目次
車の燃費は夏よりも冬のほうが悪くなりやすい

一般的には、夏よりも冬のほうが車の燃費は悪くなりやすいと考えられます。
エンジンやオイルが冷えた状態から走り始めることに加え、暖機運転、タイヤ、雪道など、複数の要因が重なりやすいためです。
季節による燃費差は全国一律ではなく、地域や車種、走行距離、空調の使い方によって変わります。寒冷地、短距離走行が多い人、ハイブリッド車では冬の影響が大きくなりやすい一方、温暖地や猛暑時の短距離走行では、冷房による夏の燃費低下も目立つ場合があります。
米国の公的な試験では、約25℃の場合と比べ、約マイナス7℃の市街地走行で一般的なガソリン車の燃費が約15%低下し、約5~6kmの短距離では最大24%低下した例があります。ただし、特定の気温や走行条件による結果であり、日本のすべての車に当てはまる数字ではありません。
燃費の変化を見るときは、地域、車種、1回の走行距離、空調の使用状況、道路状況を合わせて考えることが大切です。
この記事では、主にガソリン車とハイブリッド車を対象に説明します。電気自動車は、燃費ではなく電費や航続距離への影響を別に考える必要があります。
冬に車の燃費が悪くなる理由

冬は、車が効率よく走れる状態になるまでに時間がかかります。低温による車両側の変化だけでなく、短距離走行やアイドリング、タイヤ、道路状況も燃費低下につながります。
エンジンやオイルが冷えていると抵抗が増える
エンジンは、ある程度温まった状態で効率よく動くように設計されています。気温が低い冬は、始動直後のエンジンや駆動系が冷えているため、効率のよい温度へ達するまで時間がかかります。
エンジンオイルなども低温では硬くなりやすく、内部の抵抗が増えます。また、エンジンを早く温めるため、始動直後は通常より多くの燃料を使う制御が行われる場合があります。
短距離ではエンジンが温まりきらない
通勤、買い物、送迎などの短距離走行では、エンジンが十分に温まる前に目的地へ着くことがあります。燃費が悪くなりやすい始動直後の走行が、全体の大部分を占めるためです。
同じ距離でも、一度にまとめて走る場合より、冷えた車で何度も出発する場合のほうが燃料を多く消費しやすくなります。冬に近距離の移動が増えると、燃費表示も下がりやすくなります。
暖機運転や暖房目的のアイドリングで燃料を使う
停車したままエンジンを動かしている間も、燃料は消費されます。
車内を暖めるために出発前のアイドリングを長く続けると、走行距離が増えないまま燃料だけを使うため、平均燃費は悪化します。
現在の一般的な乗用車では、極端な低温などを除き、長時間の暖機運転は基本的に必要ありません。エンジン始動後は無理な加速を避け、穏やかに走りながら温める方法が基本です。車種や気温によって条件が異なる場合は、車の取扱説明書を優先してください。
タイヤや雪道で走行抵抗が増える
気温が下がると、タイヤの空気圧も低下しやすくなります。空気圧が指定値より低い状態ではタイヤが変形しやすくなり、転がり抵抗が増えて燃費が悪化します。
冬用タイヤは、乾いた道路では夏用タイヤより転がり抵抗が大きくなる場合があります。さらに、積雪路や凍結路では雪や路面状態による走行抵抗が増え、加減速も多くなるため、乾いた道路より燃料を消費しやすくなります。
ハイブリッド車は暖房中にエンジンが停止しにくい
ハイブリッド車は、状況に応じてエンジンを停止し、モーターを使って燃料消費を抑えます。しかし冬は、エンジンや車内を暖める必要があるため、エンジンが停止しにくくなる場合があります。
暖房の設定温度を高くしたり、短距離走行を繰り返したりすると、エンジンを動かす時間が長くなり、ハイブリッド車の燃費上の利点が小さくなることがあります。
夏に車の燃費が悪くなる理由

