目次
ボールペンは消すことができる?
ボールペンで書いた文字やボールペンのインク汚れは、きれいに消すのはむずかしいもの。しかし、ボールペンのインクがついた箇所の素材によっては、工夫すればきれいに落とせる可能性があります。
簡単に消すことは難しい
大手文具メーカーの「パイロット」では、摩擦熱で消せるインクを使用したボールペンを開発しました。三菱鉛筆でも、同様の商品を販売しています。
消せるボールペンなら、紙に書いたボールペンの文字を消すことができます。しかし、一般的なボールペンのインクで紙に書いた文字を消すのは、容易ではありません。
おすすめ!消せるボールペン
衣類についたインクの対処
衣類にボールペンのインクがついたときの対処法としては、消毒用エタノールや石鹸などを使って汚れを落とす必要があります。
素材によっては落としやすいものもある
紙以外のものにボールペンのインクがついてしまった場合でも、以下の素材であればきれいに落とせる可能性が高いです。
- ガラス
- せともの
- プラスチック
上記のものについたボールペンのインク汚れには、以下の方法を試してください。
- 普通の消しゴムで消す
- 消毒用エタノールをしみ込ませた布で拭く
- 除光液をしみ込ませた布で拭く
※「プロピレングリコール」を含む除光液でなければ効果を実感できません
書いてすぐに対処すれば、跡を残さずきれいに消すことができます。
《 ポイント 》
- ボールペンで書いた文字やインク汚れは、消せないわけではない
- 摩擦熱で消えるインクを使ったボールペンならきれいに消せる
- ガラス・せともの・プラスチックについたボールペンのインクは、消しゴムや消毒用エタノールで消せる
ボールペンを消す方法
小さな子どもがいる家庭では、ボールペンであちらこちらに落書きされてしまうこともあるでしょう。また、ちょっとした書き間違えの際は、修正テープなどを使わずに消したいですよね。
ここで、ボールペンのインクが付いてしまった場所の素材別に、インクの消し方を具体的に解説していきます。
紙に書いたボールペンを消す
紙に執筆している最中に書き損じてしまうことは、誰にでもよくあること。消す範囲が小さければ、以下の方法で消すことができます。
消し方
- 砂消しゴムを使って消す
- カッターナイフでインクの付いた部分を削る
- 専用インク消しを使って消す
紙についたボールペンのインクを除光液で消せる、という情報もありますが、インクがにじんでしまい、紙も使いものにならなくなります。
専用のインク消しなら、化学反応の力でしっかりインクを落とすことができます。カッターナイフを使って消す場合は、丁寧に少しずつ削りましょう。
いずれの方法も、消す範囲が広い場合は紙がよれたり、穴が開いたりすることがあります。「ちょっとだけ消したい」というとき以外は、新しい紙に書き直すことをおすすめします。
《 ポイント 》
- 紙に書いたボールペンの字は、砂消しゴム・カッターナイフ・専用インク消しで消せる
肌についたボールペンを消す
肌についたボールペンのインクは、以下の方法で比較的簡単に落とせます。
消し方
- ハンドクリームを塗ってインクをにじませて拭き取る
- リップクリームを塗ってインクを拭き取る
- 食用油を塗ってインクを拭き取る
- 石鹸を使い、よく洗う
水性のボールペンのインクなら、石鹸で洗えば簡単に落ちます。油性のインクの場合は、ハンドクリームやリップクリーム、食用油の油分と混ざり合うことで、インクが溶けて落としやすくなります。
いずれにしても、皮膚についたインクは日がたつにつれて徐々に落ちるので、心配はいりません。
《 ポイント 》
- 肌についたボールペンのインクは、油分を塗ることで落とせる
革についたボールペンを消す
革製品についたボールペンのインク汚れを、消毒用エタノールや除光液で安易に落とそうとすると、色落ちや劣化などを招きます。どうしてもボールペンのインクを落としたい場合は、かならず革専用のクリーナーを使用してください。
もっとも安心なのは、革製品のクリーニングを扱っている業者に問い合わせてみることです。革製品は非常にデリケートなので、慎重に対処しましょう。
