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秋刀魚の旬
秋刀魚は字の通り秋の味覚を代表する魚のひとつです。
美味しい時期は「秋~晩秋」
秋刀魚が一番美味しいと言われる脂が乗った旬の時期は北海道の北の海から三陸沖辺りまで南下してくる9月の始め~10月の末までとなります。
三陸沖の海は親潮と黒潮がぶつかる世界三大漁場とも言われる場所になりエサが豊富で秋刀魚に脂が乗るので、三陸で水揚げされる秋刀魚は美味しいとされていて日本各地で、この旬の時期にさんま祭りが開催されています。
近年は秋刀魚の漁獲量も激減し冷凍された輸入秋刀魚もスーパーなどで出回っています。
生食用は8月末から
秋刀魚は8月末から北海道東で水揚げが始まります。それから徐々に三陸沖まで南下していきます。8月末から10月中旬頃まで漁は続きこの時期の秋刀魚はサイズも大きくて脂の乗りも良く、新鮮な秋刀魚でしか味わうことが出来ないお刺身でも楽しむことが出来ます。
10月中旬以降の秋刀魚は加工用
10月中旬以降になると秋刀魚は三陸沖から南下して少しづつ脂も落ちて減っていきます。この時期の秋刀魚は伊豆半島沖で水揚げされて脂が減っていることから加工品を作ることに適していて干物などに加工されて販売されています。
《 ポイント 》
- 秋刀魚の旬は9月の初めから10月末まで、旬の走りは価格が高騰しているので9月の中旬頃の価格が落ち着いた頃がおすすめです。
旬の秋刀魚の目利きポイント
美味しくて鮮度が良い旬の秋刀魚を選ぶときの目利きのポイントを伝授します。スーパーなどで秋刀魚を購入するときに役立ててください。
色に注目
まずは秋刀魚の各場所の色に注目しましょう。目の色がきれいな澄んでいるものを選びましょう。エラ蓋を開いてみて中のエラを確認して鮮やかな紅色になっていれば新鮮です。
時間が経つとエラは茶色っぽく変色してしまい、変色が始まっているものは刺身に向きません。そして体の色を確認します。体表がキラキラ光った銀色のものが良いとされています。
形や感触
形や感触でも鮮度の確認ができます。鮮度が良い旬の秋刀魚は触ってみると固く持ってみてもぐにゃっとしません。特に腹の部分がかたいものを選びましょう。
夏の出始めの時期の秋刀魚はまだまだ脂の乗りが少ないので体高が低いスリムな体型になっています。脂の乗りが良くなると背が盛り上がり体高が少し高くなっています。
《 ポイント 》
- 秋刀魚は目が澄んでエラが赤く、触ってみて腹の部分がかたいものが新鮮
旬の秋刀魚の美味しい食べ方
秋刀魚は出始めの時期の物と10月中旬を過ぎた辺りの時期の物とは脂の乗りが全然違うので、食べ方は獲った時期でその時の脂の乗りに合わせた美味しい食べ方があります。
鮮度がよい旬の秋刀魚はお刺身がおすすめ
秋刀魚と言えば塩焼きで食べるというイメージがありますが、鮮度の良い秋刀魚を手に入れることが出来たらお刺身にすることをおすすめします。
握り寿司にしても焼き物とは全く違う味わいの別の美味しさを堪能することが出来ます。またお刺身で食べることでDHAやEPAと言った貴重な栄養成分を流出させてしまうことなく効率良く摂取することが出来ます。
秋刀魚の刺身を食べる時は薬味として、生姜とねぎをみじん切りにしてそこにポン酢を浸る程度に加え、ごま油を加えて白ごまをまぶして醤油の代わりに付けて食べると非常に美味しいのでおすすめです。
刺身のような生食をする際は寄生虫のアニサキスに注意してください。
脂が多い旬の秋刀魚は塩焼きが美味しい
脂が多い旬の秋刀魚は塩焼きにすると大変美味しくいただけます。
秋刀魚は消化器官が短いので餌を食べてから排出するまでの時間が短いので、お腹の中に不純物を貯め込んでいないため、焼いた場合は内臓まで美味しく食べることが出来ます。少し苦みがあるので好みはあると思いますが、内臓の苦味が旨みとなり身の美味しさが際立ちます。
焼いた秋刀魚の付け合わせには大根おろしとなりますが、大根おろしが選ばれている事には意味があります。
大根おろしには焦げた部分の発がん性物質の予防や内臓の苦味を抑えたり消化の促進やビタミンや鉄分の吸収を促進させる効果があります。焼いた秋刀魚を食べる時には大根おろしを用意して一緒に食べるようにしましょう。
