目次
ハムの冷凍保存とは
ハムは冷凍保存には向かない
ハムは冷凍が出来ない食品ではありませんが、冷凍保存はどちらかというと不向きと言われています。ハムは冷凍することで内部の水分が凍り、肉の組織が壊されてしまいます。そのため、解凍後は水分もぬけてハム本来の風味や旨みが大きく損なわれるからです。
ハムには美味しさを増すために、塩せき液という液体が注入されていることや、食感を出すためリン酸塩などの添加物が使用されています。これらは、ハムの水分として含まれているため、冷凍により水分が抜けることで美味しくするためのさまざまな加工も損なわれてしまいます。
メーカーは真空パックのまま冷凍保存を推奨
大手ハムメーカーでも冷凍保存は推奨していないようですが、もし冷凍保存をするのであれば真空パックのまま冷凍保存を推奨しています。開封後は酸化が進みますので、未開封の状態で冷凍保存をします。
さらに未開封の真空パックを新聞紙やアルミホイルに包んで保存するとより良いでしょう。この保存方法は解凍後にはハムを全て使い切らなくてはならないため、一部だけ使いたいという場合には適していない方法です。
開封後のハムの冷凍保存方法
スライスハム
用意する物
- ラップ
- ジッパー付きフリーザーパック
- アルミホイル
手順
- スライスハムを一枚ずつピッタリとラップで包みます。
- ジッパー付きフリーザーパックに入れて、できるだけ空気を抜いて密封します。
- アルミホイルでフリーザーパックごと包み冷凍保存します。
ひと手間ですが、一枚ずつピッタリと包むことがポイントです。調理台や手は清潔な状態で行いましょう。フリーザーパックに入れる際は、なるべく重なる部分が少なくなるよう平らに入れることをおすすめします。
ブロックハム
用意する物
- ラップ
- ジッパー付きフリーザーパック
- アルミホイル
手順
- 包丁とまな板を熱湯などで消毒します。
- ブロックハムを食べやすい大きさに切ります。
- 一つずつぴったりとラップで包みます。
- フリーザーパックに重ならいよう平らに入れ空気を抜いて密閉します。
- アルミホイルでフリーザーパックごと包み冷凍保存します。
ブロックハムはあまり細かくカットすると、水分が抜けやすくなるため、調理方法が決まっていなければ小さ目より大きめに切るのが良いでしょう。調理方法が決まっている場合は、使いやすい大きさに切り分けておきましょう。
ハムを冷凍保存する時のポイント
急速冷凍が好ましい
家庭での急速冷凍は難しいですが、ハムを冷凍保存する際はできるだけ早い速度で冷凍することがポイントです。ハムは前述したとおり、ハムの中にある水分が凍ると細胞や美味しくするための加工が損なわれてしまいます。
劣化を最も促進してしまうと言われているのが、マイナス1℃~マイナス5℃の状態だそうです。この時間を短くして低温の状態にできるだけ早くしておくと、風味や旨みが少しでも保てると言われています。
最近の冷蔵庫には「瞬間冷凍」や「急速冷凍」という機能が付いているものも多くなっていますので便利な機能を利用してください。保存袋に入れる際、できるだけ重ならないように入れるのも、ムラなく中まで温度を下げやすくするためです。
急速冷凍に近づける方法は、アルミホイルや金属トレーを使う方法が有効です。金属やアルミホイルは熱伝導率がよいため、冷気が伝わりやすいです。ジッパー付フリーザーパックの上からアルミホイルを包んだり、金属トレイに置くなど工夫してみてください。
清潔を保つようにする
ハムを冷凍する時に限ったことではありませんが、調理器具や調理台、手は清潔を保つようにします。解凍したハムを加熱せず食べることもあるでしょう。雑菌が繁殖しやすい環境には気をつけてください。空気になるべく触れないようにすることも雑菌の繁殖や冷凍やけを防ぐのに有効です。
