目次
ウッドデッキを塗装するタイミングや必要性
ウッドデッキのメンテナンスは、時期や劣化の状態によって変わります。塗装をせずにいると、ウッドデッキはどう変化してしまうのでしょうか?
ウッドデッキを塗装する際の目安や頻度を紹介します。
3年を目安に塗装をする
一般的な木材を使用したウッドデッキは、3年から5年の周期で塗装を施せば長持ちします。劣化の状態によって、このスパンは短くなったり長くなったりすることもあるので、ときどきチェックをするのがベストです。
塗り替えのタイミングですが、木材がひび割れを起こしていたり、白や黒色に変色していれば塗装を行いましょう。
劣化しやすい場所は、主に4つです。
- よく歩く場所
- 手すり
- 階段
- 日光や風の当たりやすい場所
以上の4つは、重点的にチェックしてください。
塗装しなかった場合
ウッドデッキに塗装をせずにいると、数年のうちに木材が変色したり、腐る原因に繋がります。放置し続ければ腐食は広がり続け、そのまま使用するのは非常に危険です。
劣化が進んだ木材は、速やかに交換しなければなりません。全体が修復できないほど劣化してしまうと、せっかく作ったウッドデッキを撤去せざるを得なくなってしまう場合もあります。
《 ポイント 》
- 塗装のタイミングは3年から5年、劣化しやすい部分をチェックする
- 塗装しないと腐食し、使用し続けるのは危険
ウッドデッキを塗装する塗料の選び方
ウッドデッキを塗装する際の塗料は、用途に合わせて商品を選んでください。ここでは、塗料のタイプ、性質、含まれる機能について紹介します。
塗料のタイプ
「塗装」といえば、ペンキでべた塗りにするイメージが強いと思います。実は、塗装に使用する塗料には2つのタイプが存在し、状況によって使い分ける必要があるのです。
塗料のタイプは以下の2つ。
造膜タイプ
造膜タイプとは、ペンキのように木材を染め上げる塗料。劣化によってひび割れを起こした部分に有効な塗料です。
木材の表面に塗膜を張り、雨水や汚れなどから木材をガードします。表面だけを保護する塗料であり、内部には効果がありません。
浸透タイプ
浸透タイプは、木材に保護成分を含んだ塗料が浸透して、内部から木材を保護します。
劣化する前に塗装しておけば、たとえひび割れが起きても、木材は塗料により保護されているため安心です。ウッドデッキが新しい状態のうちから施すとよいでしょう。
塗料でべた塗りにならず木目が残るため、木材の質感や色をそのまま残したい人にもおすすめです。
塗装する素材や塗料の機能
塗料を選ぶ際は「塗装する素材は何なのか?」「どの場所に適しているのか?」をきちんと確認する必要があります。
木材用であること
塗料は、木材用・金属用・コンクリート用と、用途別に販売されています。それぞれの塗料は成分が違い、適していない場所に塗ると腐敗や錆に繋がってしまいます。用途を誤って購入しないように気をつけてください。
ウッドデッキに使用する場合、選ぶのはもちろん「木材用」です。
屋外に適した塗料であること
塗料は、屋外用と屋内用に分かれています。ウッドデッキには「屋外用」を選んでください。屋内用の塗料を、外に設置しているウッドデッキに使用しても保護効果はありません。屋外用と屋内用では含まれている成分が違うのです。
屋外用は、防虫性・防腐性・耐水性・耐候性など、自然の影響に対する成分が含まれています。
塗料の安全性
塗料を選ぶ際は「安全性」も視野に入れて選びましょう。塗料には、造膜タイプと浸透タイプの2つのタイプに、それぞれ「水性」と「油性」があります。
- 「造膜タイプ」の水性か油性か
- 「浸透タイプ」の水性か油性か
この中で安全性が高いのは「水性」の塗料です。
では、塗料の「安全性」とは一体何のことを指しているのでしょうか?それは、シンナーなどの「有害物質」が含まれている量です。
水性塗料は水をかけると落ちやすいので塗り直すスパンは短くなりますが、有害物質の量は少なく、また一切有害物質が含まれていない商品もあります。
対して、油性塗料は一度塗ると簡単には落ちず、木材にもよく馴染みますが、有害物質の含有量は多いです。小さな子どもがいる家庭やペットを飼っている家庭では、水性塗料を使うことをおすすめします。
塗料の色
塗料のカラーは、ウッドデッキの雰囲気を左右する大事な役割を持っています。見本のカラーを確認し、自宅のウッドデッキや家自体の雰囲気に合っているかどうかを確認しましょう。
