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督促状を無視し続けると起こり得る6つの影響

督促状を無視し続けると、延滞金や遅延損害金によって支払額が増えたり、裁判所を通じた手続きに進んだりすることがあります。
さらに放置を続けた結果、預貯金や給与などの財産が差し押さえられる場合もあります。
督促状を無視しても、正当な支払義務が自動的になくなるわけではありません。ただし、実際に起こることは請求元や契約内容によって異なり、以下の6つが必ず順番に発生するものではありません。
なお、裁判所から「支払督促」や「訴状」などの書類が届いている場合は、通常の督促状とは異なり、対応期限を優先して確認する必要があります。
支払督促には原則として受領後2週間以内の異議申立期間があるため、書類を放置せず、後述の「裁判所からの支払督促・訴状」も確認してください。
1. 支払いを求める督促・催告が続く
督促状を無視すると、支払いを求める通知が再び届いたり、電話などで連絡が入ったりすることがあります。最初の通知に対応しなかった場合、改めて支払期限を示した催告書などが届くケースもあります。
通知を繰り返しても支払いが確認できなければ、請求元が次の回収手続きを検討する場合があります。
ただし、何回督促状を送るかは請求元や制度によって異なります。「3回までは無視しても大丈夫」といった共通の基準はなく、通知の回数だけで今後の手続きを判断することはできません。
督促状に新しい支払期限や法的手続きに関する記載がある場合は、以前の通知との違いを確認する必要があります。
2. 延滞金・遅延損害金で支払額が増える
支払いが遅れると、本来支払うべき金額に加え、延滞金や遅延損害金などが発生することがあります。
例えば、クレジットカードや借金では契約条件に応じて遅延損害金が発生します。税金の場合も、納期限の翌日から納付日までの日数などに応じて延滞税や延滞金がかかることがあります。
これらの負担は、督促状が届いた枚数によって増えるものではありません。支払いが遅れている期間や、契約・制度で定められた計算方法などによって金額が決まります。
そのため、未払いを長期間放置すると、当初の請求額よりも支払総額が大きくなる可能性があります。すでに支払期限を過ぎている場合は、通知に記載された金額が現在も有効か、請求元に確認しましょう。
3. 信用情報に延滞が登録されることがある
クレジットカードやローンなどの支払いを滞納すると、信用情報機関に支払状況が登録される場合があります。長期間の延滞は、今後のクレジットカードやローンの審査に影響する可能性があります。
例えば、信用情報機関のCICでは、約定返済日から61日以上または3か月以上の延滞を、異動情報の基準として示しています。
ただし、情報が登録されたからといって、すべてのローン審査に必ず通らなくなると決まっているわけではありません。審査は各金融機関やカード会社などが判断します。
また、信用情報への影響は、すべての督促状に共通するものではありません。税金や公共料金などを直接納付している場合、その滞納情報がそのまま信用情報機関へ登録されるわけではありません。
一方、公共料金などをクレジットカード払いにしていて、カードの利用代金を滞納した場合には、その延滞情報が登録されることがあります。
何の支払いが滞っているかだけでなく、支払方法にも注意が必要です。
4. 分割払いの残額を一括請求されることがある
借金やクレジットカードの分割払いなどでは、支払いを滞納し続けると、残っている金額を一括で支払うよう求められる場合があります。
通常、分割払いの契約では、決められた期日ごとに支払うことが認められています。しかし、契約に定められた条件に該当すると、この分割して支払える権利(期限の利益)を失うことがあります。
例えば、クレジットカード会社の会員規約には、分割払いなどの支払いが遅れ、一定期間を定めた催告を受けても支払わなかった場合に、残額の一括払いが必要になる規定があります。具体的な条件は契約によって異なります。
毎月の返済額なら対応できても、残額を一度に請求されると支払いが難しくなることがあります。
ただし、一括請求されたからといって、自己破産以外の選択肢がなくなるわけではありません。返済が難しい場合は、請求元への相談や、任意整理・個人再生などを含む債務整理の方法について専門家へ相談することもできます。
5. 裁判所を通じた請求や訴訟に進むことがある
督促状を無視し続けても支払いが行われない場合、請求元が裁判所を通じた手続きを取ることがあります。
代表的なものには、裁判所の「支払督促」と「訴訟」があります。
- 支払督促…債権者の申立てに基づき、簡易裁判所の裁判所書記官が支払いを求める手続き
- 訴訟…裁判所が当事者の主張や証拠などを踏まえて、支払義務の有無などを判断する手続き
これらの手続きが進むと、結果によっては請求元が強制執行を申し立てられる状態になることがあります。
裁判所からの書類が届いた場合は、通常の督促状とは区別して、期限内に対応する必要があります。具体的な手続きと注意点は、後述の「裁判所からの支払督促・訴状」で説明します。
6. 預貯金や給与などが差し押さえられることがある
未払いが解消されず、法的に必要な条件が満たされると、財産が差し押さえられる場合があります。
差し押さえの対象には、預貯金や給与、不動産などがあります。ただし、財産の種類によって差し押さえの範囲や制限は異なり、必ずすべての財産を失うわけではありません。
借金などの民間債務では、判決や仮執行宣言付支払督促など、強制執行の根拠となるものを得たうえで、所定の手続きを進めるのが基本です。
一方、税金や国民年金保険料などには、法令に基づく別の徴収手続きがあります。民間債務と同じように、必ず通常の民事訴訟を経てから差し押さえられるとは限りません。
差し押さえが実施されると、生活費として使う予定だった預貯金や給与などにも影響する可能性があります。
ただし、督促状が届いた時点で直ちに財産が差し押さえられるわけではありません。請求元や書類の種類、すでに進んでいる手続きによって状況が異なります。
督促状の差出人や書類の種類で手続きは異なる

