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サンマが秋に旬を迎える理由

サンマが秋に旬といわれるのは、春から夏に脂を蓄えたサンマが、秋に南下する時期と漁期が重なるためです。
秋になると突然脂がのるわけではありません。私たちが秋に味わうサンマのおいしさは、それより前の春から夏にかけての成長と大きく関係しています。
春から夏に北の海で餌を食べて脂を蓄える
サンマは春から夏にかけて北へ回遊し、5~8月ごろには北方の海域で動物プランクトンなどを食べながら成長します。
この北上する時期は、サンマが体に脂肪を蓄える時期でもあります。つまり、秋のサンマの脂は秋になって急に増えるのではなく、春から夏に餌を食べて成長する過程で蓄えられていきます。
また、2012~2017年に北日本近海で漁獲された大型の1歳魚を調べた研究では、9~12月の漁期中、漁獲時期が遅いほど可食部の粗脂肪量が少ない関係が確認されています。
少なくともこの研究では、秋の漁期中でもサンマの脂肪量は一定ではないことが分かります。
秋に南下する時期とサンマ漁の時期が重なる
北の海で成長したサンマは、8月中旬以降、南へ向かって回遊を始めます。この時期が日本の主なサンマ漁の時期と重なり、脂を蓄えた魚が市場やスーパーへ出回るようになります。
「春夏に餌を食べて脂を蓄える」「秋に南下する」「その時期に漁獲される」というサンマの季節的な動きが、「秋の味覚」と呼ばれる理由につながっています。
サンマは北太平洋を旅する寿命約2年の魚

秋の旬をより深く理解するには、サンマがどのような一生を送る魚なのかを知るとイメージしやすくなります。
日本では身近な魚ですが、その行動範囲は日本沿岸だけに限られません。広い海を回遊しながら成長する一方で、一匹の寿命はそれほど長くありません。
日本近海だけでなく北太平洋を広く回遊する
サンマは日本周辺だけに生息している魚ではなく、北太平洋の亜熱帯から亜寒帯まで広い海域に分布し、北米沿岸にも生息しています。
南北方向の季節回遊だけでなく、東西にも大きく移動することが知られています。秋に日本周辺へ来遊する魚がいる一方で、北太平洋にいるすべてのサンマが日本列島近海へ来るわけではなく、東方の沖合を南下する群れもいると考えられています。
普段は日本の秋の味覚として目にするサンマですが、その一生を海全体で見ると、北太平洋を大きく移動する魚であることが分かります。
寿命は約2年、店頭で見る30cmほどのサンマは1歳魚
サンマの寿命は約2年です。毎年秋になると現れる身近な魚ですが、一匹のサンマが生きる期間は意外に短いことが分かります。
普段、店頭で見かける体長30cmほどのサンマは、生まれて1年以上たった1歳魚とされています。短い一生の中で成長しながら広い北太平洋を回遊していると知ると、秋のサンマを一季節だけの魚として見るのとは少し違った姿が見えてきます。
産卵期は9月から翌年6月までと長く、産卵する海域も季節によって移ります。サンマは一年を通じて同じ場所にいるのではなく、成長や繁殖に合わせて広い海を移動する魚です。
サンマの旬は9~10月前後が目安

では、実際にサンマの旬はいつ頃なのでしょうか。一般的には秋が旬とされ、9~10月前後がひとつの目安になります。
ただし、サンマの旬に全国共通の明確な開始日や終了日が決められているわけではありません。海の状態によって分布や回遊が変わるため、毎年まったく同じ時期、同じ場所で漁獲される魚ではないからです。
近年は漁場や来遊時期が変わる年もある
2010年以降は日本沿岸へのサンマの来遊時期が遅れる傾向があり、漁場の沖合化もみられています。そのため、地域ごとの漁期を月だけで固定して考えるのは難しくなっています。
旬は9~10月前後を大まかな目安にしつつ、具体的な漁場や来遊時期は年によって動くものとして分けて考えるとよいでしょう。
「秋が旬」という基本と、「その年はいつ、どこで多く獲れるか」は同じ話ではありません。










