目次
「賞味期限」と「消費期限」の違い
表示の意味 | いつまで食べられる? | |
---|---|---|
賞味期限 | 美味しく食べられる期限 | 厳密な期限はない。期限後は消費者の自己責任となる |
消費期限 | 安全に食べられる期限 | 期限を守って食べる必要がある |
賞味期限は美味しく食べることができる期限
賞味期限とは袋や容器を未開封の状態のまま、記載されている通りの方法で保存したときに「品質が変わらず美味しく食べられる期限」です。
スナック菓子、ジュース、缶詰、インスタント食品など5日を超えて長期保存ができる食品に表示してあります。品質の劣化が緩やかなものは賞味期限が記載されていると考えてよいでしょう。
3カ月以上持つものは年月日ではなく、年月のみの表示もあります。保管方法によっては劣化が早まることもありますので、書かれている正しい保存方法を守るという点がとても重要です。
消費期限とは安全に食べられる期限
一方で消費期限とは、同じように袋や容器を未開封の状態のまま、記載されている通りの方法で保存したときに「安全に食べられる期限」です。
お弁当やお惣菜、ケーキや大福などの生菓子、生めんや生鮮類など劣化が緩やかでない、いたみやすい食品に表示されています。だいたい5日以内で品質低下があるものには表示されているため、期限を守って消費する必要があります。
期限を過ぎたら食べられない?
賞味期限は食べられなくなる期限ではないため、期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるということではありません。色や風味をチェックして消費者側の判断の自己責任で食べることもできますが、味や風味、栄養の質などは落ちている可能性は高いです。
対して、消費期限は劣化が進む食品に記載されているものなので、基本的には期限を過ぎたものは食べることはできないと覚えておきましょう。1日でも過ぎたら絶対に食べることができない、食べてしまったら食中毒を起こすというわけではありません。
食品によっては、加熱をすれば食べることができるものや、見た目やにおい、色に異変がなければ消費期限が過ぎても食べることができるものもあります。判断が難しい場合は期限を守るようにしましょう。
「賞味期限」と「消費期限」で注意すること
期限には条件がある
賞味期限と消費期限には、記載されている日付とは別に前提条件があります。
日付と一緒に、「未開封」「保管条件」と記載されていると思います。この条件を守った場合のみ期限が有効になります。
また、劣化が緩やかである賞味期限の食品でも開封した後は期限に関係なく早めに消費するようにしてください。
保管場所に注意
保管条件が悪ければ期限内であっても痛んでしまうことが十分に考えられます。
見た目やにおいがおかしいと感じた場合や、明らかに保管状態が適していないという場合は食べないようにしたほうが良いでしょう。
消費期限が記載されている食品について、期限が過ぎたものを食べて食中毒を起こしても、提供元には責任がありません。期限が過ぎたものは自己責任となることも覚えておきましょう。
≪ポイント≫
- 「未開封」などの前提条件をチェックする
- 「保管条件」に記載された場所に正しく保管する
「賞味期限」と「消費期限」の設定方法とは
期限を決めるのは製造業者(メーカー)
賞味期限や消費期限は国や地方自治体でガイドラインが定められていますが、設定するのはその食品情報を正しく把握している製造業者(メーカー)です。
劣化の早い食品には「食品衛生法」で細菌や有害物質の規格が定められて、海外から輸入された食品は輸入業者が設定することになっています。
設定の方法
設定する方法は主に次の3つの項目ごとの試験法があり、温度条件を変化させて、品質の劣化の状況や変化など時間を追って調べて決められます。
- ①理化学試験
油脂の酸化度合いやph(酸性度合)、水分含量や物のかたさなどが調べられています。 - ②微生物試験
一般生菌や真菌の数、食中毒を引き起こすような有害菌の有無などが調べられています。 - ③官能試験
外観や香りに加え、食感や風味、味などが調べられています。