夏は、気温が高いこと自体よりも、冷房を使うための負荷が燃費に影響します。特に、炎天下に駐車した車を冷やす場合や、短距離走行を繰り返す場合は燃費低下が目立ちやすくなります。
冷房を使うと燃料消費が増えやすい
車の冷房では、車内の熱を外へ運ぶためにコンプレッサーを動かします。一般的なガソリン車ではエンジンの力を使うため、その分だけ負荷が増えて燃料を消費します。
コンプレッサーの動かし方は車種によって異なりますが、冷房にはエネルギーが必要です。そのため、冷房を強く使うほど燃費へ影響しやすくなります。
高温の車内を冷やす間は負荷が大きい
炎天下に駐車した車内は、外気温より大幅に高くなることがあります。乗車直後は設定温度まで下げるために冷房が強く作動し、車内が冷えた後よりも負荷が大きくなりやすくなります。
日差しが強い日や、日陰のない場所へ長時間駐車した場合は、車内温度が上がり、冷房の負荷も大きくなりやすいと考えられます。
短距離では冷房の負担が燃費に表れやすい
短距離走行では、車内が十分に冷えた頃に目的地へ着くことがあります。走行時間の大部分で冷房が強く作動するため、冷房による燃料消費が平均燃費へ表れやすくなるのです。
ある程度長く走行すると、車内温度が下がった後は冷房の負荷も落ち着きます。夏は、冷房負荷が大きい走り始めの短距離を繰り返すほど、平均燃費へ影響が表れやすくなります。
夏と冬の燃費低下を抑える方法

季節による燃費低下を完全になくすことはできませんが、空調の使い方や走行習慣を見直せば、余分な燃料消費を抑えられます。
安全性や体調を犠牲にせず、続けやすい方法から取り入れましょう。
冬は長い暖機運転を避ける
出発前に長時間アイドリングを続けるのではなく、エンジン始動後は穏やかに走り始めます。急加速や高回転を避けながら走行すれば、エンジンだけでなくタイヤや駆動系も徐々に温まります。
ただし、窓の霜や曇りで視界を確保できない状態では出発できません。燃費よりも安全な視界の確保を優先し、必要なデフロスターや暖房は使用してください。
冬は短距離の用事をできるだけまとめる
冬に冷えた車で何度も出発すると、燃費が悪い始動直後の走行を繰り返すことになります。
買い物や用事を一度の外出でまとめられる場合は、走行回数を減らしたほうが燃料消費を抑えやすくなります。生活の予定を変えられる範囲で、近い場所の用事をまとめる方法が現実的です。
夏は外気導入で熱気を逃がしてから内気循環に切り替える
乗車直後は、窓を開けてエアコンを外気導入にし、車内の熱気を外へ逃がしながら走り始めます。
熱気が抜けたら窓を閉め、内気循環へ切り替えると車内を冷やしやすくなります。空調の操作や自動制御は車種によって異なるため、取扱説明書も確認してください。
日陰への駐車やサンシェードも、車内温度の上昇を抑える助けになります。ただし、猛暑時に燃費を理由として冷房を我慢する必要はありません。体調と安全を優先し、必要な冷房を使いましょう。
タイヤの空気圧を定期的に確認する
タイヤの空気圧が不足すると、季節を問わず転がり抵抗が増えて燃費が悪化します。特に気温が大きく下がる時期は、空気圧を確認しておくと安心です。
空気圧は、運転席側のドア付近などに表示されている車両指定値を確認し、定期的に調整しましょう。
急加速を避ける
アクセルを深く踏み込む急加速は燃料消費を増やします。前方の流れを早めに見ながら穏やかに発進し、不要な加減速を減らすことが、夏冬に共通する燃費対策です。
不要な荷物を積んだままにしない
車が重くなるほど、発進や坂道で必要なエネルギーが増えます。季節用品、工具、レジャー用品などを使わない時期まで積んだままにしていないか確認しましょう。
ただし、スペアタイヤ、防災用品、雪道に必要な装備など、安全や緊急時に備える荷物を燃費だけで降ろす必要はありません。
燃費低下が季節によるものか確認する

燃費が落ちたと感じたら、まず同じ車、同じルート、近い走行条件の過去データと比べます。給油ごとの走行距離と給油量を記録すると、車載の燃費表示だけでは分かりにくい変化も確認しやすくなります。
次に、燃費が悪化した時期に変わった条件を整理しましょう。
- 短距離走行や渋滞が増えた
- 冷房や曇り取りでA/Cを使う時間が増えた
- 長い暖機運転や暖房目的のアイドリングをしている
- 冬用タイヤへ交換した
- タイヤの空気圧が不足している
- 荷物や乗車人数が増えた
- 雪道や強い向かい風など走行条件が変わった
季節や走行条件を見直しても急な燃費低下が続く場合は、タイヤやエンジン、ブレーキなどの状態を点検することが大切です。
異音や警告灯、加速の違和感などがある場合は、燃費だけで判断せず、取扱説明書を確認したうえで販売店や整備工場へ相談しましょう。









