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なぜ?やると言ってやらない人の6つの心理

「やる」と言ったはずなのに、いつまで経っても動いてくれない。そんな姿を見ると、つい「やる気がないの?」と疑ってしまいます。
ですが、そこには単なる怠慢だけではない、本人すら自覚していない「心の防衛反応」が隠れていることも多いのです。
1. その場の「気まずい空気」から逃げたい
相手にガッカリされたり、無能だと思われたりすることを極端に恐れる心理です。
彼らにとっての優先事項は、実行することよりも「その場の平穏」を保つこと。断ることで生じる沈黙や、相手の顔が曇るストレスに耐えきれず、つい「やります」という正解を差し出して、その場の空気をやり過ごそうとしてしまいます。
実行する苦労よりも、今この瞬間の拒絶される恐怖の方が勝ってしまっている状態といえます。
2. 言っただけで「満足」してしまう
「やるぞ!」と周囲に宣言して、期待されたり褒められたりすると、脳はそれだけで大きな報酬を得てしまいます。
これを心理学では「代償的充足感」と呼び、まだ何も成し遂げていないのに、言葉の段階で達成感を「前借り」して満足してしまうのです。
いざ実際に作業に取りかかろうとする頃には、高まっていた意欲やエネルギーがすっかり冷めて消えてしまい、体が重くなって動けなくなるという現象が起こります。
3.「失敗が怖い」という完璧主義な一面
意外かもしれませんが、完璧主義な人ほどこの罠に陥ることがあります。
「やるからには完璧でないといけない」「期待以上の成果を出さねば」というプレッシャーが強すぎて、少しでも不備が出る不安があると、脳が守りに入ってフリーズしてしまいます。
失敗して自分の無能さが露呈するくらいなら、最初から「やらなかっただけだ」という言い訳を残すことで自尊心を守ろうとする、真面目ゆえの悲しい防衛本能なのです。
4.「未来の自分」ならできると信じている
「明日の自分なら、もっとやる気があってテキパキこなせるはずだ」と根拠のない期待を抱いています。
最新の脳科学では、こうした人は脳内で「未来の自分」を「見知らぬ他人」のように認識していると言われています。今の自分が負うべき苦労を、無意識に「未来の自分という他人」に丸投げしている状態です。
結局、明日になっても「昨日の自分」と同じように疲れた自分がいるだけで、魔法のように動けるようにはならないのです。
5.「すぐ終わる」という見通しの甘さ
決して嘘をつくつもりはなく、口にする瞬間は「本当にやるつもり」でいます。しかし、自分の能力や作業にかかる工程を常に楽観的に、最短ルートで見積もりすぎてしまいます。
トラブルや集中力の欠如といった現実的なリスクを計算に入れられないため、いざ取りかかろうとした時には、想定以上の重さに圧倒されてしまいます。
そこで初めて「無理だ」と気づり、現実逃避のように行動を止めてしまうのです。
6. 言葉にできない「不満」が隠れている
相手に対して直接的な不満があるものの、それを口に出して反論できない場合に、あえて「やると言って放置する」ことで相手を困らせようとする心理です。
これは「受動攻撃」と呼ばれ、本人のだらしなさではなく、人間関係の歪みが原因となっています。正面からぶつかる勇気がない代わりに、やらないことで相手を振り回し、無意識のうちに優位に立とうとしたり、抑圧された怒りを解消したりしているパターンです。
やると言ってやらない人に共通する特徴