「賞味期限」と「消費期限」が表記されている食品と省略できる食品
賞味期限が表記されている食品
賞味期限が表示されている食品は、前述している通り「いたみにくい」食品です。
- スナック菓子やチョコレート、クッキー
- 瓶詰ジャムや蜂蜜
- カップラーメンやスープなどのインスタント食品
- 納豆、みそ、豆腐などの発酵食品
- 缶詰類
- ペットボトル飲料
消費期限が表記されている食品
消費期限が表示されている食品は、前述している通り「いたみやすい」食品です。
- お弁当屋お惣菜
- サンドウィッチや菓子パン
- ケーキや大福などの生菓子
- 生の魚や肉
期限表示が省略できる食品
長期間保存をしても品質の劣化が極めて少ない食品は、賞味期限の表示を省略できます。
- ガム
- 砂糖
- アイスクリームやシャーベット
- 食塩
- 酒類
- ガラス瓶入りの清涼飲料水
- 氷
≪ポイント≫
- 賞味期限を表示・・・「いたみにくい」食品
- 消費期限を表示・・・「いたみやすい」食品
- 表示を省略できる・・・「劣化しにくい」食品
「賞味期限」と「消費期限」の正しい保存方法
お米
お米は温度が18℃以上でさらに湿度が高くなるとお米に付く虫が発生しやすくなります。
保存する場合は、10~15℃の涼しい場所で直射日光の当たらない冷暗所が適しているため、冷蔵庫の野菜室がおすすめです。目安として温度が25℃で2カ月、20℃で3カ月、15℃で5カ月が美味しく食べられる期限と言われています。
小麦粉や片栗粉
小麦粉や片栗粉は未開封であれば賞味期限内は常温保存でよいです。
ですが、開封後に常温保存をしていて高温多湿(温度25℃、湿度60%)になると「コナダニ」が発生すると言われています。コナダニを食べてしまうとアレルギー反応が出てしまうケースもありますので、開封後は密閉できる容器に入れて冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
保存期間も開封後は賞味期限にかかわらず早めに使いきりましょう。
冷蔵庫で保存するときの注意店は取り出して使う際に、温度差で容器に結露がついてしまうことです。結露がついたままにしていると、カビの発生の原因となります。乾燥剤を入れて置いたり、結露がついてしまったらしっかりとふき取るようにしてカビの発生には注意します。
未開封のものは常温保存でよいですが、高温多湿に弱いためコンロの下や湿気が多くなるシンクの下などは避けたほうが良いでしょう。
乾麺
パスタや素麺、そばなどの乾麺は未開封であれば賞味期限内は常温保存でよいです。置き場所は直射日光の当たらない冷暗所で保存ましょう。
未開封だからといって日の当たる場所や湿度の高い場所で保存をしておくと、賞味期限内でもカビが発生してしまうこともあります。
また、粉類と同じように開封後は虫が発生しやすいため、常温保存は避け冷蔵庫で保存するのが望ましく、賞味期限にかかわらず早めに使いきるようにします。
刺身
刺身は柵のままか切り身になっているかで、消費期限が少し異なります。
切り身で購入した場合は魚の種類にかかわらず当日中に食べるようにしましょう。柵の刺身はマグロやブリなどの大型魚は2日くらい保存できます。
刺身は鮮度が重要ですので、常温で1時間置いてしまうだけでも鮮度が落ちてきます。スーパーなどで購入した刺身を持ち帰るときは、ビニール袋につめた氷が活用しましょう。より鮮度を落とさない持ち帰り方は、刺身以外の食品を隙間なくつめます。
氷を入れた袋と刺身を一緒の小袋に入れ、袋自体の空気をしっかりと抜き口を縛り、一番上にのせて持ち帰るようにします。氷を入れる袋も空気が入っていると溶けやすくなるため空気はできるだけ抜いておくとよいでしょう。
最後に
食べられるのに捨てられてしまう食品のことを「食品ロス」と言います。
賞味期限を守って安全に食べることは何より大切なことですが、日本の人口一人当たりの食品ロスの量は年間約50キログラム程度とのことです。
食品ロスを減らす対策として、購入する際に私たちができることは、陳列されている賞味期限の順番を守って購入することや、食品ロスを無くそうという意識を持つことが大切でしょう。