目次
餞別を贈るときののし袋の選び方
餞別ののし袋の水引きは紅白の蝶結び
餞別とは、自分がお世話になった方が、退職する、転勤する、異動する、引越しする、旅行に行く、など遠くに離れていく時に、今までの感謝のお礼や相手の無事を願って贈る金品のことです。
餞別は現金を贈るのが一般的です。餞別で使用するのし袋は「紅白の蝶結び」の水引きがついた袋を使用しましょう。但し、新婚旅行など結婚に関する餞別は「紅白の結び切り」の水引がついたのし袋を使用してください。
「結婚は一度きりでいい」という願いを込めて、1度結んだらほどけることがないという意味で結び切りの水引ののし袋を使用します。
餞別を贈る目的別のし袋の書き方
餞別ののし袋に書く表書きは目的や用途によって違います。
目的別のし袋の書き方(上段に書く)
・異動や転勤:「御餞別」「御礼」「おはなむけ」
・定年退職:「御礼」「御祝」「御定年御祝」
・引越し:「御餞別」「御引越御祝」
・新婚旅行:「御餞別」「おはなむけ」
・留学:「御餞別」
・出張:「御餞別」
・旅行:「御餞別」
相手が目上の場合の表書き
・異動や転勤:「御礼」「おはなむけ」
・定年退職:「御礼」「おはなむけ」
・引越し:「御礼」「おはなむけ」
・新婚旅行:「おはなむけ」
・留学:「おはなむけ」
・出張:「おはなむけ」
・旅行:「おはなむけ」
自分より目上の方に餞別を贈る場合、のしに「御餞別」と書くと失礼になりますので気をつけましょう。
餞別ののし袋の名前の書き方
のし袋の名前の書き方(下段に書く)
贈り主が個人(一人)の場合
姓、またはフルネームをのし袋の中央に書きます。
贈り主が二人の場合:友人や同僚など同じ立場の場合
友達や同僚などで同じ立場の人の場合、二人の名前を左右対称に書きます。
贈り主が二人の場合:上司と部下の場合
中央に上司の名前、左側に部下の名前
贈り主が二人の場合:夫婦の場合
中央に夫の名前、左側に妻の名前
贈り主が三人の場合:友人や同僚など同じ立場の場合
友達や同僚などで同じ立場の人の場合、三人の名前を左右対称に書きます。
贈り主が三人の場合:上司と部下の場合
中央に上司の名前、左側に部下二名、立場や年齢が上の方から書きます。
贈り主が四人以上の場合
中央に代表者の名前を書いて、左側に「他三名」「他四名」など、人数を書きます。「他」が誰なのか分かるよう、半紙に全員の名前を目上の人から順番に書いて袋の中にいれましょう。
贈り主が団体名・グループ名の場合
団体名・グループ名を中央に書いて、全員の名前を半紙に書いて袋の中にいれましょう。
例:「○○団体一同」や「○○グループ名一同」
贈り主が職場の場合
部署や課、グループ名などの場合、部署や課、グループ名を中央に書いて、半紙に全員の名前を目上の人から順番に書いて袋の中にいれましょう。名前は目上の人から順番に書きます。
例:「○○部一同」や「○○課一同」
中袋の書き方(表の場合)
中央に金額を漢数字で書きましょう。
5,000円 「金伍阡圓」
10,000円「金壱萬圓」
30,000円「金参萬圓」
50,000円「金伍萬圓」
100,000円「金拾萬圓也」
300,000円「金参拾萬圓也」
1,000,000円「金佰萬圓也」
ポイント
金額の最後に他(なり)をつけるのは、一般的に100,000円以上包む場合につけますので、100,000円未満はつけなくて大丈夫です。圓は「円」でもOKです。
中袋の書き方(裏の場合)
贈り主の住所と氏名を書きます。左側に、郵便番号、住所、氏名を書いてください。贈り主が複数で出した金額が異なる場合は、向かって右側から順に役職や年齢の高い順に書き、その下にそれぞれの金額を添えてください。
餞別を贈るときののしの包み方
現金は新札を用意するのがマナーです。中袋にお札を入れる際、お札は向きを全て揃えて、肖像画が正面から見て表・上にくるように中袋に入れましょう。