その他の美味しい食べ方
その他にも旬の秋刀魚を美味しく食べる方法があります。秋刀魚を三枚におろしてフィレ状にして揚げ物にしたりかば焼きにしたり、鯖と同じように酒と醤油とみりんで甘辛く煮つけたても美味しく食べることが出来ます。
《 ポイント 》
- 9月初旬~10月初旬はお刺身で食べるのが特におすすめ。塩焼きは内臓まで美味しく食べることができる
秋刀魚の保存方法
旬の時期の秋刀魚の場合、その日のうちに食べきることができない場合は冷蔵や冷凍で保存しましょう。
冷蔵保存の方法
冷蔵保存する場合は、まず秋刀魚の表面を冷水で軽く洗います。洗った秋刀魚の水分をキッチンペーパーで拭き取ります。
雑菌を取り除いた状態で保存するために水分をしっかり取ってください。水分を取ったらラップで出来るだけ空気を入れないように包み密封に近い状態にしましょう。
ラップに包んだ秋刀魚は冷蔵庫にチルド室がある場合は、温度が低いのでチルド室に入れて保存しましょう。新鮮な秋刀魚でしたら保存期間として2日以内ならば刺身でも美味しくいただけます。
冷凍保存の方法
冷凍保存する場合は、まず秋刀魚の表面を冷水で軽く洗います。洗った秋刀魚の水分をキッチンペーパーで拭き取ります。雑菌を取り除いた状態で保存するために水分をしっかり取ってください。
水分を取ったらラップで出来るだけ空気を入れないように包み密封に近い状態にしましょう。ラップで包んだ秋刀魚は冷凍庫で保存しましょう。
秋刀魚の内蔵を取り除いて冷凍保存する方法もありますが、内蔵部分から冷凍焼けし黄色く変色してしまうことがあるので内蔵を取り除く必要はありません。そのまま冷凍保存しましょう。
この方法で冷凍保存すれば30日間保存できます。保存した秋刀魚は生では食べず必ず加熱調理してから食べてください。
秋刀魚に関するQ&A
A.秋刀魚の全国の水揚げ量が1番多い都道府県は北海道です。全国で水揚げされる秋刀魚の約50%は北海道で水揚げされています。次いで宮城県でその次が岩手県になります。
A.旬の始めの9月初旬は高値になりますが、水揚げが安定する中旬になると価格が半額程度になって落ち着きます。そのころからが低価格で変える時期になります。
A.秋刀魚にはサンマウオジラミ、サンマヒジキムシ、ラジノリンクスという寄生虫が付きますがこれらの寄生虫は人体は害がありません。
気を付けなくてはいけないのはアニサキスで、秋刀魚を生で食べる時には注意してください。
秋刀魚の栄養と効能
秋刀魚は代表的な青魚なのでDHAやEPAを含む栄養価の高い魚なので積極的に食べたい魚です。
DHAが多く含まれている
DHAは頭が良くなる栄養素と言われていますが、脳細胞の活性化や目の網膜の活性化に効果があります。その他にも悪玉コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やすという効果もあります。
EPAも多い
EPAは動脈硬化を防ぎ血液をサラサラにして抗血栓の効果やコレステロールを低下の効果もあるので、脳血栓の予防や改善といった効能があります。
ビタミンも豊富
目の健康や皮膚を保つビタミンAや血流の改善に役立つビタミンE、カルシウムの吸収を促進して丈夫な骨を作るビタミンD、脂質や糖質の代謝を促し粘膜を保護するビタミンB2などのビタミン類も豊富に含んでいます。
鉄分
鉄分は赤血球中のヘモグロビンの合成に必要な栄養素で、体中の各器官に酸素を運ぶ働きをします。
カルシウム
カルシウムは骨や歯を作って丈夫にしてくれます。カルシウムの吸収を促進してくれるビタミンDも含んでいるので効果的です。
《 ポイント 》
- DHAやEPAはお刺身で食べると栄養成分も漏らさず美味しく食べることができる
最後に
旬の秋刀魚は多くの栄養が詰まっている秋の味覚の代表です。
温暖化による海水温上昇の影響や日本周辺の国の韓国、台湾、中国も秋刀魚漁をするようになり日本の漁獲量が減ってしまい以前よりも価格が高騰して高級後並みになる場合があります。
値段が落ち着くのを待ってからでも旬の秋刀魚を美味しく食べましょう。