合皮についたボールペンを消す
合皮についたボールペンのインクは、基本的には消せません。普通の消しゴムでこするとインク汚れが薄くなる場合もありますが、色落ちしたり素材が傷んだりするリスクがあります。専門の業者に依頼するのが間違いありません。
カードに書いたボールペンを消す
ポイントカードやクレジットカードの裏側にボールペンで名前を書くときに、書き損じてしまうこともあるかと思います。
【ポイントカードの場合】
ポイントカードはプラスチック製なので、以下の方法で消しましょう。
- 消毒用エタノールをしみ込ませた布で拭く
- 除光液をしみ込ませた布で拭く
※「プロピレングリコール」を含む除光液でなければ効果を実感できません
【クレジットカードの場合】
クレジットカードの名前を書き間違えた場合は、文字を消して書き直すことはできません。
「他人のカードを使って名前を偽装している」と認識されてしまうので、書き損じがあった場合は、カスタマーセンターに問い合わせたうえで、カードを再発行してもらいましょう。
《 ポイント 》
- ポイントカードのボールペンは消毒用エタノールか除光液で消せる
- クレジットカードに書いた名前を消すのはNG!書き損じたら再発行してもらうしかない
机についたボールペンを消す
机はボールペンの汚れがつきやすい場所です。机についたボールペンのインクを落とすには、以下の方法がおすすめです。
- グレープフルーツの皮の表面でこすり、布などで拭き取る
(グレープフルーツがなければほかの柑橘類の皮でも代用可) - 食用油を含ませたティッシュで拭く
- 灯油を含ませたティッシュで拭く
※灯油は危険物なので、取扱う際は注意してください - 少量の水を含ませたメラミンスポンジで軽くこする
表面がコーティングされていない木製の机なら、中性洗剤を含ませたスポンジでこするといいでしょう。どうしても落ちなければ、細かめの紙やすりでやさしくこすると落ちるはずです。
《 ポイント 》
- 机についたボールペンのインクは、柑橘類の皮や食用油・灯油・メラミンスポンジで落とせる
床や壁紙のボールペンを消す
床や壁も、子どもによるボールペンの落書きが多い場所です。床や壁紙のボールペンの汚れは、以下の方法で落としましょう。
【消し方(床)】
床が木製の場合は、机の場合と同じ以下の方法でインク汚れを落とすことができます。
- グレープフルーツの皮の表面でこすり、布などで拭き取る
(グレープフルーツがなければほかの柑橘類の皮でも代用可) - 食用油を含ませたティッシュで拭き取る
- 灯油を含ませたティッシュで拭き取る
※灯油は危険物なので、取扱う際は注意してください - 少量の水を含ませたメラミンスポンジで軽くこする
ビニール製の床(クッションフロア)の場合は、以下の方法できれいになります。
- 消毒用エタノールをしみ込ませた布で拭く
- 除光液をしみ込ませた布で拭く
※「プロピレングリコール」を含む除光液でなければ効果を実感できません - 普通の消しゴムで消す
- 油性ボールペン用のインク消しを使って消す
ビニール製の床についたボールペンのインクは、比較的簡単に落とせますよ。
【消し方(壁紙)】
壁は、とくに落書きが目立つ部分です。壁紙の素材はビニールなので、ビニール製の床と同様の方法で、ボールペンの汚れを落とせます。
- 消毒用エタノールをしみ込ませた布で拭く
- 除光液をしみ込ませた布で拭く
※「プロピレングリコール」を含む除光液でなければ効果を実感できません - 普通の消しゴムで消す
- 油性ボールペン用のインク消しを使って消す
除光液と油性ボールペン用のインク消しを使う場合、色や柄つきの壁紙を色落ちさせてしまう可能性があります。あらかじめ目立たない場所で、色落ちしないかどうか試しておくと安心です。
《 ポイント 》
- 木製の床についたボールペンのインクは、柑橘類の皮・食用油、灯油、メラミンスポンジなどを使って消す
- ビニール製の床や壁紙についたボールペンのインクは、消毒用エタノール・除光液・普通の消しゴム・油性ボールペン用のインク消しを使って消す
布や衣類についたボールペンの消し方と洗い方
