理に加えて加熱調理します。
エリンギ
石突を切り落とした状態で出荷されるので、スーパーで買ったものは全て食べることができます。ただし、根元部分が乾燥して硬くなっている場合は、鉛筆を削るように薄く削ぎ落します。
食べ方に合わせてカットしたら、密閉保存袋に入れて冷凍します。包丁を使って切る場合は、適度な大きさにぶつ切りにしたり、スライスにします。
キッチンバサミを使って切る場合は、根元部分に十字に切り込みを入れてから手で裂きます。裂いた後は好みの大きさに縦薄切りにします。小さいエリンギは十字ではなく、半分に切り込みを入れるだけでOKです。
- 根元部分が硬い場合、鉛筆を削るように薄く削ぎ落します。
- 食べ方に合わせてカットします。※キッチンバサミの場合は、根元部分に十字の切り込を入れて手で裂き、縦にカットします。
- 冷凍用保存袋に入れ、口を閉じて冷凍します。
- このやり方で、保存期間は冷凍庫で1ヵ月程度です。
- 食べるときは凍ったまま料理に加えて加熱調理します。
舞茸
舞茸には石づきがないので捨てるところがありません。なのでスーパーで買ったらそのまま全て食べることができます。
キッチンバサミも包丁も必要なく、もっとも処理が簡単なきのこであり、さまざまな料理とも相性がよく、大変使い勝手のいい食材です。
- 手で食べやすいサイズになるように手で裂きます。
- 密閉保存袋に入れて冷凍します。
- このやり方で、保存期間は冷凍庫で1ヵ月程度です。
- 食べるときは凍ったまま料理に加えて加熱調理します。
えのきだけ
えのきはぎゅっとくっついている部分を切り落として、捨ててしまっているかもしれませんが、実はその部分も食べられるのです。
根元のぎゅっとくっついている部分は、ステーキのようにしてバターで焼くととても美味しいです。
- 最も根元の部分にあたる石づきだけを切り落とします。
- 3等分くらいにカットし、食べやすいように適度にほぐします。
- 冷凍用保存袋に入れ、口を閉じて冷凍します。
- このやり方で、保存期間は冷凍庫で1ヵ月程度です。
- 食べるときは凍ったまま料理に加えて加熱調理します。
しめじ
- 根元の石づきを切り落として手でほぐしながらバラバラにします。
- 包丁を使って切る場合は、手で半分に割ってから切ると、可食部の損失が少なく済みます。
- キッチンバサミを使う場合は、手で4〜6個に割ってから、それぞれの石突を切り落とし、手でバラバラにします。
- 冷凍用保存袋に入れ、口を閉じて冷凍します。
- 食べるときは凍ったまま料理に加えて加熱調理します。
このやり方で、保存期間は冷凍庫で1ヵ月程度です。
なめこ
脱気パック入りの加工品の場合
こちらは袋ごと冷凍しましょう。冷凍保存期間は他のきのこに比べて短めの2〜3週間程度です
生の株ごとなめこの場合
- 石づきを取り除き1本ずつほぐします。
- 塩を加えたお湯にほぐした状態のなめこをサッとくぐらせます。
- 粗熱を取ってから冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
- 食べるときは凍ったまま味噌汁などの具として使えます。
生の株ごとのなめこの場合は、保存期間は冷凍庫で1ヵ月程度です。
《 ポイント 》
- しいたけは軸の部分にも栄養があり食べられる。
- エリンギは購入した状態のまま全て食べることができる。
- 舞茸は石づきがないので捨てるところがない。
- えのきはぎゅっとくっついている部分も食べることができる。
- しめじは手でほぐしながらバラバラにする。
- 加工品のなめこは袋のまま冷凍。
- 生の株ごとなめこはお湯にサッとくぐらせてから冷凍する。
きのこは冷凍すると旨みが増える?
