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アース線の役割
アース線のアースは、「地球・大地」という意味をもつ言葉です。アース線はその名の通り、電気を大地に流す役割があります。では、なんのためにアース線を付けなければいけないのでしょうか。アース線の主な役割を2つ見ていきましょう。
感電防止
電子レンジが故障して漏電した場合、電子レンジ内部に多くの電気が溜まり、過電流の状態になります。もし漏電に気付かずに電子レンジに触れてしまうと、感電する可能性があり非常に危険です。
場合によっては命にも関わります。しかし、あらかじめアース線をコンセントに差しておけば、漏れた電気が地面へと放流されるので、感電のリスクを避けることができます。
落雷の際の危険を防ぐ
落雷したときにプラグをコンセントに差したままの状態だと、過電流により電化製品が壊れてしまうことがあります。最悪の場合、火災が起こる危険も。
雷に気が付いたときすぐにコンセントからプラグを抜くことができなくても、アース線を繋いでおけば落雷による過電流を地面に流すことができます。その結果、落雷による家電の故障や火災のリスクを避けることができます。
電子レンジのアース線の正しい繋ぎ方
アース線を挿入する穴には「ねじ式」と「ワンタッチ式」の2種類あります。ワンタッチ式の場合はねじがない、穴だけの接続口です。どちらの繋ぎ方も、さほど難しくありません。
ここで、2通りのつなぎ方法を見てみましょう。もし、自宅のコンセントにアース線を差す穴が見当たらなければ、電気屋さんに設置工事を依頼してください。
ワンタッチ式のコンセントに繋ぐ方法
- コンセントに差し込んであるプラグを抜いておく
- アース線の銅線を約2cm出し、ねじって束にする
- フタを開けて、アース線の銅線部分を穴に差し込む
- フタを閉める
アース線の銅線部分が長い場合は、カットして調節してください。穴に差し込む時のポイントは、途中で曲がらないように「ゆっくり」「まっすぐ」入れることです。
ねじ式のコンセントに繋ぐ方法
- コンセントに差し込んであるプラグを抜いておく
- フタを開けて、ドライバーでねじをゆっくりゆるめる
- アース線の銅線をねじって束にし、穴に差し込む
- ドライバーでねじを締める
- フタを閉める
「ねじをゆるめてもねじが取れない」と焦ってしまうかもしれませんが、ねじはゆるむだけで、外れないようになっています。また、ねじを締めるときは、極端に強く締め過ぎないように注意してください。アース線がしっかり固定されていればOKです。
アース線を繋ぐときのよくある疑問
アース線を繋ごうとしたとき、どうしたらいいのか分からずに困ってしまうこともあるでしょう。ここで、アース線を繋ぐときのよくある疑問と解決策について、詳しく紹介します。いざというときに、参考にしてみてください。
アース線の長さが足りない場合はどうする?
アース線が短すぎて接続口が遠い状態では、繋げることはできませんよね。その場合は、自分で延長せずに、かならず電子レンジを購入した家電量販店か電気工事を行う業者に作業をお願いしてください。
コンセントに対してアース線が多い場合はどうする?
アース線の数に対してコンセントの接続口が少ない場合、複数のアース線を同一の穴に挿入しても問題ありません。なぜなら、一度に複数の家電が漏電することは滅多に起こらないからです。ただし5本も6本も、アース線を一つの穴に入れるのはNGです。
差し込み過ぎることで、アース線がきちんと固定されなくなる場合があります。一つの穴に入れるのは、多くても3本までに留めましょう。必要であれば、電気工事を行う業者にコンセントの新たな設置を依頼して下さい。
アース端子がない場合はどうする?
もし、電子レンジを使用する部屋のコンセントにアース端子がないときは、電気工事を行う業者に頼んで、アース端子を新たに取り付けてもらいましょう。自分で工事するのは危険なので、絶対に業者に依頼してください。取り付けにかかる値段は業者によって異なるので、事前に見積りをとってから依頼すると安心です。
アース線は繋げなくても大丈夫?
アース線を繋がなくても、電子レンジは問題なく使用できます。しかし、電子レンジが故障して漏電した場合や落雷などが起きた場合に、感電や火災のリスクが高まります。
電子レンジは電圧の高い家電なので、感電した場合には命の危険もあります。もしものことを考えたら、アース線を繋いでおくのが間違いありません。電子レンジ以外に、冷蔵庫や洗濯機などもアース線を付けておくと安心です。
アース線の外し方
電子レンジの買い替えや引っ越しなどで、アース線を抜く必要があることもありますよね。その際に焦らずに済むように、アース線の抜き方も覚えておきましょう。取り方は繋ぐときと同様に、とても簡単です。
ワンタッチ式のコンセントから外す方法
- コンセントにプラグが差してある場合は、あらかじめ抜いておく
- コンセントのフタを開ける
- アース線の差込口のそばにある黒いボタンを押しながら、ゆっくりとアース線を引き抜く
- フタを閉める
アース線を引き抜く際は、銅線に直接触らないように注意してください。
ねじ式のコンセントから外す方法
- コンセントにプラグが差してある場合は、あらかじめ抜いておく
- コンセントのフタを開ける
- ドライバーでねじをゆるめる
- ゆっくりとアース線を引き抜く
- ねじを締めてフタを閉める
アース線を抜いた後はフタを開けっ放しにせず、かならず閉めておきましょう。
アース線を接続せずに電子レンジを使用するとどうなるの?
電子レンジは非常に電圧が高く、使用時に流れる電気量も多い家電のひとつです。さらにキッチンに置かれているので、水まわりも近いですよね。濡れた手で漏電した電子レンジを触ると感電しやすく、とても危険です。
アース線を繋いでいない電子レンジが、劣化や故障などが原因で漏電したときに、行き場をなくした電気は電子レンジ内に留まってしまいます。漏電した電子レンジに直接触ってしまうと、感電します。特に電子レンジは高電圧なので、感電したときに人体が受けるダメージが大きく、大変危険です。
最後に
もしかするとアース線の必要性が分からずに、アース線を付けないまま電子レンジを使っている方もいるかもしれません。しかし、アース線をコンセントに接続するだけで、感電や火災の危険から身を守ることができます。
アース線の接続方法は、誰にでもできるぐらい簡単です。電子レンジや冷蔵庫、洗濯機など、水まわりの近くで使用する家電にはかならずアース線が付いているはずです。アース線付きの家電を使う際には、かならず専用の穴に繋いでおきましょうね。