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ゆで卵の消費期限はある?
もちろん、ゆで卵にも消費期限はあります。
生魚や精肉などは加熱したり火を通すことで消費期限を延ばすことができますが、卵の場合は加熱しても消費期限を延ばすことができません。
逆に、卵の場合はゆでると菌が繁殖しやすくなってしまうので、消費期限は短くなってしまいます。殻が付いているままやひびが入っているなど状態によっても消費期限は異なります。
生卵を購入すると殻やパッケージに賞味期限がプリントされているのはご存知ですよね?この殻などに表示されている賞味期限はあくまでも生卵の状態での賞味期限です。
基本的に生卵には消費期限の表示はありません。消費期限は5日以内に品質が劣化してしまう可能性がある刺身や精肉などの生鮮食品に対して付けられます。
生卵は生ものなのですが、固い殻に包まれて無菌状態でお店に出回るので5日以内に品質が劣化してしまう可能性が無いため賞味期限の表示がされています。
しかし、ゆでてしまうと賞味期限は短くなるので表示は無くても消費期限と考えても差し支えないと思います。賞味期限と消費期限の違いは食べることに関して重要な違いがあるので、まずはしっかり理解しましょう。
生卵に記載されているのは「賞味期限」
「賞味期限」と「消費期限」同じ意味と思っていませんか?本来は大きな違いがあるので注意しましょう。
賞味期限とは、未開封の状態で保存方法を守った場合の「美味しく」食べられる期限を表しています。基本的に賞味期限は腐りにくい食品に用いられている言葉で、賞味期限切れになってもすぐに腐ってダメになってしまうというわけではありません。
一方、消費期限とは未開封の状態で保存方法を守った場合の「安全」に食べられる期限を表しています。賞味期限とは異なり、消費期限は生鮮食料品のような腐りやすい生ものの食品に表示されている表示で、消費期限が過ぎた食品は衛生上食べられない可能性があります。
卵の賞味期限は「生食」が前提
生卵の殻やパッケージに記載されている賞味期限は安心して「生食」できる期限を記載しています。
賞味期限が過ぎてしまった生卵は、75℃で1分以上加熱すると食べることができますが、保存の方法や状態によって腐敗している場合もあるので廃棄した方が安心です。
また、サルモネラ菌の増殖が起こらない期間は卵の保存温度によって決まるため、生卵の賞味期限は季節によって異なります。
- 夏期(7~9月)は、産卵後16日以内
- 春秋期(4~6月、10~11月)は、産卵後25日以内
- 冬季(12~3月)は、産卵後57日以内
とされていますが、実際は事業者と量販店やバイヤーの話し合いで決定しており、一般的には年間を通してパック後2週間程度を賞味期限としている場合が多いようです。
但し、パカッと殻を割ってしまった生卵の賞味期限は1~2日となるので早めに食べて消費しましょう。「賞味期限」と「消費期限」、どちらの期限でも、開封後や保存方法を守らなかった食品の場合は期限よりも早めに食べるようにしましょう。
今回はゆで卵の消費期限についてご紹介したいと思います。
ゆで卵の消費期限
ゆで卵の消費期限は、季節やゆで方、ゆでた後の保存状態や殻にヒビなどの割れがあるかどうかによって異なります。
ゆで方や季節で異なる
ゆで卵の消費期限は季節やゆで方などの条件で異なります。
冬の時期で気温が12℃以下の場合には常温で2~3日保存することができますが、夏の時期は気温も湿度も高くなるので、常温での保存は避け冷蔵庫で保存しましょう。
また、ゆで方によっても消費期限は異なります。黄身が硬くなるまでゆでたゆで卵の消費期限として2~3日と紹介しましたが、半熟ゆで卵の場合の消費期限は冷蔵庫の保存しても1日が目安となります。
半熟ゆで卵の場合
半熟ゆで卵の場合は、黄身が半生の状態で白身や殻はゆでられた状態となるため、黄身を硬くゆでた卵より傷みが早く進んでしまいます。また湿度と気温の高い状態は菌が活発になりやすいため、ゆで卵の温度管理には十分注意しましょう。
味付けをしたゆで卵の場合
味付けをしたゆで卵の消費期限は、普通のゆで卵よりも少し長めの4~5日以内がめやすとなります。
ゆで卵を醤油に漬けたりおでんなどにすることで、消費期限を延ばすことができます。シンプルな調味料で簡単に作ることができる煮卵や味付け卵は、消費期限が伸びるだけではなく料理として美味しいので一石二鳥ですね。
殻の割れやヒビの有無でも異なる
殻付きで常温保存した場合
殻付きのゆで卵を常温で保存する場合は遅くとも3日以内に食べ終わるようにしましょう。
但し、殻がついていないゆで卵やヒビが入っているゆで卵の場合は、暑い時期では数時間で傷んでしまう可能性があります。気温が高い時期は常温保存は避けるようにしましょう。
冷蔵保存にした場合
ゆで卵を冷蔵庫で保存した場合の消費期限は4~5日です。
常温保存と同様に殻を剥いた状態のゆで卵や、殻はついていても割れてしまってたりヒビが入ってしまったゆで卵の場合では消費期限が異なります。
殻はついているもののヒビ割れしてしまっている場合、殻の割れた隙間から細菌が入り込みやすくなってしまい、早く傷んでしうので2日以内に食べるようにして、殻を完全に剥いた状態のゆで卵の場合は、12時間~24時間以内に食べきるようにしましょう。
お弁当に入れたゆで卵の場合
ゆで卵をお弁当の中に入れると彩りが豊かになりお弁当をよりおいしく魅せるのに役立ちます。
しかし気温が高い夏の時期ですとお弁当に半熟のゆで卵を入れると傷んでしまい食中毒を起こす可能性がありますので避けるようにしましょう。
お弁当に入れる場合は黄身が硬くなるまでゆでてからお弁当に加えてください。
ゆで卵が日持ちしない原因は「細菌」!
