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働いていない専業主婦は子供を保育園に預けるのは難しい
昔は働いていない専業主婦でも子どもを保育園に預けることが普通にありましたが、最近では待機児童の問題や幼保無償化などの影響もあり、専業主婦が預けるのは難しい状況です。
昔は専業主婦の割合が大きかったのですが、共働き世帯が増えるのにつれて専業主婦の数が減りました。子どもが生まれた後も仕事をしている人が多くなってきている今、専業主婦では子が保育園にはいれないことも珍しくないと言われています。
待機児童の増加
専業主婦でも保育園の募集人数に空きがあれば子どもを預けることはできますが、都市部の多くの保育園で入園待ちの状態である「待機児童」が増加しており、実際に預けるのは困難な状況になっています。
すでに保育園がパンク状態なので共働き夫婦でも子どもを預けるのが難しく、母親が専業主婦となるとさらに競争に勝つのが厳しく、保育園に落ちるという状況になっています。現在でも待機児童の問題は解決していません。
幼保無償化は対象外
2019年10月1日から幼保無償化が始まりました。
専業主婦は幼稚園、認定こども園を利用している場合には、無償化(月2.57万円まで)の対象ですが、認可外の保育施設では幼保無償化の対象外になってしまいます。
専業主婦では認定で落ちて認可外に通わせている方も多いのですが、この方たちは幼保無償化の対象にはなりません。共働き世帯ならば無償化の対象になるため、不公平という声があります。
働き手不足解消が目的とされている
幼保無償化にしても、待機児童問題にしてもその目的は共働き世帯を楽にすることで働く女性を増やし、人手不足と言われている日本に働き手を供給することだとも言われています。
そのため、すでに共働きで働いている母親は保育園の入園にも有利になる上、幼保無償化で認可外だったとしても無償化の対象になるなど優遇があります。
しかし、仕事してない専業主婦の場合は入園に不利な上に認可外では無償化対象にならないなど不利です。
専業主婦は保育園と幼稚園どちらを選ぶべきか
保育園と幼稚園と子どもを預けることのできる施設の違いは、一般的には保育園が子どもの保育を目的としている「児童福祉施設」であるのに対して、幼稚園は小学校入学前の教育を行う「教育施設」であることです。
それぞれに管轄も違い、保育園が厚生労働省であるのに対して幼稚園は文部科学省の管轄になっています。保育と教育で目的が違う他に、対象となる年齢も違っているなど違いがあります。
子供の年齢は何歳か
専業主婦が保育園と幼稚園どちらに入れたらよいかですが、基本的に幼稚園は3歳以上が対象であり、3歳未満なら保育園に入れることができますので子どもの年齢で考えてみましょう。
保育園は保育が目的の施設なので、早ければ生後数か月からでも受け入れてくれるところもあります。幼稚園は3歳以上、あるいは年度の途中で3歳を迎えた時から通うことができますが、基本的に3歳未満は入れないとなっています。
夫婦が共働きかどうか
夫婦が共働きかどうかで自治体による可否が決まるため、専業主婦は認可保育園に入れない場合が多く、認可外保育園や幼稚園が対象になってきます。
自治体によりますが、両親の就労状況や家庭事情に応じて認可保育園に入れるかどうかが決まりますので、専業主婦であると認可保育園に入るのは厳しい訳です。
しかし幼稚園、認可外保育園ならそのような条件による可否はないので、そちらを検討するとよいでしょう。
保育と教育の重視度
保育園・幼稚園のどちらを選んだらよいか悩んだ場合には、一般的には保育を重視しているなら保育園、教育を重視するなら幼稚園を選んだらよいでしょう。
とくに幼稚園にも認可・無認可幼稚園があるのですが、独自の教育をしたいためにあえて認可を受けない幼稚園というのも存在します。
特定の教育を重視したい場合にはそこを重点的に教育している幼稚園を探すなど、保育と教育の観点から選ぶこともできます。
料金の比較
保育園と幼稚園のうち、料金面で安いのは認定保育園と公立幼稚園であり、認可外保育園と私立幼稚園では毎月の料金に大きな差がでることがありますので、料金でも選んでみましょう。
ただ、認定保育園や公立幼稚園は料金面では安価ですがその分競争率が高く、専業主婦では認定保育園に入れられない可能性が高いです。
保育園探しのスケジュール
就職活動、略して就活と同じように保育園探しも「保活」としてどの時期に何をするのか、4月から入園させたい場合のスケジュールがあるので紹介します。