見本と同じように綺麗に塗るコツは、「重ね塗り」と「塗料をしっかり混ぜること」です。見本の色に近づけるには、一度の塗装だけでは足りません。少しずつ少しずつ、重ね塗りをすることで色を調整してください。
また、塗るたびに塗料はしっかり混ぜましょう。攪拌が甘いと塗るたびに色が変わり、ムラが出てしまいます。
2回目以降は同じ塗料を使う
ウッドデッキは定期的に塗装し直す必要があります。塗り直す際は、前回使用した塗料と同じ性質の塗料を使用してください。性質とは、「水性」「油性」のことです。
水と油は相性が悪く、重ね塗りができません。例えば、先に塗った塗料が水性で、次に塗るのが油性だと、水性が油性を弾いてしまい、塗り直しても馴染みません。
前回が水性塗料なら今回も水性塗料、というように、同じ性質の塗料で塗り直しましょう。
《 ポイント 》
- 塗料には、木材の外部を保護する「造膜タイプ」と内部から保護する「浸透タイプ」がある
- ウッドデッキの塗装には、屋外用の塗料を選ぶ
- 小さな子どもがいる家庭は、有害物質の含有量が少ない「水性塗料」がおすすめ
- 使用する塗料の色は、家の雰囲気に合わせて選ぶ
- 塗り直す場合は、色にムラが出ないように同じ塗料を使う
ウッドデッキを塗装する手順
それでは、ウッドデッキをDIYで塗り直す手順や方法を見ていきましょう。
準備するもの
ウッドデッキを塗装する際に必要な道具を、手順別に紹介します。
下処理に必要なもの
- デッキブラシ
- サンドペーパー
- サンダー
養生に必要なもの
- マスキングテープ
- マスカー
塗装に必要なもの
- 塗料
- 塗料カップ
- ハケ
手順①.塗装の前の下処理
まずは、ウッドデッキの掃除と研磨から始めます。工程を見ていきましょう。
- ウッドデッキの上に散らばっているゴミや汚れを取り除く
デッキブラシや水を使って、ウッドデッキを綺麗に洗い流してください。 - 1日以上かけて、木材を乾燥させる
木材が濡れたままだと、塗料がうまく馴染まないので、1日以上かけて木材を乾かします。掃除の日と塗装の日、どちらも晴れのタイミングで行いましょう。 - 研磨する
ウッドデッキが乾いたら、サンドペーパーを使用し表面を研磨します。ブラッシングでは落とせなかった頑固な汚れやカビ、前回の塗料までしっかり落としてください。手作業が大変な場合は、サンダーやグラインダーを使用することをおすすめします。
手順②.養生する
養生とは、塗装する際に塗りたくない場所に塗料が飛散しないように「保護する」ことを意味します。色を付けたくない壁や、既に塗り終わった木材に対して行いましょう。
塗料で染めたくない場所に、保護シートとして「マスカー」を貼り付けます。マスカーが剥がれないように、マスキングテープを重ねてしっかりと補強してください。
保護範囲が広い場合は、新聞紙やビニールシートを使用すると良いでしょう。
手順③.塗装する
養生が終われば、いよいよ塗装です。塗装する際の手順とポイントを見ていきましょう。
- 容器に塗料を入れて混ぜる
塗料カップに塗料を入れて、成分や色が均一になるようにしっかりと攪拌します。特に、防腐剤や防虫剤は沈みやすいので、下からすくいあげるように混ぜましょう。 - 木目に沿って塗る
塗料を塗る際は、木材の木目に沿って塗ってください。塗り残しがないように1枚ずつ仕上げましょう。 - 隙間もチェック
忘れやすいのが、板と板の隙間です。表面から塗ってしまうと、隙間が塗りにくいので、先に隙間から塗ると良いでしょう。
手順④.乾燥させ重ね塗りする
塗料を木材に馴染ませるには、塗装を何度も繰り返す必要があります。一度にたくさんの塗料を塗り付けても、浸透せず木材の上で浮いてしまうのです。
深みのある色にするためには、薄く塗る→乾かす→浮いた塗料を拭き取る→薄く塗る、これを繰り返さなければなりません。
ウッドデッキ全体を塗り終わったら、5分以上置いて乾かしてください。乾かしても木材に馴染まず、浮いている塗料はタオルで拭き取ります。
この手順を、最低でも2回は繰り返しましょう。
《 ポイント 》
- 塗装を始める前に、ウッドデッキの表面を綺麗にする
- 塗りたくない場所に塗料が飛ばないように、マスカーやビニールシートで保護する
- 塗料は良く混ぜて塗る
- 木目に沿って、隙間も忘れずに塗る
- 重ね塗りは、木材に塗料が染み込むように「乾燥させて塗る」を繰り返す
