目次
ネジが回らない原因
さまざまな箇所に使われているネジですが、どうしても回らないことがあります。
「ネジ穴がなめて(潰れて)しまっている」もしくは「ネジ山が錆びてしまっている」の2つが、ネジの回らない主な理由といえます。
ネジは環境や扱い方によってもダメージを受けやすいパーツです。普段はあまり凝視することのない部位ですが、たまには気にしてみましょう。
それでは「回らないネジ」について、それぞれの理由や原因についてさらに詳しく掘り下げて見ていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
ネジ穴がなめて(潰れて)しまっている
ネジの形状変化によっても回らないことがあります。
なめて(潰れて)しまったネジ山によって、ネジが回らなくなるでしょう。ネジ山というギザギザした「らせん状」になっている箇所が、衝撃が原因で潰れてしまったネジは回りません。
もしくは、ネジの頭のドライバーを指し込む溝部分(とくにプラスドライバーの形状)がガタガタしている場合にもネジは回せなくなってしまうことが多々あり、それを「ネジがなめる」という表現で呼んでいます。追ってご説明しますが、これにもドライバーの扱い方が関連してきますので、ネジを回す際の要注意なポイントの1つです。
ネジ山が錆びてしまっている
風化してしまった金属製のネジは固着してしまうことがあります。
ギザギザした「らせん状」の部分が錆びているとネジは回りません。とくに屋外で使われている劣化してしまったネジに起こりやすい現象です。
ネジが抜けず素人では作業が困難な場合には、専門業者に依頼して修理してもらうしか方法がありません。屋外で放置している自転車、バイク部品やマフラーなど、お風呂場や水道回りのネジにも起こり得る現象といえるでしょう。
なめたネジは新品と交換するしかありませんので、扱う際には油を差しながら慎重な作業が求められます。DIYでは困難と感じたら、業者へ依頼をして改善を図りましょう。
ネジ穴がなめてしまう原因
どうしても回らず、ネジがなめてしまう原因は一つではありません。
ネジの頭にある溝の扱い方や、ドライバーを使うときの力加減によってもすぐにネジがなめてしまいます。ネジ穴がなめてしまう要因も把握しながら、ネジが回らなくなっている原因を理解しておきましょう。
ネジ穴より小さいドライバーを使っている
ネジの頭のサイズとは異なる大きさのドライバーを使用すると、ネジの頭の溝がなめてしまうことがあります。ネジを外したい一心でドライバーを力任せに扱う回し方では、ネジの頭の溝がなめるケースが多いでしょう。
ドライバーは各種既定のサイズが決まっているため、ネジの大きさと合致した工具の選定が必須で重要といえます。過度に小さい、大きい工具の使用はご法度です。
ネジのはずし方に難儀している場合、ドライバーのサイズとネジのサイズを見直してみましょう。
ネジの回し方が間違っている
普段あまりドライバーとネジに触れない方ですと、間違えやすいポイントがあります。
一般的なネジは、「反時計回り」に回すことで外れる仕組みになっています。家具やおもちゃなど家庭用品に使われるネジには規定があり、時計回りに回すと締まり、反対に回すと緩むようにできています。
過度な力で目一杯締めこんでしまうとネジ山がバカになり、固いままで緩まなくなってしまいます。そのまま回し続けるとネジ穴を壊してしまい、ドライバーではネジが取れない状況になってしまうでしょう。
ネジを回すことばかりに気を取られると、ドライバーを抑え込む力と意識が半減してしまい、「ネジがなめる」という症状を引き起こしてしまいます。
ネジ穴よりドライバーが硬すぎる
金属同士の接点には相性というものが存在しています。
ネジ穴よりもドライバーの方が硬いと、スムーズな作業ができないケースがあります。屈強すぎる高品質なドライバーはネジの頭の溝を壊してしまう恐れがあり、力加減次第ではなめてしまうことがあるでしょう。
ドライバーにも多くのメーカーがあり、種類は数えきれません。100円ショップで購入できる工具から、1本1万円前後するドライバーまで売られており、用途や使用目的によって適合が定められていることがあります。余裕があれば多くのドライバーを揃えて実際に使用してみると、その違いを実感できることでしょう。
ネジが回らない時の対処法5選!
