食べ合わせの悪いものは何?有名な組み合わせの真偽と注意点

うなぎと梅干し、天ぷらとスイカ、カニと柿など、食べ合わせが悪いといわれる組み合わせを紹介します。言い伝えと栄養吸収への影響を分け、なぜ悪いとされるのか、本当に避ける必要があるのかを解説。食後に体調不良が起きたときの考え方も確認できます。

食べ合わせが悪いといわれる組み合わせ一覧

テーブルに並べられたたくさんの料理

食べ合わせが悪いといわれるものには、うなぎと梅干し、天ぷらとスイカ、カニと柿、きゅうりとトマトなどがあります。

また、鉄分を含む食事とお茶・コーヒーのように、栄養の吸収に影響することが研究で確認されている組み合わせもあります。

ただし、昔からの言い伝えと、科学的に確認された栄養への影響は別の話です。悪いといわれる理由を知ると、本当に避ける必要があるのかも見えてきます。

うなぎと梅干し

うなぎと梅干し

うなぎと梅干しは、昔から食べ合わせが悪いといわれる有名な組み合わせです。

一緒に食べるとお腹を壊すと聞いたことがあるかもしれませんが、農林水産省は、この食べ合わせが悪いという説に医学的な根拠はないと説明しています。

では、なぜ食べ合わせが悪いといわれるようになったのでしょうか。由来には諸説あり、農林水産省は、ぜいたくや食べすぎを戒めたという説のほか、貝原益軒の『養生訓』にあるうなぎと銀杏の記述が、梅干しとの食べ合わせに取り違えられたという説を紹介しています。どれか一つが確定した由来というわけではありません。

うなぎと梅干しは、組み合わせを理由に避ける必要はないと考えられます。脂っこい料理を大量に食べて胃がもたれることはあっても、それは梅干しとの食べ合わせとは別の問題です。

胃腸の調子がよくないときは、食べる量に気を配るとよいでしょう。

天ぷらとスイカ

スイカと天ぷらイラスト

天ぷらとスイカも、一緒に食べるとお腹を壊すといわれてきた組み合わせです。

その理由としてよく語られるのが、油を使った天ぷらの後に水分の多いスイカを食べると、胃液が薄まって消化が悪くなるという説です。また、スイカで身体が冷えるため、胃腸に負担がかかるともいわれます。

しかし、天ぷらとスイカを一緒に食べるだけで、お腹を壊すという確かな根拠はありません。日本製薬工業協会も、昔から知られる食べ合わせとして紹介していますが、はっきりした根拠は乏しいと説明しています。

そのため、天ぷらの後にスイカを食べたからといって、腹痛を心配しすぎる必要はないでしょう。胃腸の調子が悪いときは、組み合わせよりも油っこい料理を食べる量に気を配ることが大切です。

カニと柿

カニと柿も、古くから相性が悪いとされてきた食べ合わせです。

中国の薬物学書『本草綱目』には、カニと柿の食べ合わせに関する記述があると紹介されています。伝統的な食養生では、どちらも胃腸を冷やすとされ、一緒に食べると消化不良につながるという説明があります。

ただし、これは伝統的な食養生の考え方です。カニと柿を一緒に食べること自体が、消化不良や食中毒を起こすという確かな医学的根拠は確認されていません。

実際に注意したいのは、カニの保存や調理の状態です。また、甲殻類アレルギーがある人は、柿と一緒かどうかに関係なく、原因となるカニを避ける必要があります。

もし食後に体調を崩したとしても、カニと柿の組み合わせだけを原因と決めつけず、食品の状態やアレルギーなどにも目を向けましょう。

きゅうりとトマト

トマトときゅうり

サラダの定番ともいえるきゅうりとトマトですが、「一緒に食べるとトマトのビタミンCが壊れて、栄養が減ってしまう」といわれることがあります。

この説に関係しているのが、きゅうりに含まれる酵素です。きゅうりには、還元型ビタミンCを酸化する働きを持つ酵素が含まれています。

ただし、ここでいう「酸化」は、ビタミンCがすべてなくなるという意味ではありません。ビタミンCには還元型と酸化型があり、文部科学省の食品成分データベースでも、両方を合計して成分値を示しています。