保育園に入りたいけどいつから保活をしたらいいのか分からない、どんなことをしたら良いのか分からないという方は多いでしょう。
専業主婦でも共働きでも、保活のスケジュールに違いはありませんので見ていきましょう。
4月~10月のスケジュール
保育園探しのためのスケジュール、4月から10月にかけやることは認可保育園の情報収集と認可保育園の見学とともに万が一を考えて、認可外保育園の情報収集や見学も一緒に行っておきましょう。
育児休暇をとっていて出産後すぐに仕事に復帰するというような場合、スムーズに保育園に入るには妊娠中から情報収集、保育園の見学などを行っておくとよいでしょう。
専業主婦も専業主婦でも預けられる保育園はないか、探す必要があります。
10月~11月のスケジュール
10月から11月にかけては、多くの認可保育園で募集が行われる時期になっていますので、この時期に最優先するのは認可保育園への申し込みです。
このため、早生まれと同様に10月から11月に出産予定日がある場合には保育園探しは厳しいとも言われています。出産前後の時期に入園申し込みの手続きまで行うのは、少しハードルが高いためです。
11月~12月のスケジュール
保育園探しのスケジュールですが、11月から12月にかけてもまだ認可保育園の募集が行われている地域がありますので、募集への申し込みを行っておきましょう。
認可保育園に入れたいけれど無理な場合もあります、そんな時のために認可外保育園の申し込みを行っておくのも手です。
認可外保育園では入園が内定すると3万円前後の入園金が必要になる場合が多く、入園金を支払わなければ辞退した扱いになるので注意しましょう。
1月~2月のスケジュール
1月から2月にかけては、申し込んだ認可保育園や無認可保育園からの抽選結果が届く時期になります。
認可保育園の選考に通っていればよいのですが、一次選考で保育園入園審査に落ちた場合は、二次選考に申し込む必要があります。一次選考に通るかどうかはこの時期まで分からないため、申し込んだ保育園に入れなかったらどうするのか、予定を立てておきましょう。
二次選考は一次選考よりもさらなる激戦になることがほとんどです。
2月~3月のスケジュール
保育園探しのスケジュール、2月から3月には二次選考の結果がでてくることになります。
二次選考にも落ちたとなると認可保育園に入れるには厳しくなりますので、無認可保育園も視野に入ってくるでしょう。無認可保育園は入園の最終決定を3月としているところが多いです。
もう復職が決まっているような場合は、認可保育園を諦めて認可外を選択するしかないような場合もあります。入園キャンセルする場合は、早めに連絡を入れます。
3月のスケジュール
保育園探しのスケジュールとして最後の3月には、内定した保育園での面接や健康診断などが行われますのでそういった行事に参加しましょう。
この時期になっても保育園が見つからないことは、激戦区なら専業主婦だけでなくパート主婦や共働き夫婦でもあることです。認可外保育園なら空きがあれば入園可能なので、探してみましょう。
保育園の審査基準の点数
認可保育園に入れる条件として、各家庭の状況をポイントにした点数評価が行われています。
基本的にはこの点数が審査基準となり、点数の高い人ほど認可保育園に入れる可能性が上がります。点数には「基準点数」と、それに加点する「調整点数」があります。これらの点数は、自治体によっても違いがあります。
基準点数
認可保育園の審査基準である「基準点数」とは、各家庭における基本情報を点数化したもののことです。
妻が働いてない専業主婦か、共働き夫婦か、仕事探しをしているか、介護が必要な家族がいるか、両親が通院しているかなど基本的な情報を元に点数化していきます。
認可保育園には母親が働いてないと入れないと言われるのは、この「基準点数」が影響しています。
調整点数
「調整点数」の方は、基本情報以外の各家庭が置かれている状況を点数化したものとなっています。
例えば、希望している認可保育園にすでにその夫婦の上の子どもが通っている兄弟加点や、認可外保育園の利用実績がある、祖父母と同居しているなどの情報が「調整点数」として反映されます。
専業主婦もパートも必見!認可保育園に入るための方法7つ
認可外保育園に預けるには条件が厳しいと言われる専業主婦や、パートで働いている方でも認可保育園に入れる方法はないのでしょうか。ここからは、専業主婦やパートにおすすめの認可保育園に入る方法を紹介いたします。
①ママ友を通じて情報収集!
