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お墓を管理する人がいなくなったらどうなる?

お墓を管理する人がいなくなっただけで、すぐに墓石が撤去されたり遺骨が移されたりするわけではありません。
墓地にはそれぞれ使用規則や契約上の扱いがあり、無縁となったお墓から遺骨を移す場合にも所定の手続きがあります。
一方、無縁となった墓から遺骨を改葬する場合は、1年間の公告・掲示などの手続きを経て改葬許可を受け、遺骨は現在の墓所から別の墓や納骨堂へ移されます。
墓石については、遺骨の改葬とは別に、墓地を使用する権利や墓石の権利関係を踏まえて扱われます。
つまり、「跡継ぎがいないからすぐ撤去される」というものでも、「誰も管理しなくてもそのまま残り続ける」と決まっているものでもありません。
どの段階で墓地の使用権に影響するか、遺骨がどこへ移されるか、墓石がどう扱われるかは、現在利用している墓地の規則も確認する必要があります。
跡継ぎがいないだけですぐ無縁墓になるわけではない
将来お墓を継ぐ人が決まっていない状態と、すでに無縁のお墓として扱われる状態は同じではありません。
今のお墓について使用者との連絡が取れており、管理料など墓地の使用条件が守られているのであれば、「次の跡継ぎが決まっていない」という理由だけで直ちに無縁墓になるとは限りません。
一方で、使用者と連絡が取れなくなったり、墓地の使用規則に定められた条件を満たせなくなったりすると、墓地側で今後の扱いを進めることがあります。
どの段階で使用権に影響するかは墓地ごとに異なるため、管理料の未払いから全国一律で何年後に撤去される、といった説明はできません。
無縁墓を改葬する場合、遺骨は手続きを経て別の墓や納骨堂へ移される
お墓に納められた遺骨を別の墓や納骨堂へ移すことを「改葬」といいます。死亡した人の縁故者がいない無縁墳墓等を改葬する場合にも、市町村長の許可が必要です。
無縁墳墓等の改葬許可を申請する際には、墓地使用者や、死亡した人の親族などの縁故者、墓に関する権利を持つ人に対して申し出を求めます。
官報へ掲載するとともに、墓の見やすい場所に立札を1年間掲示し、その期間中に申し出がなかったことを示す必要があります。
この「1年間」は、「管理する人がいなくなってから1年でお墓が撤去される」という意味ではありません。無縁となった墓の遺骨を改葬する際に、関係者からの申し出を待つための期間です。
この手続きを経て改葬する場合、遺骨は現在の墓所から別の墓や納骨堂へ移されます。ただし、具体的にどこへ移されるか、共同で納められるのかなどは墓地ごとに異なります。
墓石の撤去は遺骨を移す手続きとは別に確認が必要
遺骨を別の場所へ移すことと、墓石を撤去して墓所を整理することは同じ手続きではありません。
無縁墓から遺骨を改葬する手続きだけで、墓石の所有権などまで処理されるわけではありません。墓石等を扱う場合は、使用許可の取消しや契約の解除などによって墓地を使用する権利が適法に終了しているか、墓石をどのように扱えるかを別に確認する必要があります。
そのため、実際のお墓の行方は「1年たったら遺骨を合祀し、墓石を撤去して更地にする」という一律の流れではありません。遺骨の改葬先と墓石の扱いを分けて確認することが大切です。
跡継ぎがいないときに墓地へ確認すること