また、酵素の働きがあるからといって、通常のサラダでどの程度の栄養上の影響が生じるかまで分かるわけではありません。

きゅうりとトマトを一緒に食べるだけで栄養がなくなるわけではなく、組み合わせを避ける必要はないでしょう。

ちなみに、にんじんと大根も、ビタミンCへの影響を理由に食べ合わせが悪いと紹介されることがあります。しかし、こちらも酵素の働きだけを理由に、健康に悪いと判断することはできません。

鉄分を含む食事とお茶・コーヒー

ここまで紹介した言い伝えとは違い、実際に栄養の吸収へ影響することが研究で確認されている組み合わせもあります。その一つが、鉄分を含む食事とお茶・コーヒーです。

鉄分には、肉や魚などに含まれるヘム鉄と、植物性食品などに含まれる非ヘム鉄があります。お茶やコーヒーに含まれるポリフェノールには、非ヘム鉄の吸収を抑える働きがあることが、ヒトを対象とした研究で確認されています。

たとえば、お茶を食事と同時に飲んだ場合と、食後に時間を空けて飲んだ場合を比較した研究では、同時に飲んだときの方が非ヘム鉄の吸収が低くなりました。コーヒーにも、食事からの非ヘム鉄の吸収を抑える作用が報告されています。

ただし、鉄分の吸収が抑えられることと、食事中にお茶やコーヒーを飲むと必ず貧血になることは別です。影響は食事内容や飲み物の種類などによって異なります。

鉄不足や貧血が気になり、鉄分の吸収を意識したい場合は、食事中のお茶やコーヒーを水などに替える方法があります。

お茶については、食後に時間を空けると非ヘム鉄の吸収への影響が小さくなった研究もあります。ただし、コーヒーでも同じようになるとは限りません。

お茶やコーヒーを一律に避けるのではなく、必要に応じて食事中の飲み物を工夫するとよいでしょう。

食後の腹痛や嘔吐は食べ合わせが原因?

食後にお腹が痛くなったり、吐き気がしたりすると、食べ合わせが悪かったのではないかと考えることがあります。しかし、食べ合わせだけで原因を決めることはできません。

食中毒や食品アレルギーなどが関係している場合もあります。食中毒では腹痛、下痢、発熱、嘔吐などが起こり、原因によって症状が出るまでの時間も異なります。

特に、生ものや保存状態に不安のある食品を食べた場合は、食品そのものの安全性にも注意が必要です。

下痢や嘔吐があるときは脱水に注意し、飲める場合は少しずつ水分を補給しましょう。食中毒が疑われる場合は、市販の下痢止めなどを自己判断で服用せず、医療機関へ相談してください。

症状が続く、水分を十分に取れない、血便が出る場合などは早めに受診しましょう。突然の激しい腹痛や呼吸困難がある場合は、ためらわず119番に連絡してください。乳幼児や高齢者、妊娠中の人、持病のある人なども、早めの受診を考えることが大切です。

体調を崩したときは食べ合わせと決めつけず、症状の強さや経過を優先して判断しましょう。

食べ合わせが悪いと聞いたら、理由を確かめよう

食卓を囲んで食事する家族

「この2つは一緒に食べてはいけない」と聞いたら、まずはなぜ悪いといわれているのかを確かめてみましょう。

今回紹介したように、昔からの言い伝えもあれば、栄養の吸収に影響する組み合わせもあります。気になる食べ合わせがあったときは、次の3つを意識すると判断しやすくなります。

  • 昔からの言い伝えなら、避ける根拠があるか確かめる。
  • 栄養の話なら、何に、どんな条件で影響するかを見る。
  • 不調が心配なら、体調や食べた量、食品の保存状態も確認する。

たとえば、うなぎと梅干しなら、言い伝えを理由に食べるのを避ける必要はないと考えられます。一方、鉄分の吸収を意識しているなら、食事中のお茶やコーヒーを水などに替えるという選択ができます。

食べ合わせの話には、昔から伝わる言い伝えと、現在の研究で分かっていることが混ざっています。

食べ合わせが悪いと聞いても、すぐに避けるのではなく、その理由を知ってから食べ方を考えましょう。

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