専業主婦やパートでも認可保育園に入るための方法、1つ目は役所などの情報収集をした上で実際にその保育園に子どもを通わせたことがある、通わせた人を知っているママ友から情報収集をすることです。
その認可保育園には専業主婦の子どもはいないよ、とかパートや専業主婦のお母さんもいるよ、といったママ友の生の情報を参考にする探し方をするとよいでしょう。
②フルタイムで働く
専業主婦やパートの方にとっては根底から覆すような方法ではありますが、認可保育園に入るためにフルタイムで働く、という方法もあります。
どうしても専業主婦やパート・アルバイトの場合は、子どもを認可保育園に入れるのは難しい場合が多いです。週5回程度のフルタイム勤務をしていれば、認可保育園に預ける条件を満たしやすくなります。
③在宅ワークは控える
働いていたとしても、在宅ワークで自宅で仕事をしている場合は不利になることがありますので、認可保育園に預けて働くためには在宅ワークは控えめにした方がよいでしょう。
在宅でも働いていることに変わりはないのですが、どうしても自宅にいるなら子どもの面倒も見られるでしょう、と見られてしまう可能性があります。
④職業訓練校に就学する
仕事を辞めて専業主婦になっている場合や、仕事を探していてなかなか見つからずにパートや専業主婦でいる場合には、「職業訓練校」に就学することで認可保育園に入りやすくなることがあります。
これは自治体によっても取扱いが違うので、確認した方がよいでしょう。「職業訓練校」は失業給付を受けている最中の方だけでなく、給付を受けていない方も就学することができます。
⑤人気の低い保育園を希望する
認可保育園に入るための方法5つ目は、人気の高い激戦区を避けてあえて人気の低い保育園を希望する、という方法です。
ベッドタウンに近い認可保育園や利便性のよい認可保育園は、保活の激戦区になりがちです。そういった競争の激しい人気の高い保育園よりも、少し距離があっても人気の低い競争率の低い保育園を希望した方が、入りやすくなるでしょう。
⑥有利な地域に引っ越す
金銭的な余裕が必要ですが、認可保育園に入るために専業主婦にも条件がゆるい自治体に引っ越すなど、引っ越しを前提にした方法もあります。
認可保育園預ける条件の審査基準は、自治体によって多少の違いがあります。専業主婦やパートでもあまり不利になりない地域、待機児童が多くない地域に引っ越すことで認可保育園に入りやすくなるでしょう。
⑦入園時期を選ぶ
こちらは認可保育園の入園時期は基本的に4月ですが、年度途中からの入園を希望して認可保育園に空きがでるのを待つという方法です。
認可保育園も親の転勤や引っ越しなどでいったん埋まった人数に空きができることがあります。人事異動などが多い月は4月と10月なので、そのくらいの時期に年度途中からの入園を狙ってみるのもよいでしょう。
幼稚園でも保育園でもない「認定こども園」とは
「認定こども園」とは幼稚園でも保育園でもない、しかし幼稚園で行っている幼児保育、保育園で行っている保育を一緒に行っている施設になります。
幼稚園が文部科学省管轄、保育園は厚生労働省の管轄でそれぞれに管轄は別だということは解説してきましたが、「認定こども園」は内閣府の管轄です。
幼保連携型
幼保連携型の認定こども園は、その名称のとおり幼稚園の幼児教育と保育園の保育の両方の機能をもっています。地域の小学校との交流を行ったり連携もしており、将来的に認定こども園から小学校に進む子どもたちの教育に積極的です。
幼稚園型
幼稚園型の認定こども園は既存の認可幼稚園で、0歳児の保育や長時間保育の充実など保育面での機能が大きい認定こども園を指しています。認可幼稚園に保育所的な役割を持たせているのが特徴です。
保育所型
保育所型認定こども園は公立や私立の保育所がもともとになっており、保育園の入所規定を満たさない子どもも受け入れることのできる、幼稚園の役割も持った認定こども園です。このため、専業主婦(夫)で就労のない保護者でも利用できます。
地方裁量型
地方裁量型の認定こども園はその名称のとおり、地方による裁量が大きくどういう施設である、と簡潔に説明することが難しい認定こども園です。入所規定などもそれぞれの地方によりかなり差があることがありますので、それぞれの地方で情報収集してみましょう。
専業主婦も使える保育園が必要!
現在は専業主婦であると認可保育園に入りにくい、幼保無償化の対象外になる場合が多いなど専業主婦にとって保活は厳しいものとなっています。
しかし、専業主婦だというだけで不利になるのでは、逆に女性の生き方や選ぶ権利を侵害しているとも言えます。かつてのように専業主婦でも普通に預けられるよう、保育園を増やすなどの対策は必要不可欠と言えるでしょう。