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クエン酸スプレーとは
クエン酸スプレーの「クエン酸」って何かご存知ですか?レモンなどの柑橘類や梅干しに含まれている「酸味成分」のことをクエン酸といいます。クエン酸のスプレーを作る場合は、粉末状にしたクエン酸を使用します。粉末状のクエン酸は100均や薬局などで販売されていますので手軽に手に入れることができます。
クエン酸には「食用」と「工業用」の二種類がありますが、この成分の違いはクエン酸の純度です。純度が高いクエン酸は食用として、主にサプリメントなどに用いられ、逆に純度が低いクエン酸は工業用として掃除や洗濯用として売られています。
成分が自然由来のものなので、誤って工業用のクエン酸を口の中に入れても体に害を及ぼす心配はありません。子供がいるご家庭では掃除用の洗剤にとても気を使うと思いますが、クエン酸なら子供やペットがいても安心して使えます。
クエン酸は酸性の性質を持っています。酸性はアルカリ性の性質を持つ汚れを中和させてふやかすことで汚れを落としますので、特に水垢に効果を発揮します。また消臭と除菌の作用もあるので、消毒効果も兼ね備えたとても便利なアイテムです。
クエン酸スプレーの作り方
用意するもの
- クエン酸:小さじ1杯
- 水:200ミリリットル (カップ1杯)
- スプレーボトル:1本
用意するものは100均で揃えられるこの3つだけでOKですが、分量を量れる「計量カップ」や「計量スプーン」があれば便利ですね。
手順
- スプレーボトルにクエン酸小さじ1杯とカップ1杯の水を入れます。
- フタを閉めてよく振り、クエン酸が水に溶ければ出来上がりです。
正確に量る必要はなく、だいたいの目安としてこの比率になっていれば大丈夫です。
クエン酸水スプレー使い方
掃除したいところにクエン酸水スプレーを吹きかけ、スポンジで汚れごと拭き取るという簡単な作業です。また、頑固な汚れにはクエン酸をたっぷり含ませたキッチンペーパーでパックする方法もありますので、詳しくは「掃除する場所」でお知らせします。
クエン酸スプレーを作るときは掃除する場所や範囲や汚れ具合をみて、使い切れる量だけにして作り置きはしないようにしましょう。
クエン酸スプレーを使う掃除場所
リビング
クッションやカーテンなど頻繁に洗濯することができない物や、丸洗いできない布製品にはクエン酸スプレーを吹きかけます。タバコの臭いや魚の生臭いにおいはアルカリ性なので、酸性のクエン酸で臭いを中和させることができます。
素足で歩くフローリングの床や、こぼれ落ちた食べ物の汚れで雑菌が繁殖しやすいカーペットの場合は、直接スプレーしたあと、水で濡らして固く絞った雑巾などで拭き取ります。こうすることで、汚れを取りながら除菌や消臭もできるのです。
同様に、家の中でペットを飼っているご家庭のペットコーナーの掃除にも、クエン酸スプレーが役立ちます。ペットトイレの周辺に吹き替えてから拭き取って、アンモニア臭を中和させましょう。
キッチンのシンクまわり
アルカリ性の代表的な汚れである水垢は、水道水に含まれるミネラル分だけが残留して固まったものです。キッチンシンクや浴室や洗面所の鏡にできる白いウロコ状の汚れが水垢です。
シンクや蛇口周辺の水垢をきれいにするには、クエン酸スプレーをその部分に直接吹きかけ、キッチンペーパーやティッシュにもたっぷりと含ませ、汚れに貼り付けパックします。そのまま1〜2時間放置してからスポンジや歯ブラシでこすると簡単に汚れを落とせます。それ以外にも、食器の水切りかごや調理台など水垢がつきやすい箇所も、クエン酸水を吹きかけてスポンジでこするだけで、きれいにすることができます。
かなり頑固な汚れの場合には、お出かけ前や就寝前にパックし、長時間置いてから使い古しの歯ブラシや割り箸など、シンクの素材を傷つけないものでガリガリこすると、除去することができます。
またはクエン酸の粉末を直接かけて、メラミンスポンジのような研磨作用があるものでこすってみてもよいでしょう。いずれにしても汚れ具合に合わせて時間を調整してみてくださいね。
キッチン家電の水垢
電気ポット、食器洗い機、コーヒーメーカーなどに付着してしまった水垢を取り除くには、市販の洗剤より、身体に害のないクエン酸スプレーをおすすめします。クエン酸スプレーを振りかけて掃除をすれば、内部の水垢を中和して落とすことができます。
浴室の鏡についている水垢