口先だけになってしまう人には、日常生活の中でいくつかの分かりやすい予兆があります。これらを知っておくと、相手の言葉をどの程度信じて待つべきか、冷静に判断する目安になります。
具体的な「期限」を口にしない
威勢はいいのですが、「いつまでに」「何を」「どうやって」という具体的なプロセスが話の中に全く出てきません。
本人の頭の中でも実行のイメージが具体化できていないため、聞こえの良い大きな言葉ばかりが先行してしまいます。
熱っぽく語っていても、話の内容がふんわりとしていて具体性に欠ける場合は、その場のテンションだけで話している可能性が高いため、あまり過信せずに聞き流すのが賢明といえます。
嫌と言えない「いい人」タイプ
人からどう見られるかを極端に気にするため、自分のキャパシティを超えていても安請け合いしてしまいます。
誰からも嫌われたくない、期待に応えたいという承認欲求が強すぎるあまり、断る勇気が持てないのです。
本人は「いい人」でいようとしているのですが、結局は約束を守れず周囲に迷惑をかけてしまうため、結果として最も信頼を失うという皮肉なループに陥ってしまいがちなのも特徴です。
自分に都合よく「記憶」を書き換える
約束したことを覚えておくためのメモを取るなどの工夫をせず、指摘されても「そんなこと言ったっけ?」「そんなつもりじゃなかった」とすり替えてしまいます。
これは単なる物忘れではなく、罪悪感から自分を守るための無意識の防衛反応です。
忘れたことにすれば、自分が約束を破ったという事実に向き合わずに済むため、本人は悪気なく本気で「言っていない」と思い込んでいることすらあります。
いつも「忙しい」と言い訳をする
実際には作業が進んでいなくても、頭の中に「やらなきゃいけないこと」が溢れているため、本人の中では常に切羽詰まった感覚があります。
重要度の低い雑務に逃げることで「頑張っている自分」を必死に演出しようとします。
本質的な課題から目を逸らすために忙しさをアピールしていることが多く、いざ進捗を聞くと、もっともらしい理由を並べて「時間がなかった」と言い訳をする準備が整っています。
メモを取らず「口約束」を過信する
「言えば覚えている」「自分は忘れない」と過信しており、記録に残そうとしません。
その場限りの感情や雰囲気で話しているため、時間の経過とともに言葉の重みがどんどん薄れていき、数日後には悪気なく約束が脳から押し出されてしまいます。
相手に対しても「言ったから伝わっているはずだ」という甘えがあるため、確認作業を怠り、結果としてお互いの認識に大きなズレが生じてしまうことが多々あります。
ギリギリまで「エンジン」がかからない
やり始めるためのきっかけを自分一人で作ることが苦手です。外部からの強い強制力や、取り返しのつかないパニック状態にならない限り、なかなか重い腰が上がりません。
常に追い込まれた状態で動くため、結果としてクオリティが低くなったり、間に合わせの仕事になったりしてしまいます。
いつもバタバタと何かに追われているように見える人は、この「初動の遅さ」が根本的な原因である可能性が高いでしょう。
やると言ってやらない人に振り回されないためのコツ

相手の性格を根本から変えるのは難しいものです。だからこそ、こちら側の「接し方」と「心の持ちよう」を少しだけ変えて、自分の平和を守る工夫をしてみましょう。
言葉を「ただの挨拶」だと思っておく
「やります」という言葉を100%の約束だと思わず、「実際に動くまでは未確定な情報」と割り切ります。
期待を寄せすぎて裏切られるから怒りが湧くのであって、最初から期待値を下げておけば「やっぱりね」で済みます。信頼は言葉の威勢ではなく、過去に何をどれだけ完遂したかという実績だけで判断しましょう。
相手の言葉を「その場の挨拶」程度に聞き流すことが、自分のメンタルを守る最大の防御になります。
「最初の一歩」をその場でやらせる
「あとでやっておいてね」と丸投げせず、「じゃあ、今ここで最初の5分だけ一緒に進めよう」と誘ってみます。やらない人の多くは「着手」というハードルを越えるのが一番の苦手です。
最初の一行を書く、予定をカレンダーに入れるといった動作をその場で見届けて伴走してあげることで、相手の脳が「実行モード」に切り替わり、その後の行動がスムーズに引き出されやすくなるというメリットがあります。
作業を「小出し」にして確認する
大きな目標や遠い締め切りを渡すと、相手の脳はフリーズしたり、まだ余裕があると誤認したりします。
これを防ぐには、作業を極限まで細分化して、こまめに声をかける仕組みを作ることが有効です。
- 期限を「明日まで」と極端に短く区切る
- 作業を「この一箇所だけ」と限定して依頼する
- 中間報告の時間をあらかじめ指定して約束する
このようにサボる隙を与えないほど細かく管理することが、結果としてお互いのストレスを減らします。
必ず「文字」にして証拠を残す
口約束は「言った・言わない」の不毛な争いを生むだけでなく、相手に「忘れてもいい」という逃げ道を与えてしまいます。
どれだけ小さなことでも、メールやチャットなど形に残る方法で共有しましょう。「先ほどの件、〇日までに完了ということで承知しました」と一筆残すだけで、相手には適度なプレッシャーがかかります。
また、第三者が見える場で共有することは、相手の社会的評価に直結するため、実行率を高める強力な一手となります。
最終的に「期待しない」と決める
どれほど工夫をして仕組みを整えても動かない相手には、最終的に「重要な仕事を任せない」という決断も必要です。
人の性格を無理に変えようとエネルギーを使うのは、自分自身の寿命を削るようなもの。相手を変える努力を諦め、物理的・心理的に距離を置いて「この人はこういう人だ」とラベルを貼って接しましょう。
自分の貴重なエネルギーを、約束を守らない人のために浪費しないよう、自分を守る境界線をはっきりさせることが重要です。
自分自身が「やると言ってやらない人」を卒業するには