きのこは冷凍してから加熱すると、細胞膜が壊れるため、酵素の働きによって旨みが増すといわれています。さらに、きのこは冷凍した方が香りや風味を、より一層感じられるというメリットもあるようです。
きのこの食感もそれほど落ちずに使用できますので、下ごしらえをしてから冷凍保存すれば、調理時に時短ができて便利です。
ただしマッシュルームの場合は、冷凍すると食感が変化するので、生で調理することをおすすめします。
《 ポイント 》
- 冷凍してから加熱すると旨みが増す。
- マッシュルームは冷凍せずに生で調理する。
冷凍きのこの旨味を活かしたおすすめレシピ
冷凍きのこを凍ったまま加える、手軽なレシピ5品をご紹介します。いずれも冷凍きのこならではの旨みを活かしたレシピです。
きのこのイタリアンバジル和え
材料(2人分)
- 冷凍きのこミックス(エリンギ、しいたけ、しめじなど):200g
- 生のマッシュルーム:5個
- オリーブオイル:大さじ1
- ニンニク:1/2片
- 塩、バジル
作り方
- 耐熱皿に冷凍きのこミックスとマッシュルーム、混ぜ合せた調味料を加えて絡めます。
- 600Wの電子レンジで1分加熱し、バジルをふればできあがりです。
電子レンジ調理でとても簡単に仕上がります。シイタケやシメジなど自分の好きな冷凍キノコをたっぷり使用して作ってみてください。
きのことベーコンのレンジ蒸し
材料(2人分)
- えのき:1袋
- しめじ:1/2パック
- ベーコン:3枚(ウインナーでも代用可)
- 昆布茶:2g
- 酒:大さじ1
- レモン汁:小さじ1~2
- 万能ネギ
- お好みでバター:10g
- ポン酢:適量
作り方
- 冷凍えのきとしめじ、8mm幅に切ったベーコン、調味料を耐熱ボウルに入れてラップをかけます。
- 600Wの電子レンジで約3分間加熱します。
- 最後にお好みで万能ネギやポン酢を適量かければできあがりです。
きのこの中華スープ
材料(2人分)
- 冷凍きのこ:60g
- 乾燥わかめ:2g
- 水:400ml
- オイスターソース:小さじ1
- 醤油:小さじ1
- 鶏がらスープの素:小さじ2/3
- 塩
- コショウ
作り方
- 耐熱保存容器に冷凍きのこ、乾燥わかめを入れ、調味料を加えます。
- ふんわりラップし、600Wのレンジで5分加熱します。
- 塩、コショウでお好みの味に調整したらできあがりです。
冷凍きのこの炊き込みごはん
材料(2人分)
- 米:1合
- ベーコン:2枚
- 冷凍きのこ:150g
- 油揚げ:1/2枚
- 醤油:大さじ1
- 酒:大さじ1/2
- みりん:大さじ1/2
- 塩:少々
作り方
- お米1合を研いでおきます。
- 炊飯器に研いだ米、冷凍ミックスきのこ、細切りにしたベーコンと油揚げ、調味料を入れ混ぜ合わせます。
- 1合の目盛りまで水を入れて通常通りに炊き、時間がきたらできあがりです。
ナスときのこの香味南蛮
材料(2人分)
- なす:1本
- 冷凍きのこミックス:200g
- 薄力粉:小さじ1
- 酢:大さじ2
- 醤油:大さじ1
- 砂糖:大さじ1/2
- 豆板醤:大さじ1/2
- ごま油:小さじ1/2
- 長ネギ:1/8本
- しょうが
- 白ごま
作り方
- 大きめのビニール袋に乱切りしたナス、冷凍きのこミックスを入れ、薄力粉をまぶしておきます。
- フライパンを中火にかけて油をしき、しんなりするまで炒めます。
- 火を止めて熱いうちに、混ぜ合せた調味料を加えて絡め、荒熱が取れたら冷蔵庫に入れて冷やしておきましょう。
秋に美味しくなるナスは、たっぷりの油で炒める事で色良く仕上がります。鶏肉を加えてボリュームアップしたり、ピリッと辛い方がお好みであれば、豆板醤を多めに加えるなど、応用して美味しく仕上げてください。
《 ポイント 》
- 冷凍きのこのイタリアンバジル和え。
- 冷凍きのことベーコンのレンジ蒸し。
- 冷凍きのこの中華スープ。
- 冷凍きのこの炊き込みごはん。
- ナスと冷凍きのこの香味南蛮。
最後に
きのこを冷凍する場合のポイントを紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
味も香りも、きのこそれぞれに個性がありますが、その魅力を生かすには、鮮度が命です。早めに食べきるのが一番いいのですが、それが出来ない時には冷凍することで、生とは一味違う旨みを引き出せるので、そのメリットを活かして上手に調理してみましょう。
調理する時には、鍋やフライパンに直接放り込むだけなので、その都度切る必要がなく、時間の節約にもなります。便利な冷凍保存を取り入れながら、5つのレシピを応用して風味豊かなきのこ料理を味わってみてくださいね。