目次
お守りにやってはいけないこと6つ

お守りで避けたいのは、袋をむやみに開けること、投げたり踏みつけたりすること、床などに放置すること、水洗いすること、無造作に捨てること、転売することの6つです。
お守りは神社やお寺で授かる大切なものです。故意に粗末に扱わず、汚れや傷みを防ぎながら大切に持つことが基本となります。
ただし、6つすべてが全国共通の絶対的な禁止事項というわけではありません。神社やお寺によって扱い方の考え方が異なるものもあるため、それぞれの理由や注意点を確認しましょう。
① お守りの袋をむやみに開ける
お守りの袋は、中身が気になっても興味本位で開けない方がよいでしょう。袋の中には、神仏に関わるお札や護符などが納められている場合があり、大切に扱うことが求められます。
福島稲荷神社では、お守りの中身は見ない方がよいと案内しています。神聖なものへむやみに触れないという考え方に基づくものです。
一方、金剛宝寺では、袋を開けること自体は基本的に問題ないという見解も示されています。ただし、取り出すときに護符を傷める可能性があるため、興味本位での開封は勧めていません。
このように開封については授与元によって考え方が異なります。特別な指示がなければ、むやみに開けず、そのまま大切に持つのが無難です。
すでに開けてしまった場合も、開封しただけで必ずご利益がなくなるとはいえません。無理に中身を触ったり、袋を縫い直したりせず、傷みがある場合や扱いに迷う場合は授かった神社やお寺へ相談しましょう。
② お守りを投げたり踏みつけたりする
お守りを投げる、足で踏みつける、乱暴に引っ張って壊すといった行動は避けましょう。
お守りは、願いや祈りを込めて授かるものです。故意に乱暴に扱うことは、その信仰上の意味を軽んじる行為になりかねません。また、強い力が加われば、袋が破れたり、紐が切れたり、中に納められたものが傷んだりする可能性もあります。
例えば、バッグから取り出す際に放り投げたり、邪魔だからと足で押しのけたりするのは控えたい扱い方です。置き場所を変えるときも、手に取って移動させるようにしましょう。
うっかり落としたり踏んだりした場合の対処は、次の章で説明します。
③ お守りを床や汚れやすい場所に放置する
お守りを床や地面に置きっぱなしにしたり、汚れやすい場所へ無造作に放置したりすることも避けたい行動です。
例えば、玄関の靴のそばに置いたままにする、バッグの底へ押し込んで鍵や硬い荷物とぶつかる状態にする、といった扱いは見直しましょう。
三島神社の神職による解説でも、故意に床へ置くことや、バッグの中へ雑に押し込むことを避けたい扱いとして挙げています。汚れや摩擦によって、お守り袋が傷むことも理由の一つです。
バッグに入れるなら内ポケットを利用するなど、ほかの荷物に押しつぶされにくい場所を選ぶとよいでしょう。
ただし、暗い場所に保管すること自体が悪いわけではありません。「引き出しにしまうと神様を閉じ込める」「暗い場所ではご利益がなくなる」といった説明を、一律の決まりとして考える必要はありません。
大切なのは、明るさだけではなく、汚れや破損を避けられる場所で丁寧に保管することです。
④ お守りを水洗いする
お守りが汚れたからといって、衣類のように水で洗うことは避けた方がよいでしょう。
お守りには布の袋だけでなく、紙のお札や木札などが使われているものもあります。水に濡らすと、中身が傷んだり、袋の色が落ちたり、形が崩れたりする可能性があります。
三島神社では、お守りが汚れた場合は乾いた柔らかい布で優しく拭き、水洗いは避けるよう案内しています。
表面に埃が付いた程度なら、まずは乾いた柔らかい布などで軽く取り除くとよいでしょう。汚れが落ちない場合も、洗剤を付けてこすったり、中身を取り出して洗ったりすることは控えてください。
うっかり雨に濡れたり洗濯したりした場合の対処は、次の章で説明します。
⑤ 古いお守りを無造作に捨てる
古くなったお守りや願い事が一区切りしたお守りを、不要なものとして無造作に捨てることは避けましょう。
お守りは、授かった神社やお寺へ感謝の気持ちを込めて返納する方法が案内されています。古いお守りをお焚き上げなどで納めてもらえる場合もあります。
授かった場所が遠いなど、直接返納できない場合もあります。その場合は、郵送で返納できるか授与元に相談したり、近くの寺社が受け付けているか確認したりしましょう。
家庭での処分を考える場合も、自己判断でごみに混ぜず、授与元の案内を確認し、お守りを粗末にしない方法で手放すことが大切です。
庭などで自分で燃やすことも避けましょう。廃棄物の野外焼却は、一部の例外を除いて法律で原則禁止されています。返納先や処分方法に迷った場合は、授かった神社やお寺へ確認してください。
⑥ お守りを転売する
神社やお寺で授かったお守りを、フリマアプリやオークションサイトなどで転売することは避けましょう。
お守りは一般的な商品とは異なり、信仰や祈りに関わる授与品です。晴明神社は授与品の転売を禁止しており、善光寺もお守りなどの転売を控えるよう呼びかけています。
特に、人気のあるお守りや限定の授与品を営利目的で入手し、高値で売るような行為は、本来の授与の趣旨から外れてしまいます。
ただし、お守りの転売と、家族や友人へ贈ることは別です。
大神神社では、お守りを人に贈ってもよいと公式に案内しています。受験や健康、安全などを願い、大切な人へお守りを贈ることまで禁止されているわけではありません。
「人に渡すとご利益がなくなる」と一律に考える必要はなく、贈答と営利目的の転売を区別することが大切です。
お守りを落とした・踏んだ・濡らしたときの対処法

