目次
スーツのたたみ方の基本の手順
手順1:ボタンをとめて裏返す
まず、テーブルなど床が安定している広い場所の上にジャケットを置いてから、ポケットの中を確認して全てのボタンをとめましょう。
ここで全部のボタンをきちんととめておかないと、生地がずれて上手にたたむことができません。必ず全てのボタンをとめるようにして下さい。ボタンをとめたらジャケットを裏返して、裾の部分がそろうように整えてください。
手順2:肩幅の真ん中で折り返し袖を折る
裏返したジャケットの肩幅の中心辺りから、身頃(みごろ)の中心へ折りこみます。そして、折った袖の付け根から、最初に折りこんだ折り目と平行になるよう折ります。
手順3:反対側も同じように折る
反対側の袖も同じように、肩幅の半分の中心部から身頃の中心に向けて折りこみます。そして、袖を重ねるように折っていきましょう。
手順4:パンツをたたみジャケットにのせる
パンツはまっすぐに伸ばしてテーブルの上に置き、シワをのばします。折り目に合わせて2回畳むシンプルな三つ折りにしましょう。三つ折りにしたパンツはジャケットの上のほうにそっと置きます。
手順5:ジャケットの裾を折りあげる
ジャケットの上に置いたパンツとジャケットの折り目がずれていないことを確認します。ジャケットの裾から襟に向かって二つ折りにして、ひっくり返したら完成です。
スーツのたたみ方~その他の方法~
よりシワになりにくいジャケットのたたみ方
- 片方の袖を裏返し、もう一方の袖は表向きのまま裏返した袖の内側に通します。
- 襟は立ててまっすぐ伸ばし、表面を裏側に重ね、前身頃もぴったりと合わせます。
- 背中の生地を脇のラインにあわせて前身頃のほうへ折りこみます。
- Tシャツ1枚、フェイスタオルなどを丸めて型崩れ防止のため、肩パッドの中に入れておきます。
- 同じようにタオルなどでクッションを作り、芯にしてジャケットを重ねて巻いていきます。袖も中に折りこんで巻き、シワを伸ばしながら最後まで巻いたら完成です。
ジャケット素早くたためる方法
- ジャケットの両肩に手を入れます。肩のラインがしっかり合うように揃えて、背中の中心で半分にたたみます。
- 手は入れたまま、左手で両袖をつかみ右手で襟を立たせます。
- 立たせた襟の先端をしっかりと持って、左手の袖を自分のほうに引っ張って左半分の裏地が見えるようにします。
- 肩の部分をそろえて、真ん中からたたんで完成です。
丁寧なパンツのたたみ方
- パンツの前側の中心と後ろ側の中心をつまみます。
- シャツ3枚程度でクッションを作り、パンツ全体を覆うように置きます。
- クッションの厚みがあって巻きにくいですが、少しずつパンツを折りたたんで3回折りたたんだら完成です。
スーツのたたみ方や運び方で気を付けること
タイミング
キレイにたたんだスーツが移動中にシワにならないよう工夫をすることも大切です。シワを作らないためには、スーツケースに入れておく時間をできるだけ短くすることです。
長く入れっぱなしにすればその分シワができやすくなりますので、スーツをしまう時は最後にスーツケースに入れるようしましょう。また、移動先に到着したら速やかにスーツケースからスーツを取り出してハンガーに掛けるようにして下さい。
この時、ジャケットとパンツを同じハンガーに一緒にかけるのではなく、パンツはパンツ専用のハンガーを使うようにします。センタープリーツを必ず整えて裾を上に吊るしましょう。
こうすることで重みにより自然とついたシワも伸びます。
形がくずれないよう工夫する
キレイに折りたたんだスーツは、そのままスーツケースにしまうと形が崩れることがあります。収納袋やタオルなどで包んでからスーツケースに入れるなど工夫をしましょう。また、収納の際はスーツが一番上になるようにします。
なお、スーツケースは縦にして運ぶことが多いため、縦にしたときに上のほうの荷物の重さで、下のほうの荷物がつぶされてしまいがちです。できたら、スーツケースを縦にしたときに上のほうにくるような場所に詰めるのがおすすめです。
荷物をパンパンに詰め込むのも、シワの原因になりますので避けましょう。
においや液漏れ
せっかくスーツをキレイにたためて、上手にスーツケースに収納できても、においや液漏れなどがあっては台無しです。例えばチーズなどのにおいの強い食品や、香水や化粧水などの液状の物などは密閉されているスーツケースの中ではにおいが移る可能性は大きいです。
また、何かの衝撃で瓶が割れて液漏れすることなども考えられます。においや液漏れが心配になるものは、袋を2重にしてしっかりと密閉するようにしましょう。
収納が難しい場合はガーメントバッグを使う
ガーメントバッグとは、スーツを持ち運ぶためのバッグです。ジャケットとパンツをハンガーに掛けたままの状態で収納でき、ネクタイや小物なども一緒に収納できます。スーツを折りたたむ必要がないためシワを防ぐことができます。
スーツをたたんでシワになってしまった場合
シワ取りスプレー
水を入れた霧吹きスプレーだけでもシワを伸ばすことができますが、なかなかシワが取れない時はシワ取りスプレーを使いましょう。市販のシワ取りスプレーは全体にスプレーして軽く引っ張りながら伸ばしてハンガーにかけておくだけです。
特に移動時間が長くシワがしっかりとついてしまった場合はシリコンが入ったものがおすすめです。衣類の繊維に浸透するので、10分ほどでシワの部分がキレイになります。
また、浸透したシリコンで繊維の弾力が保たれるためシワが付きにくくなるというメリットもあります。携帯用のミニボトルタイプもありますので出張用に用意しておくと安心です。
バスルームに吊るす
シワ取りスプレーの用意などもなく、たたんでおいたスーツにシワができてしまった時は、バスルームに吊るす方法もあります。シャワーやお風呂に入った後のバスルームに15~30分くらいハンガーにかけたスーツを吊るしておくだけです。
バスルーム内の湿気によってシワが伸びますのです、湿気が十分でないと効果がありません。しばらく吊るしたら、その後は風通しの良いところで陰干しをしてください。
スチームアイロンを使う
宿泊先などにスチームアイロンの貸し出しがあれば利用するのも良いでしょう。スチームアイロンは生地によって設定温度が違うためその点だけ注意しましょう。綿や麻は高温ですが、ウールなどは中温になります。
アイロン台の上にスーツを置いて、シワの部分をなでるようにスチームアイロンをあてていきます。デリケートな素材のスーツは、当て布があると安心です。アイロン台が無くても、スーツをハンガーにかけてスチームをゆっくりあてればシワがすっと伸びていきます。
ドライヤーを使う
シワ取りスプレーもアイロンもない宿泊先であれば、ドライヤーを使ってシワを伸ばす方法もあります。シワの部分を水で濡らして、5㎝くらい生地から離してドライヤーの温風を当てていきます。
シワを引っ張りながら乾かし、乾いたら仕上げに冷風を当てて下さい。冷風を当てることでシワが戻りにくくなります。手軽にできる方法ではありますが、生地を傷める恐れもあるため注意しながら行いましょう。
最後に
どうしてもスーツのシワが気になる人や、シワを作りたくない時はポリエステル繊維のスーツを選ぶと良いでしょう。
一般的なスーツは9割近くの素材が綿のためシワになりやすいですが、ポリエステル素材などの化学繊維の特殊な性質が施されているスーツはシワが付きにくいです。
出張や旅行中に毎回シワが気になるのであれば、出張用として用意しておくのもよいかもしれません。