将来お墓を管理する人がいないと分かったら、無縁になるまで待つのではなく、現在利用している墓地へ確認しておくと、今のお墓を残せるのか、墓じまいを考える必要があるのか判断しやすくなります。
誰がこのお墓を継げるのか
まず確認したいのは、現在のお墓を誰が使用していて、次に誰が承継できるのかです。
「子どもがいないから誰も継げない」と自分だけで判断せず、その墓地の使用規則に承継の条件がどのように定められているか確認しましょう。承継できる人がいるのであれば、現在のお墓を残せる可能性があります。
墓地へ問い合わせる際は、現在の名義だけでなく、承継に必要な手続きや書類についても一緒に確認しておくと、その後の判断がしやすくなります。
管理料と使用規則はどうなっているのか
次に、年間管理料などの支払い状況と墓地の使用規則を確認します。
墓地によっては、管理料を滞納した場合や使用者と連絡が取れなくなった場合などについて、契約や規則に定めがあります。
全国一律の年数で判断できるものではないため、インターネット上の一般的な目安だけで自分のお墓の行方を決めつけないようにしましょう。
確認する内容は、次のように整理できます。
- 現在の墓地使用者は誰か
- 次に承継できる人にはどのような条件があるか
- 管理料はいくらで、支払いが続かなかった場合はどうなるか
- 使用者と連絡が取れなくなった場合はどのように扱われるか
「自分のお墓が実際にどうなるか」は、一般論だけでなく現在の墓地の使用規則を確認して初めて判断できます。
誰も継がない場合、遺骨と墓石はどうなるのか
承継できる人が見つからない場合は、そのまま管理する人がいなくなったときの扱いも確認しておきます。
特に、次の3点は墓地の管理事務所・窓口へ確認しておきましょう。
- 無縁となった場合、遺骨はどこへ改葬されるのか
- 他の遺骨と一緒に納める場合、後から遺骨を返してもらえるのか
- 墓石の撤去が必要になる場合、手続きや費用負担はどうなるのか
共同で埋蔵された後は遺骨を返還しない施設もあります。将来になってから選択を変えられないこともあるため、現在の墓地で最終的にどのような扱いになるのかを確認しておくことが重要です。
今のお墓を残すか、墓じまいするかを考える

墓地の規則や承継条件を確認したら、次は今のお墓を残せるのか、それとも自分の代で墓じまいするのかを考えます。
跡継ぎがいないからといって、最初から墓じまいだけが答えになるわけではありません。
引き継げる人がいるなら承継できるか確認する
墓地の条件を満たして承継できる人がいるのであれば、今のお墓を残す方法を検討できます。
実際に引き継ぐ可能性がある人とは、名義だけでなく、その後の管理料の支払いや墓地で必要になる手続きまで続けられるかを確認しておきましょう。
今のお墓を残す場合でも、その先に誰が管理するのかまで話し合っておきましょう。現在の承継だけ決めても、その先の管理方法が決まっていなければ、将来また同じ問題を考えることになります。
引き継ぎが難しければ墓じまいを検討する
承継できる人がいない、または今後もお墓を維持していくことが難しい場合は、墓じまいが選択肢になります。
墓じまいは墓石を撤去するだけではなく、現在のお墓にある遺骨の受け入れ先を決め、必要な改葬手続きを行い、墓石を撤去して墓所を返還する流れで考えます。先に撤去だけを進めず、改葬先と必要な手続きを確認しましょう。
墓石撤去や改葬先にかかる費用は条件によって変わるため、全国共通の相場があると考えず、現在の墓地と改葬先で個別に確認します。
改葬先は将来の管理条件まで確認して選ぶ
墓じまい後の遺骨の受け入れ先には、永代供養墓、納骨堂、樹木葬などさまざまな選択肢があります。ただし、名称だけを見て「これなら跡継ぎがいなくても大丈夫」と判断するのは避けたいところです。
同じ名称の施設でも、契約内容によって管理方法や費用、遺骨の扱いが異なることがあります。候補を比較するときは、次の点を確認しましょう。
- 将来、承継する人が必要か
- 契約後も管理料などの支払いが続くか
- 遺骨を個別に納めてもらえる期間はいつまでか
- 個別の期間が終わった後、遺骨はどのように納められるか
- 合葬された後に遺骨を取り出せるか
- 契約時の費用以外に、今後どのような費用がかかるか
最初の一手は、現在の墓地の管理事務所・窓口に、承継できる人の条件、管理料と使用規則、誰も継がない場合の遺骨と墓石の扱いを確認することです。その結果、今のお墓を残せるなら承継を検討し、難しければ墓じまいと改葬先を考えます。
改葬先を選ぶ場合も、自分が管理できなくなった後までどのように扱われるのかを確認して決めましょう。










