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退職に向く時期は、何を優先するかで変わる

全員に共通して「この月が一番得」といえる退職月はありません。ただし、自分の予定から順番に考えると候補は絞れます。
転職先の入社日が決まっているなら、まずそこから退職日を逆算します。ボーナスを受け取ってから辞めたいなら、支給日や在籍条件を確認します。
次の仕事がまだ決まっていない場合は、税金や社会保険、退職後の負担まで含めて時期を比べましょう。
たとえば、4月1日から新しい会社で働くなら3月末、年末を一区切りにしたいなら12月末が候補になります。大切なのは、月だけを先に決めるのではなく、自分が動かしにくい予定や条件から退職日を考えることです。
3月末|4月1日から新しい会社で働く場合
4月1日から転職先で働くことが決まっているなら、3月31日退職が候補です。退職日の翌日から新しい会社へ移るため、仕事や社会保険の切り替え時期も分かりやすくなります。
ただし、4月中旬など別の日に入社する予定なら、必ず3月末がよいとは限りません。転職先の入社日と、退職後に空白期間を設けるかどうかを踏まえて決めましょう。
12月末|年末で区切りたい場合
年末を一区切りにしたい人には、12月末が候補です。冬のボーナスを受け取ってから辞めたい場合も、勤務先の支給日や在籍条件を満たしていれば退職時期の一つとして考えられます。
ただし、12月に辞めれば税金面で必ず得になるわけではありません。年末調整やボーナスの扱いは条件によって変わるため、月だけで判断せず勤務先の給与支給日や規程も確認しましょう。
退職する月で税金やボーナスはどう変わる?

退職時期をお金の面から考えるときは、「税金が得かどうか」だけでまとめず、住民税、所得税、ボーナスを分けて見る必要があります。
住民税は退職する月によって支払い方が変わる
会社員の住民税は、通常は給与から毎月徴収されています。退職すると、それまで勤務先が給与から徴収していた住民税をどのように納めるかが、退職時期によって変わります。
1~4月に退職する場合は、5月までに給与から徴収する予定だった住民税の残額が、原則として最後の給与や退職手当などから一括徴収されます。そのため、最後の給与の手取りが普段より少なくなることがあります。
5月は特別徴収の最終月にあたるため、5月分の住民税を給与から徴収する扱いになります。
6~12月に退職した場合は、残額を原則として普通徴収へ切り替え、自分で納めることになります。本人が希望して一括徴収する場合や、転職先で手続きをして給与からの特別徴収を続ける場合などは扱いが異なります。
退職月によって変わるのは、住民税そのものの金額というより、いつ・どのように納めるかです。「1~4月は税金が高い」「6月以降なら税金が安い」と単純に考えないようにしましょう。
12月退職でも年末調整を受けられるとは限らない
所得税は、毎月の給与などから源泉徴収された金額と、その年の所得から計算した税額との差を年末調整などで精算します。
年の途中で退職し、そのまま年内に再就職しなかった場合などは、退職した勤務先で年末調整を受けないことがあります。所得税を納め過ぎていれば、確定申告によって還付を受けられる場合があります。
一方、12月に支給期が来る給与の支払いを受けた後に退職した人などは、年の途中で退職しても年末調整の対象になる場合があります。
そのため、「12月退職なら必ず年末調整を受けられる」とは限りません。年末調整を意識して退職時期を決めるなら、退職日だけでなく最後の給与支給日も確認しましょう。
ボーナス後に辞めるなら支給日と在籍条件を見る
ボーナスを受け取ってから辞めたい場合は、「何月に退職するか」よりも勤務先の支給条件が重要です。
ボーナスの支給日や算定方法、支給日に在籍していることが必要かどうかなどは会社によって異なります。
夏や冬のボーナス後を退職候補にする場合も、一般的な支給月だけで決めず、就業規則などで自社の支給日と在籍条件を確認してから退職日を決めましょう。
月末か月途中かで勤務先の社会保険料が変わる

退職する月が決まっても、月末に辞めるか月途中に辞めるかによって、勤務先で加入している健康保険・厚生年金の保険料に違いが出ます。
ただし、現在の勤務先で支払う保険料だけを見て「月途中の方が得」と判断することはできません。退職後に加入する年金や健康保険まで含めて考える必要があります。
月末退職は退職月分の健康保険・厚生年金がかかる
勤務先の健康保険と厚生年金は、原則として退職日の翌日に資格を喪失します。
たとえば3月31日に退職すると資格喪失日は4月1日となるため、3月分まで勤務先の健康保険・厚生年金の保険料がかかります。
翌月1日から新しい会社へ入社する予定であれば、月末退職にして次の勤務先へ移る日程も組みやすくなります。
月途中に辞めても退職後の年金・健康保険料が必要な場合がある
月途中に退職した場合、現在の会社で加入している健康保険・厚生年金については、退職月分の保険料がかからないケースがあります。
たとえば4月15日に退職すると、資格喪失日は4月16日となり、現在の勤務先の厚生年金は原則として4月分がかかりません。
しかし、その後すぐに再就職せず、4月末まで国民年金の第1号被保険者であれば、4月分の国民年金保険料が必要です。国民健康保険へ加入する場合も、月途中の加入だからといって単純に日割りになるとは限りません。
健康保険については、国民健康保険のほか、任意継続や家族の扶養に入る方法などもあり、退職後の状況によって負担が変わります。
そのため、15日付けや月初に辞めれば必ず得になるわけではありません。月末と月途中のどちらがよいかは、退職後に加入する年金や健康保険、次の入社日まで含めて比べましょう。
退職日は辞める前後の予定から逆算する

最後は、次の入社日だけでなく、ボーナス、税金や社会保険、会社へ退職を申し出る時期まで確認して退職日を決めます。
退職日を確定する前に、次の点を確認しておきましょう。
- 転職先が決まっているなら、入社日から退職日を逆算できるか
- 退職から入社まで期間が空くなら、健康保険や年金をどう切り替えるか
- ボーナスを受け取りたいなら、支給日や在籍条件を満たしているか
- 住民税が最後の給与から一括徴収される時期に当たらないか
- 勤務先の就業規則では、いつまでに退職を申し出ることになっているか
- 有給休暇や引き継ぎを含めて、希望する退職日までに調整できるか
次の仕事が決まっている人と、退職後しばらく働かない人では、同じ月に辞めても適した退職日は変わります。まず動かしにくい予定を確認し、その後で税金や社会保険などの条件を重ねていくと判断しやすくなります。
また、心身の不調などで働き続けることが難しい場合は、金銭面で有利な時期まで無理に退職を延ばすことを前提にする必要はありません。
「何月が得か」だけで決めず、自分の予定と退職前後に必要な支払いから逆算して退職日を決めることが、後悔を減らすための基本です。