どうしてもネジが回らなく、困らされてしまうことがありませんか。固すぎてネジが回らないときの対処法を5つ挙げていますので、ぜひ参考にしてみてください。
固くて動かないネジを外すにはコツがありますので、力ずくではなく簡単に外せる方法をご紹介しましょう。ぜひとも、実践してみてください。
ネジ山に輪ゴムを当てて回す
外れないネジには、輪ゴムを使うことで緩みやすくなります。
固まってしまったネジの頭に輪ゴムを挟んでからドライバーを差し込むことにより、滑り止めとなってネジが比較的容易に緩むという原理の外し方です。
ゴムがドライバーを固定しやすくなり、ネジにしっかりと食い込んでなめることがなくなります。どなたでもできる手軽な対処法ですので、ぜひ1度試してみましょう。
ネジ滑り止め液を使う
アネックス(ANEX) ネジすべり止め液 No.40
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B0016VCIP2
専用のネジ滑り止め液を使うことで、スムーズにねじが回ります。
ホームセンターなどでも簡単に購入でき、固着してしまったネジに有効なアイテムです。ドライバーの形状を問わず、効果的な使用を実感できるのでおすすめです。
ぜひ、1つ買っておき、もしものときに備えておくこともおすすめです。
ネジの頭を回す
エンジニア ネジザウルスVP-1
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B07678B78G/
なめてしまったネジや錆びついたネジは、豪快な方法で対処できます。
ネジザウルスという特殊工具を使うとネジが回しやすくなります。回らなくなってしまったネジの頭を専用工具で手軽に外すという対処法です。つぶれたネジでも掴み方によっては使用できるため、家庭に1つあるとDIYにも便利です。
自転車の修理やタイヤ交換なども自分でおこなう場合、必須のアイテムがネジザウルスといえるでしょう。頻繁にネジを回す機会がある方は揃えておいて損のない工具です。
ネジの溝を加工する
アネックス ビスブレーカードライバー
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B0016V65QU/
ネジを加工することで、なめてしまった際の対処もできるでしょう。
ネジの頭の溝の形を変えることで、固着してしまったネジを回すことが可能です。ガタガタになってしまった溝を使わず、新たな溝をネジの頭に作ることでドライバーの食いつきがよくなり、ネジが回しやすくなります。
ハンマーでビスブレーカードライバーを叩いてDIYで溝を作ることで対処できる方法です。誰でも作業しやすい工具ですので、DIY感覚でなめてしまったネジを加工して回してみましょう。
インパクトドライバーで回す
マキタ インパクトドライバMTD001
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B078G97W5X
電気で動くインパクトドライバーを使ってなめてしまったネジを回すこともできます。手動ではなく強力な電動ですので、固まってしまったネジでも外しやすくなるおすすめの対処方法です。
また、ネジを外す以外にしっかりと締め込むこともできる道具ですので、各種車両のオイル交換、ナンバープレートの増し締め、刈払機、愛車の鍵穴付近などのメンテナンスなどにも効果的に使用できる工具として活躍します。
詳しくは、工具専門店などで聞いてみるとよいでしょう。多くの種類があるため、最適なインパクトドライバーを購入できます。
正しいドライバーの使い方をおさらいしよう
間違いなのないドライバーの使用方法を把握しておくことで、ネジをなめてしまう確率が軽減させることができます。
闇雲なDIYでは、またネジをなめてしまうこともあります。後で困ることのないように、この機会に工具の正確な使い方をおさらいしておきましょう。
ネジ穴のサイズが合っているか確認する
まずは基本的な確認事項です。ドライバーの形状とネジ頭の溝の大きさが合っている場合に限り、スムーズな作業がおこなえます。
ネジやドライバーには数多くのサイズがありますので、それぞれが合致しているのかを確認してから使用することで、潰れたネジ穴を修復して復活させる手間とは無縁になるでしょう。必ず確認しておくべき、おさらいポイントです。
まず大きめのサイズで試す
ネジ山と適切なドライバーを選ぶために、まずは大きめと感じるサイズのドライバーから試してみましょう。大きめのドライバーであればネジ山にフィットせず、すぐにサイズ違いに気づきます。
違和感を感じたらワンサイズ下のドライバーを試していけば、適切なサイズのものを選べます。小さめのドライバーだと強引に回せてしまうため、ネジ頭の溝をなめる原因となってしまいます。
特に蝶番や釣り具のリール、腕時計、メガネのフレームなどにある小さなネジなどはなめやすいため、必ずワンサイズ大きなドライバーから使用してみましょう。
垂直に回す
ネジに対してドライバーを垂直に差し込んで使用することで、ネジをなめてしまう確率がグンと下がります。
ドライバーを斜めに差し込んだままネジを回してしまうと、的確に力を伝達できないためにネジをなめてしまう可能性が高まってしまいます。基本的な工具の扱い方を知り、そして注意しながらネジを回しましょう。
ドライバーの軸にも手を添える
各種の作業を片手でおこなわず、対象物とドライバーの軸にも手を添えて両手でネジを回すとスムーズな作業ができます。片手ではどうしてもドライバーの能力を100%発揮しにくい状態ですので、必ず反対の手でドライバーを垂直に保ちながら軸に添えて回すようにしましょう。
「7:3の法則」を意識する
ネジを回す際、「ドライバーを押す力:7」、「ドライバーを回す力:3」を意識しておこなうとよいでしょう。
どうしても回すことへ目一杯の力をかけがちですが、回すよりもドライバーを抑え込む力の方に注意を払って作業をしてみましょう。「7:3の法則」を意識するだけでも今までよりもスムーズに作業でき、ネジをなめてしまうことがありません。
ネジが回らなくなる原因を知って適切に対処しよう!
「固着してなめてしまった」、「回らないネジ」の対処法や、おすすめのドライバーの扱い方をご覧いただきましたが、要領がつかめましたか?
身の周りにある回らないネジは、ご説明してきた通りすべて同じ考え方で対処できます。愛車や家具などにも有効活用できるDIY方法でもありますので、当記事をご覧になった日から回らないネジへ実践してみてください。そして、もしネジをなめてしまった場合には無理な作業はおこなわず、専門の工場などへ依頼をすることが賢明です。
慣れない無理な作業では大きなケガにつながったり、余計にネジ山へダメージを与え、さらに回らない状況を生んでしまいかねません。最後になりますが、「ネジが回らない」と焦ってしまうよりも、まずはネジが固着したり、なめないようにすることが最も重要です。
ネジを雨ざらしにしたり、無理な力で扱うことがないようにし、もしものために工具を揃えておくとよいでしょう。