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安心!電子レンジの異音で「故障ではない」もの

電子レンジは強大なエネルギーを操る家電であり、正常な動作中であっても機械ならではの音が発生します。
以前は気にならなかった音が急に耳に付くこともありますが、まずは「仕組み上、どうしても鳴ってしまう音」に該当しないか確認してみましょう。
以下のケースであれば、慌てて修理や買い替えを検討する必要はありません。
「ブーン・ゴー」:熱を逃がすための深呼吸
この低い唸り音は、主に内部の精密回路を冷やすための「冷却ファン」が勢いよく回る音や、電源部(インバーター等)が稼働している際の作動音です。
特に調理中だけでなく、加熱が終わった後もしばらく鳴り続けることがありますが、これは庫内の熱や湿気を逃がして故障を防ごうとしている正常な動作です。
音の大きさが一定で、加熱もスムーズにできているなら、そのまま停止するのを待って問題ありません。レンジが自分を守っている状態です。
「カチッ・チッ」:火力を調整するリズム
温め中に聞こえる断続的な音は、出力を切り替えるための内部スイッチ(リレー)が働く作動音です。
電子レンジは、火力を細かくオン・オフすることで加熱温度をコントロールしており、主にインバーター非搭載の機種などでこの切り替え音が目立つ傾向にあります。
いわば「料理の火加減」を自動で行っている証拠であり、規則的に聞こえるのであれば、故障ではなくレンジが賢く働いているサインと捉えて大丈夫です。
「パキッ・ピシッ」:温度変化に驚いた音
加熱によって食品や容器がわずかに膨らんだり、庫内の壁面が急激な熱を受けて動いたりするときに出る「熱膨張」の音です。
特に冬場の冷え切ったキッチンで使い始めた際や、耐熱ガラス容器を加熱した際によく発生します。温度差によって素材が物理的に伸び縮みしているだけなので、レンジ自体の故障ではありません。
調理後、温度が下がる過程で鳴る「ポコン」という音も、熱膨張による自然な現象であり、心配は不要です。
要注意!電子レンジの異音で「すぐ確認すべき」もの

「いつもと何かが違う」と感じる鋭い音や、不規則なリズムの音は、レンジが悲鳴を上げているサインかもしれません。これらを放置すると、温まりが悪くなるだけでなく、最悪の場合は深刻な故障を招く恐れがあります。
まずは一度動作を止め、どこが苦しそうに鳴っているのか、焦げ臭いにおいや庫内に光る箇所がないかなどを落ち着いて探ってみることが大切です。
「パチパチ・バチッ」:庫内に飛んでいる小さな雷
これは「放電」という現象で、最も注意が必要な音です。
原因の多くは、金属の入れ間違いや庫内にこびりついた食品カスですが、電磁波の出口である「導波管カバー」の汚れや破損も大きな要因となります。黒く焦げた汚れは炭と同じで電気を通しやすいため、そこに電波が集中して火花を散らせてしまいます。
掃除をしても火花が止まらない場合は、直ちに使用を中止し、修理や買い替えを検討してください。
「ジリジリ・ジジジ」:電気の通り道のトラブル
何かが震える音ではなく、細かく弾けるようなこの音は、内部の高電圧部品や配線の劣化、あるいは接触不良による放電が疑われます。
ホコリや湿気が原因で電気が漏れ出そうとしている可能性があり、もし焦げ臭いにおいが伴う場合は非常に危険なサインです。
そのまま使い続けると火災の引き金にもなりかねないため、異臭を伴う「ジリジリ」音がした場合は、直ちに使用を中断し、コンセントを抜いてください。
「カタカタ・ガラガラ」:足回りのちょっとしたズレ
ターンテーブル式の機種において、皿がしっかり軸にはまっていない、あるいは皿を支えるローラーに食品のカスが挟まっているときに出る異音です。
人間でいえば「靴の中に石が入ったまま歩いている」ような状態で、無理な負荷がモーターにかかっています。
まずは一度パーツを外して掃除し、正しくセットし直してみましょう。これだけで解決しない場合は、駆動モーターの摩耗や寿命が考えられます。
「キュルキュル・キー」:回転部分の油切れ
熱を逃がすためのファンが回る際、軸受けが乾燥したりホコリが絡まったりしているときに出る高い摩擦音です。
放置するとファンの回転が鈍くなり、最終的にはレンジ内部がオーバーヒートを起こしてしまいます。なお、異音がするからといって内部に市販の潤滑油を吹き込むのは、発火の原因となり非常に危険ですので絶対に避けてください。
送風中にこの音が続く場合は、冷却機能が低下している証拠です。
電子レンジの異音の原因に?やってはいけないNG習慣