新札を用意する方法
銀行で両替
銀行で両替する場合は申込み用紙の備考欄に「新札」と記入しましょう。
郵便居で両替
郵便局で新札に両替する場合、窓口で「新札に両替してください」と伝えるだけでOKです。
のし袋の上包みの折り方は重要です。袋の上の折り返しに下の折り返しを重ねます。ちょうど上を向いて万歳をしている形です。重ね方を逆にすると、不幸があった際に使用する不祝儀袋の折り方になりますのでくれぐれも注意しましょう。
餞別の金額の相場
餞別の相場は、相手との関係やお世話になった内容や付き合いの長さや深さなどによって異なりますので、金額は決まっていませんが、一般的には個人で贈る場合3,000円~5,000円程度のようです。
個人で同僚に贈る:3,000円~5,000円
社内で同僚に贈る:一人1,000円~5,000円
上司から部下の場合は、5,000円~10,000円
友人や知人:5,000円~10,000円
親族:10,000円~50,000円
餞別は結婚式などのお祝い事と違ってお返しが不要とされていますので、あまり高額を贈って相手に気を使わせる可能性がありますので気をつけましょう。
現金以外で餞別で贈る品物
現金以外でも餞別として贈ることができます。
- 商品券やギフト券
- ギフトカタログ
- 相手の生活に役立つもの
商品券や商品を贈る際は、箱に蝶結びののし紙をつけます。デパートなどで購入するときに餞別の品だということを伝えるとのし紙をつけてくれます。のし紙の書き方は現金を贈るのし袋と同じに、中央に名前を書いてください。
餞別に贈ってはいけないもの6つ
退職の餞別を商品で贈る場合、ふさわしくないものがあります。
1.下着
下着は洋服の下に着るので、「相手を下に見ている」というイメージがあるのでふさわしくありません。
2.靴下、スリッパ
「足で踏みつける」という意味を持つため贈り物としてふさわしくありません。
3.お茶
日本茶はお葬式のときの返礼品として用いられているため弔事を連想させてしまうのでふさわしくありません。お茶といっても種類があります。紅茶やコーヒーは弔事とは関連ありませんので大丈夫です。また日本茶でも桜の花や金箔などを使ったお祝い用のお茶でしたら問題ありませんが、万が一誤解が無いようできるだけ華やかな包装にしましょう。
4.ハンカチ
ハンカチを日本語にするとは「手巾(てきれ・てぎれ)」となり「手切れ」「縁を切る」につながるので良くないイメージがありふさわしくありません。さらに白いハンカチは亡くなった方のお顔にかける布を思い起こさせるので贈らないでください。
5.文具、仕事に使う物
仕事に使う物は「もっと仕事を頑張りなさい・働きなさい」というイメージにもなってしまうということでふさわしくありません。但し、文具や仕事に使う物に関しては大丈夫だという意見もありますので、相手の方に喜ばれるものでしたら大丈夫だと思います。
6.櫛(くし)
くしは「苦」「死」のイメージがあるのでふさわしくありません。
餞別としてふさわしくないとされる商品は、昔からのマナーですが、最近では気にしない方が多いようで、ハンカチを贈って喜ばれることもありますし、日本茶のセットを喜ばれることもあります。相手の好きな物、欲しいもの、喜ぶものを贈りましょう。ただし、伝統のマナーや礼儀に厳しい方もいらっしゃると思いますので贈らないよう注意しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?餞別で使用するのし袋は紅白の蝶結びの水引だということを覚えておいてくださいね。表書きをどう書いていいか忘れてしまった時は「おはなむけ」と書けばOKです。
せっかくのはなむけの気持ちがマナーを知らなかったことで失礼になったら本当にがっかりしますよね。新たしい道に進む方や旅立つ方の幸せを願って餞別を贈りましょう。