お守りをうっかり落としたり、洗濯してしまったりしても、故意に粗末に扱った場合と同じように考える必要はありません。
まずはお守りの状態を確認しましょう。特別な儀式を自分で行おうとするより、汚れや破損の程度に応じて、持ち続けるか返納するかを判断することが大切です。
床に落とした・踏んでしまった場合
お守りを床に落としたときは、気づいた時点で拾い上げ、表面に付いた埃を優しく払いましょう。
三島神社でも、うっかり落とした場合は拾い上げて軽く埃を払うよう案内しています。落としたという出来事だけで、すぐに返納が必要になるわけではありません。
誤って踏んでしまった場合は、袋が破れていないか、紐が切れていないか、中身が大きく変形していないかなどを確認してください。
目立った損傷がなければ、汚れを取り除いて大切に持ち続ける方法が考えられます。破れや大きな傷みがある場合は、授与元に返納や交換について相談するとよいでしょう。
また、「落としたのは災難の身代わりになってくれたから」と説明されることもありますが、落下の理由を必ずそのように判断できるわけではありません。
落としてしまったことを、悪い出来事の前触れと決めつける必要もありません。
洗濯して濡らしてしまった場合
衣服のポケットにお守りを入れたまま洗濯してしまった場合は、まず取り出し、濡れ方や損傷の程度を確認しましょう。
袋が濡れているだけで、外から見て目立った破損がなければ、無理にこすったり開けたりせず、水分をそっと取り除いて十分に乾かしましょう。
法徳寺では、水に濡れただけのお守りについて、きちんと乾かせば再び持ち歩いても問題ないと説明しています。一方、紙札などが崩れてしまった場合には、返納して新しいお守りを受けるよう案内しています。
判断の目安は、濡れただけで傷みがなければ乾かして持ち続ける、破損が大きければ返納・交換を相談することです。中身を確かめるために無理に開封する必要はありません。
傷んだ部分を無理に修復しようとせず、授与元の案内を確認しましょう。洗濯してしまったことだけを理由に、ご利益が必ずなくなると考える必要はありません。
トイレに落としてしまった場合
お守りをトイレの便器内に落とした場合は、ただ濡れた場合とは分けて考えましょう。汚れや臭いが残り、衛生的に持ち続けられないなら、無理に使わず返納・交換を相談するのが目安です。
安全に取り出せる状態なら、衛生面に注意して回収し、ほかの持ち物とは分けて扱いましょう。汚れや水分が付いても、無理に袋を開けたり洗剤で洗ったりすることは控えてください。
見た目に大きな傷みがなくても、汚れや臭いが残る場合は、乾かすだけで使い続けようとせず、返納・交換の方法を授与元に確認してください。
お守りを清めるための全国共通の特別な儀式は確認できていません。自分で無理に洗浄・修復するより、状態を伝えて相談する方が確実です。
返納したいときは、汚れたお守りを持ち込む前に、授かった神社やお寺へ事情を伝えて受け付け方法を確認してください。返納先の負担にならない方法を選ぶことも大切です。
お守りを大切に持ち歩く・保管する方法