浴室の鏡にできる水垢の汚れにも、シンク掃除と同様にクエン酸スプレーをかけてキッチンペーパーを貼り付け、1〜2時間放置してからこするとキレイに落とせます。壁や床、浴槽、水栓やシャワーヘッドにできる水垢もすべて同じ方法で掃除をしてみてください。
また、クエン酸は、石けんや皮脂汚れが溜まりやすい排水口のヌルヌルにも効果を発揮します。浴室の石鹸置きや棚、椅子、洗面器に付着した石鹸カスにはクエン酸を粉末のまま汚れに振りかけ、スポンジなどでこするときれいになります。
洗浄力をアップさせるには、重曹とクエン酸スプレーを併用させる方法があります。重曹を排水口に粉のまま振りかけてから、クエン酸スプレーを吹きかけると炭酸ガス(無害)が発泡します。この炭酸ガスが強い洗浄効果を発揮して、ぬめりや皮脂汚れを除去してくれるのです。
トイレの尿汚れ
トイレの匂いの原因となるこびりついたアルカリ性の尿の汚れは、クエン酸と清潔な雑巾があれば手軽に掃除ができます。用を足しているうちに床や壁についてしまった尿は、そのまま放置しておくとトイレ特有の嫌な臭いに変化してしまいます。日常的にクエン酸スプレーで拭き掃除をしておくことで除菌と消臭に効果を発揮します。
スプレーにミントのアロマオイルを数滴混ぜておくと、清涼感のあるさわやかな香りが広がります。ユーカリやヒノキのオイルには、除菌抗菌作用があるうえに、森林のようなすっきりした香りで気分も良くなりますので、ぜひ試してみてくださいね。
クエン酸スプレーで掃除するときの注意点
クエン酸を使用する時にはいくつかの注意が必要です。
- 他の物質、例えば塩化系漂白剤とクエン酸を混ぜると有毒ガスが発生する為、絶対にこの二つの成分を一緒に使わない。
- クエン酸を使う場所によっては掃除した部分を傷めてしまうこともある。鉄、セメント、大理石に使用すると錆びたり傷んだりするため、使用を避ける。
- アルミ製品などに使用すると変色させてしまう恐れがある。
- クエン酸は湿気に弱くカビが発生しやすいため、保存する場合は乾燥した冷暗所に置くようにする。
- クエン酸は、肌や素材にやさしい代わりに、市販の洗剤のような強い洗浄力はないので、黒カビなどを殺菌する効果は期待できない。
クエン酸スプレーで落とせない汚れと落とせる汚れ
洗剤には「酸性」か「アルカリ性」かが表記されていますが、汚れにも実は「酸性」と「アルカリ性」があります。汚れというものは、それ自体の性質と反対の性質を持つ洗剤で中和させることで落とすことができるのです。
酸性の汚れは落とせない
酸性の主な汚れとしては、油汚れや食べこぼし、手垢や皮脂、洗濯物についた血液などがあります。酸性の汚れは、弱酸性であるクエン酸では落とすことができませんので、クエン酸スプレー以外の方法、例えば弱アルカリ性の性質を持っている「重曹」を使ってきれいにしてみてください。「重曹」はクエン酸では落としきれない酸性の汚れだけでなく、生ごみなどの臭いを取るのにも重宝します。
アルカリ性の汚れは落とせる
アルカリ性の汚れには、トイレの黄ばみなどの尿の汚れや、水垢、石鹸カスなどがあります。このようなアルカリ性の汚れならきれいに落とすことができます。
クエン酸スプレーはお酢で代用できる!
すっぱい食べ物の一つにお酢がありますよね。「お酢で掃除をする」というのが、ピンとこない人も多いと思いますが、お酢には「酢酸(さくさん)」という酸性の性質があるので、クエン酸の代用ができるんです。この酢酸は雑菌がふえるのを抑える働きを持っているので、雑菌が原因のドロドロした汚れに効果を発揮します。また、アルカリ性の水垢などの汚れを中和して落ちやすくしてくれます。
お酢を掃除に使うときは、市販のスプレーボトルに、水と穀物酢を1:1の割合で入れて特製のお酢スプレーを作り、クエン酸スプレーと同じような使い方をします。ただ、汚れは落とせるのですがお酢特有のツーンとした匂いが残ってしまうことがあるので、匂いに敏感な方にはあまりおすすめできません。
最後に
クエン酸スプレーと聞くとなんとなく「むずかしそう…」というイメージがあったかもしれませんが、スプレーにしてシュッと吹きかけて拭き掃除するだけなので簡単で場所を選ばずどこにでも使えて便利です。また、クエン酸もスプレーボトルもドラッグストアに限らず、100円均一ショップで購入することができます。
身体に害のないクエン酸スプレーで、シンクのくすみやトイレの汚れをスッキリ落とし、気持ちよく毎日を過ごしてくださいね。