ウッドデッキを塗装するコツや注意点
ウッドデッキを塗装する際の注意点やコツを2つ紹介します。
色ムラがある場合は、塗装を完全に剥がす
掃除と研磨を行った後、ウッドデッキに色ムラができていたら、塗装を完全に剥がす必要があります。色にムラがある状態で塗装を施しても、色が綺麗に整いません。
手作業で塗装剥がしをするのは手間なので、サンダーを使用してください。ペーパーは、研磨力の強い粗目の紙を用意しましょう。
連日晴れのタイミングで塗装をする
ウッドデッキの清掃後と塗装後は、木材をしっかりと乾かさなければならないので、晴れが4日ほど続く日に掃除と塗装を行いましょう。
まず、掃除で水を使った後、木材を1日以上かけて乾かし、塗装後は塗料が完全に馴染み乾くまでに3日以上かける必要があります。
《 ポイント 》
- 色ムラが残っていると、綺麗に塗装できないので完全に剥がしてから塗装する
- ウッドデッキの掃除から塗装、塗料を馴染ませるまで「晴れの日」が3日間以上必要。連日晴れの日に行う
ウッドデッキの塗装に関するQ&A
ウッドデッキの塗装に関するよくある質問を紹介します。
A.「完全に必要ない」というわけではありませんが、一般的な木材(ソフトウッド)に比べてメンテナンスの回数が少ない木材はあります。
「ハードウッド」という、細かい繊維が高密度で集まった、とても硬くて重い木材です。腐食や虫害に強く、防腐剤や防虫剤を施さなくても、20年から30年間メンテナンスなしで問題ありません。
A.ウッドデッキの塗装範囲によって金額は変わります。小さなウッドデッキでも、4万円以上かかることは踏まえておきましょう。
業者は、依頼者の希望に合わせて塗料や人員を計算するため、どうしても高くついてしまいます。
《 ポイント 》
- 20年以上メンテナンスしなくても良い木材がある
- 塗装を業者に頼むと最低でも4万円かかる
ウッドデッキを塗装する際におすすめの塗料3選!
「塗装をしたいけれど、一体何を選べばいいの?」塗料は商品が多くあり、その特徴はさまざま。中には、慣れた人しか扱いにくい業務用の塗装もあります。
そこで、塗装初心者でも扱いやすいおすすめの塗料を3つ紹介します。
大阪ガスケミカル株式会社 キシラデコール
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B003YN4RMC
塗料といえば「キシラデコール」は外せません。
ドイツで生まれたこの塗料は、防虫性・防腐性・耐候性・耐水性など、あらゆる影響に対しての耐久力があります。シーズンごとに気候が変わる日本にうってつけの塗料です。
油性なので、塗った直後のニオイはややきつめですが、木目がはっきりと見える色合いなので雰囲気重視の方にはおすすめ!
ロックペイント 水性ナフタデコール
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B004DTBBAC
ロックペイントは業務用の塗料を主に販売していますが、この「ナフタデコール」はDIY初心者でも扱いやすい塗料です。ハケに付けた塗料がタレにくいので周りを汚さず、馴染みやすいので素早く仕上げることができます。
カンペハピオ 油性木部保護塗料
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B00396Z1C4
紫外線による色あせや、藻に強い塗料です。
UVカット機能がついており、直射日光に当たっても滅多なことでは変色を起こしません。また、日陰になっている場所は木材から藻が生えてきますが、防藻効果があるため日陰でも安心です。
高性能ですが、キシラデコールやナフタデコールよりも低価格で購入できるところもポイント!油性なので多少ニオイは付きますが、コスパは非常に良い商品です。
最後に
綺麗に塗装するためには、まずは木材をしっかり掃除しましょう。よく洗い、そして良く乾かし、養生を行ったら塗装開始です。
塗料は一度塗っただけでは上手く馴染みません。見本のように仕上げるには、焦らずじっくり、時間をかけて重ね塗りしてください。
塗料は商品によって合う素材・機能・安全性が変わります。住んでいる環境や、悩みに合わせて選ぶ必要があります。ウッドデッキは汚れていたり、ムラのある仕上がりだと台無しです。
定期的にメンテナンスして、輝いて見えるウッドデッキにしましょう!