水性のボールペンのインクが服についた場合、台所用洗剤や石鹸をつけて軽くもみ洗いした後に洗濯すれば、すっきり消すことができます。
油性のボールペンのついた服の汚れを消すには、以下のやり方で早めに落としましょう。
用意するもの
- 消毒用エタノールまたは除光液(プロピレングリコールを含むもの)
- いらない布やタオル数枚(無地)
- 大きめのビニール袋
消し方
- 作業する場所にビニール袋を敷く
- ボールペンのインクがついた箇所に、消毒用エタノールか除光液をたらす
- インクで汚れた箇所の上に、いらない布を置き、裏側にも布を敷く
- 布の上からポンポンと押す
- 布を取り換えて、2~3を数回おこなう
- 洗濯をする
衣類の種類によっては、消毒用エタノールや除光液で生地が傷む場合があります。生地の素材が毛や絹の場合は、とくに注意が必要です。タグを見て、あらかじめ生地の素材を確認しておきましょう。
《 ポイント 》
- 衣類についたボールペンのインク汚れは、消毒用エタノールか除光液をたらして布でたたくと落ちる
ボールペンを消すための便利グッズ
ボールペンのインクを落とすためのアイテムを手元に置いておくと、いざというときに重宝します。ここで、とくに便利なアイテムを4点紹介します。
ぺんてる ホルダー消しゴム クリックイレーザー
カッターナイフと同じような形をした砂消しゴムです。薄くて固めの砂消しゴムなので、細かい文字が消しやすく、紙を傷めにくいのが魅力。カッターや通常の砂消しゴムの比べると、機能性が高いです。収納しやすく、なにかと使い勝手のいいアイテムです。
ガンジー(ガンヂー)インキ消【ボールペン用】
ボールペンのインクを化学反応の効果により落とす、油性ボールペン専用のインク消しです。紙や壁紙についたボールペンのインクを、きれいに消すことができます。
紙に使用した場合は、紙が多少よれる場合があります。また色付きの紙や壁紙に使用すると、元の色も落としてしまう可能性があるので、注意してください。
ドクターベックマン ステインデビルズ ボールペン
ドイツ製の「ドクターベックマン ステインデビルズ ボールペン」は、衣類についたボールペンのインクをすっきり落とします。インクがついてから時間がたった汚れでも、きれいに消してくれるので、衣類専用のボールペンのインク消しとして1つ置いておくと重宝しますよ。
シミ抜き剤『スポッとる』
酵素の力で繊維についたシミを落とす、日本製のシミ抜き剤「スポットる」。時間がたった汚れもばっちり落とします。
ボールペンのインク汚れ以外に、しょうゆやワイン、ケチャップ、コーヒーなどのシミなどにも対応しているので、食べこぼしの多い小さな子どもがいる家庭で大活躍します。
ボールペンに関するQ&A
A.ボールペンで記載したものに書き損じがあると、修正テープや修正ペンを使う必要があります。しかし消せるインクを使用したボールペンなら、消しゴムで消すのと同じように、元通りきれいにすることができます。紙がよれる心配もありません。
A.消せるボールペンは、摩擦熱で消えるインクを使用しています。なので、マイナス20℃の場所に置くと、消したはずのインクが復元され、また元に戻ってしまいます。大切な書類や郵便物などに記入する際は、消せるボールペンではなく、普通のボールペンを使いましょう。
ボールペンを消すときの注意点
紙に書かれたボールペンの文字をカッターや砂消しで消すときに、力を入れ過ぎないようにしましょう。
力を入れると紙に穴が開いてしまうことがあります。また、消毒用エタノールや除光液を使って衣類に付いたボールペンのインクを落とすときには、必ず目立たない箇所で試すようにしてください。
衣類にシミが付いたり、変色したりする場合があります。衣類自体を傷めてしまってはもったいないので、くれぐれも注意しましょう。
最後に
「ボールペンで書いた文字を消したい」と思う瞬間って、意外と多いですよね。
そんなときに、消し方を知っていれば早い段階で対処でき、消したことがバレないくらいにきれいに元に戻すことが可能です。
ただし大切な書類や郵便物は書き損じがあったら、消すのではなく改めて書き直すようにしましょうね。