もし自分自身の「言行不一致」に悩んでいるなら、自分を責めるのは逆効果です。意志の力に頼るのをやめて、自然と体が動くような「仕組み」を整えてみましょう。
返事の前に「3秒」だけ待つ
頼まれごとをされたとき、反射的に「はい」と言う癖を封印します。「やりたい」という意欲や「断るのが怖い」という感情が先行して出そうになったら、まずは心の中で3秒数えましょう。
そして「スケジュールを確認してからお返事します」と伝え、手帳やカレンダーを物理的に確認して「本当に今の自分にできるか」を問いかける時間を強制的に作ります。
即答しないだけで、無責任な約束を半分以下に減らすことができます。
「20点の出来」でいいから出す
完璧主義が原因で動けない人は、「まずはゴミのような成果物でもいいから出す」ことを目標に据えましょう。
最初から立派なものを作ろうと力むと、脳がプレッシャーで拒絶反応を起こします。「とりあえず5分だけ、最悪の出来でいいからやる」と自分に許可を出すことで、着手の心理的ハードルを劇的に下げることができます。
まずは形にすること。修正は後からいくらでもできると自分に言い聞かせ、行動の第一歩を軽くすることが大切です。
自分の「意志」を信じない
やる気が出るのを待つのではなく、環境を整えることで脳を強制的に動かします。
- スマホを電源を切って別の部屋に置く
- 「デスクに座ったら資料を開く」とだけ決める
- 集中を妨げるものを視界から物理的に排除する
意志の力は使い果たすと消えてしまいますが、環境による強制力は永続します。
自分の意志を信じるのではなく、自分がつい動いてしまうような「仕組み」を信じて、そこに身を置く工夫をしましょう。
未来の自分を「友人」だと思って助ける
今の自分がサボることで、数日後の締め切り間際の自分がどれほど悲惨な目に遭うかを、できるだけリアルに想像してみます。
未来の自分を「他人」ではなく、自分が守ってあげなければならない「大切な友人」だと捉え直してみてください。友人を困らせるような無茶な仕事を押し付けない、と考えることで、今の自分が少しだけ頑張るためのスイッチが入ります。
自分自身の未来を、今の自分の手で大切に扱ってあげる感覚が卒業への鍵です。
期待や言葉に振り回されない「ほどよい距離感」を

「やると言ってやらない人」への対策は、結局のところ、相手にも自分にも「期待しすぎない」という一点に尽きるのかもしれません。
相手が動かないのは悪気があるわけではなく、心のブレーキや脳の仕組みが原因だとわかれば、怒りの矛先も少しは変わるはず。大切なのは言葉を100%の正解と受け取らず、まずは「今の行動」という事実だけを淡々と見ることです。
自分自身に対しても、大きな宣言で自分を追い込むより、確実にできる「小さな一歩」を積み重ねるほうが、結果的に周囲からの信頼を長く守ることにつながります。言葉の重みに縛られすぎず、行動で示し合えるような、軽やかで現実的な関係を目指していきましょう。