生卵の卵黄膜や卵白の中にはリゾチームという酵素の成分が含まれていて、そのリゾチームの効果で細菌が溶けるように死んでしまいます。
ところが、リゾチームは加熱してしまうと効力がなくなってしまうので、ゆで卵は生卵よりも菌の繁殖がしやすくなってしまい、傷むまでののが早くなると覚えておきましょう。
実際にゆで卵は、生卵より傷みやすいと言われています。
- ゆで卵の消費期限は季節によって気温で異なる
- ゆで卵の消費期限は茹でた後の保存状態や殻の有無で異なる
- ゆで卵をお弁当に入れる場合は半熟ゆで卵ではなく黄身が硬くなるまでゆでましょう。
- ゆで卵は生卵よりも傷みやすい
ゆで卵の消費期限を長くする方法
味付け卵は冷蔵庫で4~5日で食べましょう
ゆで卵は味付けしてから煮卵として保存することで消費期限を延ばすことができます。
ゆで卵のしょう油漬け(煮卵)の作り方は、ジップロックなどの密封できるビニール袋にしょう油を大さじ3、酒と砂糖を大さじ1を入れて、殻を剥いたゆで卵を入れ空気を抜いて密封し冷蔵庫で保存します。一晩以上放置して漬ければ完成します。
ゆで卵フィリングで冷凍すれば1ヶ月間保存できる
ゆで卵をのサンドイッチやサラダ用にフィリングすれば消費期限を延ばすことができます。
作り方
- ゆで卵を細かくつぶします。
- マヨネーズやオリーブオイルなどの油分と塩、こしょうで味付けをします。味見をしながら分量を変えお好みの味にしましょう。
- 味付けが終わったらジップロックなどの密封できるビニール袋に入れて、なるべく平らにして空気を抜きます。
この状態で冷凍庫で保存すれば2週間から1ヶ月の間保存ができます。
冷凍庫から取り出せば、10分~20分程度で解凍できるので解凍後は卵サンドにしたりサラダに加えて食べましょう。冷凍前に油分が加わっているので冷凍しても取り出しやすくなり、使う分だけ折って保存袋から取り出せるので便利です。
消費期限が切れたゆで卵の見分け方
ゆで卵は一度にたくさん作っておきたいと考えますが、傷んでダメになってしまうのが心配になります。ゆで卵はどのような状態になってしまうともう食べない方が良いのかゆで卵の状態によって判断しましょう。
悪臭がする
殻が付いたままで保存していたゆで卵の殻を剥いたときに硫黄の温泉のような臭いや悪臭がした場合、そのゆで卵は腐ってしまっています。食べることは諦めて捨てましょう。
ぬめりやねばりで糸を引いている
殻が付いたままで保存していたゆで卵の殻を剥いたときに殻の内側や白身がぬるぬるして糸を引くような状態になっていたら、そのゆで卵は腐ってしまっています。食べることは諦めて捨てましょう。
カビが生えている
殻にヒビが入ったまま保存していたゆで卵は雑菌が繁殖しカビが生えることもあります。カビの部分を取り除いたら大丈夫とは考えず、食中毒の原因になってしまうので食べることは諦めて捨てましょう。
最後に
ゆで卵の消費期限について紹介しました。
卵は生ものですが生鮮食品と違うので、生卵のパッケージなどには「消費期限」と表示せず「賞味期限」と表記されています。しかし卵はゆでることでその期間は短くなってしまうので「消費期限」と考えても良いでしょう。
ゆで卵の場合は、「古くなった卵だから加熱しておけば大丈夫だろう」という考え方は間違いです。ゆで卵は食べるときに、ゆでて食べることが安全で美味しい食べ方になります。