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他人への気配りは大切!だけど・・・
外食へ出掛けた時、旅行でホテルや旅館に宿泊した時、お世話になる施設の方への気配りができる人は素敵ですよね。お互いに気遣いを忘れないことで、気遣う側も気遣われる側も気持ちの良いコミュニケーションを取ることができます。
それは友人や同僚間でも同じです。皆平等に気配りができる人は、上司や部下問わず、多くの人に慕われる傾向があります。他人への思いやりは、結果として、自分に返ってくることにもなるのです。
『ありがた迷惑行為』は教えてもらう機会が少ない
しかし、自分がよかれと思ってやっている行為の中には、実は他人から見ると「ちょっと迷惑かも」と思われている行為もあります。特に、その人が望んでいないのに「してあげている感」を出す態度には、『ありがた迷惑』と感じる人が多いです。
このように、自分の善意から来る行動が、他人に迷惑をかけていないか心配になる人も多いですが、実際、「あなたのしている行為は『ありがた迷惑行為』だよ」と直球で教えてくれる人はなかなかいません。
『ありがた迷惑行為』は教えてもらう機会が少ないので、実は多くの人がやりがちな行動でもあります。
知らない間にやっている『ありがた迷惑行為』5つ
ここでは、普段何気なく行っている善意の行動が、見る人によっては『ありがた迷惑行為』として捉えられがちな行為をご紹介していきます。よかれと思ってしている行為であっても、相手にとって迷惑であれば本末転倒です。
「これは『ありがた迷惑』なんだ」と認識した行為は、今後、なるべく控えるようにすることで、新たな気遣いに繋がります。
1.飲食店で食器を重ねておく
飲食店において、食べ終わった食器を「店員さんが運びやすいように」と重ねておく人は、とても多いです。中には、幼い頃に両親から「こうしなさい」と言われて育ったという人もいるでしょう。
しかし、飲食店側から見ると、お店によっては食器を重ねる行為が『ありがた迷惑』と思われていることも多いです。特に、高級な料理店では、食器を重ねる行為はNGとされています。
実は、マナーの観点から見ても、食器を重ねる行為はマナー違反とされています。その理由の1つに、食器に付着した汚れを他の食器に重ねることで、被害を増やしてしまう行為だから、という理由があります。
油やソースなどの汚れは、多くの食器を洗う洗い場では一苦労です。その頑固な汚れを増やしてしまう行為に、『ありがた迷惑』と感じる店員さんも多いのです。
カジュアルなお店であれば、店員自身が食器を重ねて持っていくところもあります。店員の行動を観察し、店員が食器を重ねているようであれば、重ねておいても良いでしょう。
2.宿泊先の布団を畳む
旅館など、布団を予め敷いておいてくれるサービスを行っている宿泊施設は多いです。チェックアウトする当日の朝、「旅館の人へ感謝を込めて」と布団を畳む人も、また多いでしょう。特に、小さなお子さんがいる親御さんは、「ちゃんと畳んでね」と教訓として行わせる人もいます。
しかし、旅館側から見ると、これからシーツなどを取り外し、洗濯しなければいけないため、布団を畳んであると、再度布団を開かなければいけません。そのため、一手間多くなってしまうのです。「気持ちは嬉しいけれど、『ありがた迷惑』」と感じる人もいます。
さまざまなサービスを行ってくれたことに感謝したい場合は、布団を畳むという行為ではなく、帰り際に出会うスタッフの方々へ、「ありがとうございました」と軽くお礼を言うことで伝わりますよ。
3.美容院で頭の角度を変える
美容院でよく聞く「真正面を向いててくださいね」という言葉。美容師の方にカットやカラーリング、パーマの施術などをしてもらっている際に、よかれと思い、つい頭の角度を変えてしまうことはありませんか。
しかし、美容師から見ると「頭の角度を変えられると、正確な施術がしにくいから『ありがた迷惑』だ」と思う人が多いです。実際に、「真正面を向いててください」と指示される人が多いのもそのためでしょう。
「こうして欲しい」という要望があれば、美容師の方はきちんと指示を伝えてくれます。指示されていないことを勝手に行ってしまうと、施術に影響が出てしまう恐れがあるので、大人しく言われた通りにしましょう。
4.同僚や友人に頻繁にプレゼントを渡す
同僚や友人に、頻繁に贈り物を渡してしまう人も要注意です。たまにであれば嬉しいプレゼントも、頻繁に渡されてしまうと「こちらもお返しした方が良いのかな…」などと悩ませてしまう恐れがあります。
特に、会社などでお菓子の差し入れを頻繁にする行為は、当の本人は「喜んで欲しい」という思いから行っているでしょうが、もらう側としては気を遣ってしまうことがあります。
律儀な人であれば「毎回お返しした方が良いのかな」と考えすぎてしまい、それがストレスとなることも。すると、「『ありがた迷惑』だな」と感じられてしまうため、ちょっとした小さな差し入れでも、頻度には気を配るべきでしょう。
5.頼まれていないのに過干渉
女性同士の友人間でありがちな『ありがた迷惑行為』です。話している最中、愚痴や世間話に対して頼んでもいないのにアドバイスしてしまうことはありませんか。本人は「ただ聞いてほしい」だけで、アドバイスは望んでいないかもしれません。
アドバイスする側は「この人のために」という思い出口に出しているのかもしれませんが、無意識のうちに上から目線で発していると、「ありがた迷惑だ」と思われ、険悪なムードになってしまうことも。
基本的に話を聞いた上で、「どう思う?」「どうするべきかな」などと尋ねられた場合のみ、干渉するべきです。「これだけは言いたい」ということがあるならば、低姿勢を心掛け、「こういう考え方もあるかも…」程度に軽く会話の中に入れるのが適切です。
その場や相手に合った対応を考えることが重要
『ありがた迷惑行為』は、行っている本人が「よかれ」と思って行っているため、なかなか相手が迷惑に思っていることに気付きにくいです。そのため、善意でしようと思っている行為を実行する前に、「本当にこの人はそれを求めているか」を再度考えることが必要です。
善意の行動は、見方を変えると『しなくても問題のない行動』でもあります。そのため、無理に気配りをしようとせず、本当に相手が必要としているようであれば行う、というスタンスを忘れないようにしましょう。
行動を起こす前にコミュニケーションを取ろう
友人同士であれば、コミュニケーションを取ることで、ありがた迷惑を回避することができます。会話の中で、その人が今、求めている行動を察することで、本当の意味での親切に繋がります。
また、飲食店での食器重ねについても、店員がやって来て片付けている際に、「重ねましょうか?」と聞くことで、本当にその行動を必要としているかを知ることができます。
勝手に行動に移し、こちらの行動を無理に受け取らせるのではなく、実行する前に必要であるか否かを確認したり、周囲の状況や様子を見ることで、「ここでは必要ない」「してあげた方が良い」と判断するようにしましょう。
さいごに:必要な行動であるかを考えてから行動に移そう
いかがでしたでしょうか。実際、気付かない間にありがた迷惑行為をしてしまっていることは多いです。すべてを回避することは難しいですが、「本当に必要な気遣いか」を一度考えてみると、自身の『ありがた迷惑行為』に気付けるようになりますよ。