異音のきっかけは、日々のちょっとした使い方のクセに隠れていることがよくあります。
お気に入りの家電を長く、静かに使い続けるためには、機械に負担をかけてしまう「やりがちなNG行動」を理解しておくことが重要です。
大きなトラブルに発展する前に、今日から以下のポイントをチェックする習慣をつけましょう。
汚れを「そのうち」と後回しにする
「少しの汚れなら大丈夫」という油断が、異音や発火の最大の原因になります。
庫内に飛び散ったソースや油をそのままにしておくと、加熱のたびに水分が抜けて炭化が進み、電磁波を呼び寄せる「避雷針」のような役割を果たしてしまいます。
「汚れたらすぐ拭く」という単純な習慣が、レンジの心臓部を守り、寿命を最も延ばしてくれます。特に天井や、電波の出口付近の汚れは放置せずこまめに清掃しましょう。
壁にぴったりくっつけて置く
電子レンジは調理中、背面や側面から大量の熱を逃がしています。
隙間なく壁に密着させてしまうと、熱が逃げ場を失って内部の温度が上がり、ファンが必死に回って大きな唸り音を立てる原因になります。壁と本体が密着していると振動が伝わり、騒音も増幅されます。
必ず取扱説明書を確認し、機種ごとの適切な「呼吸スペース」を確保してあげることが大切です。これにより冷却効率が上がり、故障率を下げられます。
何も入れずに「空焚き」をする
庫内が空のままの運転や、極端に分量が少ない食材を長時間温めるのは、レンジにとって過酷な状況です。
電磁波を吸収する対象がないため、行き場を失ったエネルギーがレンジ自身の部品を攻撃し始め、激しい唸り音が発生します。
少量のものを温める際は、水を入れたコップを隣に置いて負荷を分散させる工夫が有効ですが、その際は加熱後の「突沸(急な沸騰)」による火傷に注意し、説明書の指示に従いましょう。
買い替えか修理か?寿命を見極める最終チェック

異音が消えないとき、一番悩むのが「まだ修理して使えるか、それとも買い替えか」という判断ですよね。
大切に使い続けるのも一つですが、最近の家電の省エネ性能や安全性を考えると、新しい一台を迎えたほうが結果的に安心な場合もあります。
納得感のある選択をするための最終的なチェックラインを整理しました。
「音はするのに温まらない」は引退の合図
ファンが回る音は正常なのに、食品が冷たいまま。この症状は、電磁波を作る「マグネトロン」や制御基板が故障している可能性が高いです。これらの重要部品の交換修理は数万円かかるのが一般的で、新品の購入価格に匹敵してしまいます。
「音はするが温まらない」という症状が出たなら、潔く新調を考えるのが、最も経済的で賢い判断といえます。無理な修理より最新モデルへの買い替えが安心です。
8〜10年あたりが目安として語られることが多い
電子レンジの寿命の目安は約10年と言われますが、メーカーによる補修用部品の保有期間は、製造終了から「8年」と定められているのが通例です。
8年以上経過したレンジから異音が続く場合、仮に一箇所を直しても他の部品が連鎖的に故障するリスクが高く、部品自体が在庫切れで修理不能となることもあります。
購入から8年以上経っている場合は、安全面を考慮して買い替えを優先すべき時期といえるでしょう。
異音を放置せず「安全なキッチン」を保つために

電子レンジの異音は、日々の暮らしに欠かせない相棒からの大切なメッセージです。まずは掃除や設置環境の再確認といった自分にできるケアから始めてみましょう。
もし万が一、使用中に火花や煙、激しい焦げ臭さを感じた場合は、慌てて扉を開けずに停止し、落ち着いて電源プラグを抜いてください。
異変に早く気づき、適切に対処することこそが、大切な家族の食卓と住まいの安心を守る、最も確実な方法になります。