お守りを大切に扱うためには、日常生活で無理なく持ち続けられる場所を選ぶことも重要です。
神社本庁では、お守りを身につけて持つものとして説明しています。ただし、具体的な持ち場所については神社やお守りの種類によって案内が異なります。
バッグやリュックなどで持ち歩く場合
お守りをバッグやリュックに入れるなら、内ポケットや小さなポーチなど、ほかの荷物に押しつぶされにくい場所を選ぶとよいでしょう。
鍵や硬い小物と直接ぶつかる場所を避けると、お守り袋の擦れや傷みを防ぎやすくなります。
財布に入れる場合も、小銭と混ざって汚れやすい場所より、お札入れや別のポケットの方が扱いやすいでしょう。お尻のポケットに入れる財布では、座ったときにお守りへ圧力がかかることもあります。
スマートフォンやバッグの外側へ取り付ける場合は、紐や金具が引っ張られたり、何かに引っかかったりしないか確認しましょう。取り付けに向かない形のお守りを無理に結びつける必要はありません。
神社本庁は、複数のお守りを持っても神様同士がけんかする心配はないと案内しています。数より、それぞれを丁寧に持てる場所を選びましょう。
自宅で保管する場合
お守りを毎日持ち歩けない場合は、自宅で大切に保管する方法もあります。
例えば、バッグを替えるときに一時的に置く、傷みやすいお守りを自宅に保管するといった場合です。
保管場所は、埃や水分が付きにくく、ほかの物の下敷きにならないところを選びましょう。棚や引き出しなども、お守りが傷みにくい状態で保管できれば選択肢になります。
ただし、神棚での保管や高い場所へ置くことを勧める神社もあります。特に授与元から置き場所について案内されている場合は、その方法を優先してください。
なお、お守りとお神札では扱い方が異なります。お神札を目線より高い位置へお祀りするという説明を、すべてのお守りにそのまま当てはめる必要はありません。
「持ち歩かないとご利益がなくなる」と不安になるよりも、まずは大切に保管できる場所を選びましょう。
古いお守りを返納する時期と方法

古いお守りは、授かった神社やお寺へ感謝の気持ちを込めて返納するのが基本です。ただし、返納する時期や、ほかの寺社で受け付けてもらえるかどうかには違いがあります。
返納は1年を目安に考える
お守りの返納時期に迷った場合は、1年を一つの目安にするとよいでしょう。
神社本庁では、お守りを1年ごとに新しく受けることがよいと案内しています。年末年始などの節目に、古いお守りを納めて新しいものを授かる方法です。
ただし、1年が経過したら必ずご利益がなくなる、という意味ではありません。
神社本庁は、願いが叶うまで身につけていても差し支えないとも説明しています。
例えば、合格祈願のお守りなら受験が終わったとき、安産祈願のお守りなら出産後など、願い事が一区切りした時期に返納を考える方法もあります。
1年以上持っていることだけを理由に、慌てて手放す必要はありません。授与元に特別な案内がある場合は、それに従いましょう。
授かった神社・お寺へ返納する
お守りを返納するときは、まず授かった神社やお寺に返す方法を考えましょう。
神社では古神札納所などを設けている場合があり、古いお守りを納められます。お寺でも、お守りの返納を受け付けているところがあります。
授かった場所が遠く、直接行くのが難しい場合は、郵送による返納を受け付けているか確認する方法もあります。神社本庁も、授与元へ送ることや近隣の神社に相談することを選択肢として案内しています。
ただし、すべての神社やお寺が、ほかの寺社のお守りを受け付けるわけではありません。例えば、根津神社では寺院の授与品を受け付けないと案内しています。
返納先を選ぶときは、次の点を確認しましょう。
- 自分のお守りを受け付けてもらえるか
- 返納できる場所や受付方法はどこか
- 郵送で返納できるか
- 破損やひどい汚れがある場合、どのように納めればよいか
古札納所へ持ち込む場合も、受付対象ではない物を勝手に入れないよう注意してください。お守りの種類や授与元が分からない場合は、返納を希望する神社やお寺に相談するとよいでしょう。
迷ったときはお守りの状態と授与元の案内で判断する

お守りの扱いで迷ったときは、すべての言い伝えを禁止事項と考えるのではなく、お守りの状態と授与元の案内を確認しましょう。
汚れや破損がなく、大切に持ち続けられる状態なら、そのまま持つという選択があります。濡れたり傷んだりした場合は、状態に応じて乾かす、返納する、授与元に相談するといった対応を考えます。
また、開封や保管、返納の方法について独自の案内を設けている神社やお寺もあるため、迷った場合は授かった場所へ確認するのが確実です。
「何をしてしまったか」だけでなく、「今どのような状態か」「授与元ではどう案内しているか」を基準に判断しましょう。
お守りを大切にすることは、細かな決まりを気にして不安になることとは違います。無理なく丁寧に扱い、願い事が一区切りしたときには感謝の気持ちを込めて返納する。その基本を意識すれば、自分に合った持ち方や扱い方を選びやすくなります。










