洗濯機の糸くずフィルターでしてはいけないNG行為5つ 正しい扱い方を整理

洗濯槽の中に付いている糸くずフィルターは、糸くずやホコリを集めて洗い上がりをきれいに保つだけでなく、ゴミが排水側へ回り込むのを防ぐ役目もあります。放置や破れ、付け忘れなどの小さなミスが、汚れ戻りやニオイの原因になることも。やってはいけない行為を整理します。

糸くずフィルターは「洗濯機を守るパーツ」

洗濯槽の糸くずフィルター

縦型洗濯機の糸くずフィルターは、洗濯中に出た糸くずやホコリを受け止める部品です。見た目は小さくても、ここが働いているかどうかで洗い上がりが変わります。衣類に糸くずが戻るのを減らし、ゴミが本体の中へ回るのを防ぐのが大きな役目です。

逆に言うと、フィルターが詰まる、破れる、付いていないといった状態になると、ゴミを止めきれません。白い糸くずが服に付く、なんとなくニオイが残るなど、じわじわ不快さが増えていきます。

洗濯機の糸くずフィルターにしてはいけないNG行為

汚れている糸くずフィルター

糸くずフィルターのNGは、きれい好きかどうかの話ではありません。フィルターの役目が果たせない状態を作ってしまうことが問題です。

とくに、次のような行為は起きがちなので先に押さえておくと安心です。

1.ゴミを溜めたまま運転を続ける

糸くずフィルターにゴミが溜まると、まず起きやすいのが汚れ戻りです。

フィルターがいっぱいになると、新しく出た糸くずを受け止める余裕がなくなり、洗濯水の中にゴミが残りやすくなります。黒い服に白いカスが付く、タオルに細かいホコリが残るといった形で気づくこともあります。

もう一つはニオイです。糸くずは水分や洗剤カスを含みやすく、溜めたままだとヌメリや黒ずみの原因になります。洗濯槽の中に湿った汚れを置きっぱなしにしているのと同じで、気づかないうちに不快さが増えていきます。

2.毎回ゴミを捨てず、まとめて掃除しようとする

「まだ少ないから大丈夫」と思って数回分を溜めると、ゴミが湿ったまま固まりやすくなります。固まった糸くずは網目やすき間に入り込みやすく、指でつまんでも取り切れない状態になりがちです。結果として、掃除が面倒になり、さらに放置しやすくなります。

ここでいう「毎回」のポイントは、ピカピカに洗うことではありません。洗濯の後にゴミだけ捨てて、溜めない状態を作ることが一番効きます。ゴミが少ないうちに捨てておくと、ヌメリや黒ずみが育ちにくく、手入れの負担も増えにくいです。

3.破れているのに、そのまま使う

ネットタイプの糸くずフィルターは、使うほど生地が薄くなったり、小さな穴が開いたりします。

わずかな破れでも、そこから糸くずがすり抜けるようになると、フィルターの役目は大きく落ちます。ゴミを止めるための壁が欠けた状態になり、洗濯水の中に糸くずが戻りやすくなります。

破れたフィルターを使い続けると、衣類にゴミが付くだけでなく、洗濯槽の内側や排水まわりに糸くずが回り込みやすくなります。目に見えない場所にゴミが残ると、ニオイや汚れの原因にもなりやすいので、破れに気づいたら交換する方が安心です。

4.外したまま運転する

掃除のあとに糸くずフィルターを戻し忘れたまま洗濯を始めてしまうことがあります。

この状態は、ゴミを受け止める場所がないので、糸くずが洗濯水の中をそのまま回りやすくなります。洗い上がりに細かなゴミが残ったり、服に糸くずが付いたりしやすいのはこのためです。

また、フィルターを外したままだと、衣類のボタンや小物が入り込みやすくなります。異音がしたり、違和感が出たりする原因になることもあるので、付け忘れに気づいた時点で必ず取り付けてから運転したいところです。

5.仕組みを知らずに乱暴に扱う

糸くずフィルターは、目の細かいネットや小さなすき間でゴミを集める作りです。汚れを落とそうとして強くこすったり、爪で引っかけて引っ張ったりすると、目が広がったり破れたりすることがあります。見た目は戻っても、ゴミがすり抜けやすくなると意味がありません。

熱湯をかけて消毒しようとするのも避けたい行為です。プラスチックの枠は高い温度で変形することがあり、少し歪むだけでも取り付けにくくなったり、隙間ができたりします。糸くずフィルターは「きれいにする」よりも「形を保つ」ことが大切な部品です。

糸くずフィルターの基本的な手入れ

洗濯機の糸くずフィルター

NG行為を避けるうえで、難しい掃除は必要ありません。まずは、洗濯の流れの中で無理なく続けられる形にしておくことが大切です。

ゴミを溜めないことと、傷めないことを意識するだけで、汚れ戻りやニオイの悩みは起きにくくなります。ここでは、基本だけを整理します。

  • 洗濯が終わったらゴミを捨てる
  • ヌメリが気になったら水で洗う
  • 破れや変形があれば交換する

水で洗う時は、強くこすらず、流しながら軽く汚れを落とすのが無難です。

黒ずみが気になる場合は、家庭用の漂白剤を使うこともありますが、長時間のつけ置きは素材を傷めることがあるため、短時間で切り上げてよくすすぐ方が安心です。熱いお湯での消毒は変形の原因になりやすいので避けましょう。

糸くずフィルターを意識すると、洗濯の不満は減らしやすい

洗濯の仕上がりに不満を感じると、洗剤や洗い方を変えたくなりがちです。ただ、糸くずフィルターが本来の役目を果たしていない状態では、どんな工夫をしても効果は出にくくなります。

ゴミを溜めない、破れや付け忘れを放置しない、乱暴に扱わない。どれも特別なことではありませんが、ここを外すと洗濯の質は少しずつ下がっていきます。

糸くずフィルターは目立たない存在ですが、洗濯機の中では重要な通り道です。洗剤を替える前に、まずフィルターの状態を一度見るだけで、糸くず戻りやニオイの悩みが軽くなることもあります。

毎回完璧を目指す必要はありません。小さな確認を習慣にすることが、安定した洗い上がりにつながります。

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