ラップで包むときはピッタリと密閉状態になるよう心がけましょう。また、フリーザーパック内を真空状態にできるだけ近づけるために、ストローを差し込み口に入れて空気を吸い出す方法などありますので参考にしてみてください。
ハムの冷凍保存期間と解凍方法
ハムの保存期間
ハムは冷蔵保存の場合は製造から2週間前後が多いです。冷凍保存した場合、美味しく食べられるのは1ヶ月以内と覚えておくとよいでしょう。1ヶ月以上の冷凍保存は冷凍やけの原因となり風味がどんどん落ちてくるようなので、冷凍保存しても早目に使い切ることを心がけて下さい。
冷蔵庫で自然解凍
冷凍の時は急速に冷やすことがポイントでしたが、解凍のポイントはその逆でゆっくりと時間をかけて解凍していきます。急速に熱を加えるような電子レンジや湯煎などは、水分がとんで旨みも風味も損なわれます。
また常温で解凍するのも、雑菌が繁殖する可能性があるため避けたほうがよいでしょう。冷凍庫から冷蔵庫に移してゆっくりと解凍してください。前日に冷蔵庫に移しておくと良いでしょう。
加熱調理にそのまま使う
冷凍保存したハムをチャーハンやスープ、炒め物など加熱して使う場合はそのまま使えます。用途が決まっていれば、冷凍する段階で細かく刻んで保存すると便利です。
時間が無い時は電子レンジの解凍機能を使う
時間が無い時などは、電子レンジの加熱ではなく「解凍機能」を使う方法もあります。この場合も使う分だけの冷凍にしておきます。再冷凍は雑菌の繁殖などの心配があるためしないようにしてください。
腐敗したハムとは
黒ずんでいる、変なニオイがする、ぬめりがある、汁が出てきている、などが見られた場合は、腐敗している可能性が強いため、食べるのは控えたほうが良いでしょう。
冷凍ハムを使ったおすすめレシピ!
ハムとチーズの春巻き
材料
- ハム:6~8枚
- 春巻きの皮:10枚
- プロセススライスチーズ:5枚
- 片栗粉:適量
- 油:適量
下準備
- ハムは細切りにして、チーズは5㎜くらいの細切りにしておきます。
- 春巻きの皮を1枚ずつハサミで三角に切ります。
- 片栗粉に同量程度の水を加えて水溶き片栗粉を作っておきます。
作り方
- 春巻きの皮にハムとチーズを置きます。
- 三角形になっている春巻きの皮の両端を折り、手前側から巻いてスティック状にします。
- 巻き終わったところで水溶き片栗粉をつけてとめます。
- フライパンに適量の油をひいて中火で熱します。
- スティック状にした春巻きを転がしながら焼いていきます。
油を多めにするとカリカリにあげることができます。少量の油でも転がして焼き色を付けることができます。ハムやチーズに塩分がはいっているため、そのままでも美味しく食べれます。
ハムときのこのガーリック炒め
材料
- ハム:5枚
- エリンギ:1~2本
- しめじ:半株
- にんにく:1片
- 塩コショウ:適量
- オリーブオイル:適量
下準備
- ハムとエリンギは大きさを合わせてカットします。
- しめじは石づきを落とし、手で切り分けておきます。
- にんにくは粗みじん切りにしておきます。
作り方
- フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ熱します。
- にんにくの香りが出てきたら、ハムときのこ類を入れます。
- 軽く炒めたら塩コショウで味を整えます。
仕上がりにパセリを散らすと彩りも良くなります。きのこはお好きなきのこを使ってください。ハムと大きさをそろえるのがおすすめです。
最後に
真空パックで売られているハムは、開封すると空気に触れることで、雑菌が付着していきます。冷蔵保存でも開封後は2~3日以内に食べきることをおすすめします。
その場合もラップで密閉して保存袋に入れてできるだけ空気に触れないようにしておきます。食べきれる予定が無い時は、開封後すぐに冷凍保存するとよいでしょう。