同じ「督促状」という言葉が使われていても、借金やクレジットカードの未払いと、税金・保険料などの未納では、支払いを求める手続きが異なります。
特に、差し押さえまでの進み方や、家族に支払義務が生じる条件は一律ではありません。自分に届いた通知がどの種類に該当するかを確認しましょう。
借金・クレジットカードなどの督促
クレジットカード会社や消費者金融、金融機関などからの督促では、契約に基づく返済義務や遅延損害金が問題になります。
未払いが続くと、弁護士事務所や債権回収会社などから請求の連絡が届いたり、裁判所を通じた回収手続きが取られたりする場合があります。
弁護士事務所や債権回収会社から通知が届いた場合も、それだけで財産の差し押さえが決まったわけではありません。ただし、請求の状況が変わっている可能性があるため、差出人や請求内容を確認する必要があります。
また、本人の借金について、家族が当然に支払義務を負うわけではありません。家族が連帯保証人になっているなど、法律上の支払義務がある場合は別ですが、単に同居しているという理由だけで家族全員が返済を求められるものではありません。
税金・国民健康保険料・国民年金の督促
税金や国民健康保険料、国民年金保険料などは、民間の借金とは異なり、法律に基づく徴収手続きが設けられています。
例えば、国税では、原則として督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納されない場合、財産を差し押さえることができると定められています。ただし、10日経過後に必ず差し押さえが実施されるという意味ではありません。
国民健康保険料についても、滞納が続くと財産の差し押さえなどの措置が取られる場合があります。また、一定の条件に該当すると、医療機関の窓口で医療費をいったん全額負担する取り扱いになることもあります。
国民年金では、国民年金第1号被保険者の世帯主や配偶者にも連帯納付義務があります。本人の未納が続く場合、こうした連帯納付義務者にも督促や財産の差し押さえが及ぶことがあります。
このように、公的な支払いでは制度ごとに条件が異なります。税金や保険料の督促状が届いた場合は、発行元の行政機関などが案内する期限や手続きを確認する必要があります。
裁判所からの支払督促・訴状
裁判所から届く「支払督促」や「訴状」は、一般的な支払いの催促とは異なります。書類の種類によって対応方法が変わるため、まず表題と期限を確認してください。
支払督促を受け取った場合は、原則として受領後2週間以内に督促異議を申し立てることができます。適法な異議を申し立てると、通常の訴訟手続きへ移ります。
この期間に異議の申立てがなければ、債権者は仮執行宣言を申し立てることができます。裁判所が仮執行宣言を付し、仮執行宣言付支払督促が送達されると、債権者は強制執行を申し立てられるようになります。
仮執行宣言付支払督促を受け取った場合にも、受領後2週間以内に督促異議を申し立てることができます。ただし、仮執行宣言付支払督促に異議を申し立てるだけでは、強制執行は自動的に停止しません。停止には別途の手続きが必要です。
また、訴状が届いた場合は、指定された裁判期日や答弁書の提出期限などを確認する必要があります。何も対応しないと、自分の言い分を十分に伝えられないまま判決が出るおそれがあります。
注意したいのは、裁判所から正式に届いた書類であっても、請求内容が正しいと確定しているわけではないことです。
支払督促は、原則として相手方の言い分を聞かずに発せられるため、心当たりのない請求についても対応が必要になります。
裁判所を名乗る不審な通知が届いた場合は、書面に記載された連絡先をそのまま信用せず、裁判所の公式情報で連絡先を調べて確認しましょう。
正式な書類と確認できた場合は、期限を優先して対応することが重要です。
督促状が届いたら差出人・請求内容・期限を確認する

督促状が届いたときは、まず差出人、請求されている金額、支払期限、今後の手続きについて書かれている内容を確認しましょう。
確認したいポイントは次のとおりです。
- 差出人は金融機関・事業者・行政機関・裁判所のどこか
- 何の支払いが未納になっているのか
- 請求額や支払期限に間違いがないか
- 支払いが難しい場合の相談先が案内されているか
- 裁判所からの書類であれば、異議申立てや答弁書などの期限がいつか
請求内容に問題がなく、支払いが可能な場合は、通知の案内を確認して対応します。支払期限が過ぎていたり、納付書が使えなくなっていたりする場合は、請求元に支払い方法を確認しましょう。
すでに支払ったはずなのに督促状が届いた場合は、振込履歴や領収書などを確認し、請求元に支払いが反映されているか問い合わせます。
一方、支払いたくてもお金が足りない場合は、放置せず、請求元に事情を伝えて相談することが重要です。税金には納税の猶予制度があり、国民年金にも所得や失業などの条件に応じた免除・納付猶予制度があります。
借金の返済が難しい場合には、法テラスや弁護士などへ債務整理について相談する方法もあります。
また、請求に心当たりがない場合は、相手の指示どおりにすぐ支払うのではなく、請求内容と差出人の正当性を確認してください。不審な連絡先へ安易に個人情報を伝えることも避けましょう。
ただし、裁判所から正式な書類が届いている場合は、身に覚えがないことを理由に無視せず、決められた期限内に必要な対応を取ることが大切です。対応が分からない場合は、書類を送った裁判所や法律の専門家に確認しましょう。
督促状が届いたら、まず書類の種類と期限を確認し、自分の状況に合った対応を選びましょう。
支払いが難しい場合も、何もせず放置するのではなく、相談できる窓口や利用できる制度を確認することが、問題を深刻化させないための第一歩になります。










