木の食器にやってはいけないNG行為9つ…長く使うために避けたい習慣

木の食器は、ぬくもりと自然な風合いで人気がありますが、扱いを間違えるとカビやひび割れなどが起こりやすい繊細な素材です。この記事では、木の食器にやってはいけないNG行為とその理由を詳しく解説し、長持ちさせるための基本のケア方法を紹介します。

木の食器はなぜ特別な扱いが必要なのか

おしゃれな木の食器

木の食器は、陶器やガラスにはない温かみや軽さが魅力ですが、水分や温度に敏感な天然素材です。

木は「呼吸する素材」ともいわれ、湿度や熱の影響で伸び縮みします。この性質を理解せずに使うと、反りやひび割れ、さらにはカビの発生につながります。

また、木の表面は目に見えない細かい穴(多孔質構造)を持っており、水分や油分を吸収しやすいのも特徴です。だからこそ、間違った洗い方や保管をすると、表面が傷んだり、黒ずんだりしてしまうのです。

この記事では、そんな木の食器を長く愛用するために避けるべき「やってはいけない行為」を整理し、それぞれの理由をわかりやすく紹介します。

木の食器にやってはいけない9つのNG行為

木の食器は少しの扱い方で寿命が変わります。ここでは多くの人がやってしまいがちなNG行為を取り上げ、それがなぜ良くないのかを解説します。

1. 汚れたまま長時間放置する

木の食器は、汚れや油分を吸い込みやすい素材です。特にカレーやトマトソースのように色素が強い料理をそのままにしておくと、色やにおいが木の内部にまで染み込んでしまいます。

汚れが残った状態で時間が経つと、表面の水分が抜けにくくなり、菌が繁殖してカビの原因にもなります。

食後はできるだけ早く洗い、ぬるま湯と中性洗剤でやさしく汚れを落とすことが大切です。時間を置くほど、木の中まで汚れが沈着して落としにくくなります。

2. 水に長時間浸ける

シンクに溜めた水に食器を浸け置きするのは、木製には禁物です。木は水分を吸収しやすいため、長く水に浸しておくと内部まで水を含み、乾燥するときに歪みやひび割れを起こします。

また、吸い込んだ水分が内部で乾ききらないまま放置されると、カビや黒ずみの原因になります。特に梅雨時期や湿度の高い季節は、わずかな水残りでもカビが発生しやすくなります。

洗うときは短時間で済ませ、すぐに水気を拭き取るのがポイントです。

3. 湿ったまま収納する

洗ったあとに自然乾燥を待たず、まだ湿っている状態で食器棚にしまうのもよくありません。密閉された空間では湿気がこもりやすく、木の内部に残ったわずかな水分からでもカビが繁殖します。

完全に乾いたことを確認してから収納するのが理想です。特に、棚の奥やシンク下など通気の悪い場所での保管は避けましょう。

食器同士を重ねる場合も、間に薄い布やペーパーを挟むと通気性が保てます。

4. 食洗機を使う

食洗器

食洗機は高温で長時間水を噴射し、最後に強力な温風で乾かす仕組みです。木の食器を入れると、木が急激な温度変化と水分膨張を繰り返すことで反りやひび割れを起こすことがあります。

また、塗装やコーティングが施された木製品の場合、熱と圧力で表面の塗膜が剥がれるおそれもあります。

最近では「食洗機対応」の木製食器もありますが、これは特別な耐熱コーティングがされている製品に限られます。基本的には手洗いが最も安全です。

5. 電子レンジで加熱する

木の食器を電子レンジで温めると、内部の水分が急激に加熱され、木材が膨張してひび割れを起こすことがあります。さらに、表面の塗装が熱で変質したり、剥がれたりすることもあります。

特にオイル仕上げの食器は、塗られている油分が熱で酸化し、変色やにおいの原因にもなります。電子レンジを使うと一度で形が変わってしまうこともあるため、木製品では避けましょう。

6. 冷蔵庫や冷凍庫に入れっぱなしにする

木は急激な温度や湿度の変化に弱い素材です。冷蔵庫の中は空気が乾燥しているため、長時間入れておくと木の水分が抜け、表面がひび割れやすくなります。また、冷蔵庫の中で発生する食材のにおいが木に移ってしまうこともあります。

どうしても冷蔵庫で保管する必要がある場合は、ラップや容器を使い、数時間以内の短時間に留めるようにしましょう。

7. 漂白剤や強い洗剤を使う

木の食器には、塩素系漂白剤や強アルカリ性の洗剤は使わないほうがよいでしょう。

これらの強力な洗剤は、木の内部に染み込みやすく、表面を保護している天然の油分を奪ってしまいます。油分がなくなった木は乾燥してひび割れを起こし、表面がザラザラになってしまいます。

また、漂白剤の成分が木に残り、においや変色を引き起こすこともあります。日常の汚れには、食器用の中性洗剤を使ってやさしく洗うのが適切です。

8. 固いたわしや研磨剤でゴシゴシ洗う

木製食器の表面はとてもデリケートです。固い金属たわしや研磨剤入りのスポンジで強く擦ると、表面に細かな傷がついてしまいます。この傷に汚れや水分が入り込み、菌の繁殖や黒ずみを招きます。

木の食器を洗う際は、必ず柔らかいスポンジや布を使用し、やさしく丁寧に洗いましょう。細かい溝や角の汚れが気になる場合は、柔らかいブラシや古い歯ブラシを使って軽くこするようにすると良いです。

9. 油っぽい料理を直接のせる

木は油分やにおいを吸収しやすい素材です。そのため、カレーや唐揚げなどの油が多い料理を直接木の皿に盛り付けると、シミやにおいが残りやすくなります。一度吸収してしまうと完全に落とすのは難しく、繰り返すうちに食器が汚れて見えてしまいます。

油分の多い料理を盛る際は、ワックスペーパーや野菜の葉を敷くなど、料理が直接触れないように工夫すると、シミやにおいを防げます。

木の食器を長持ちさせる基本のケア方法

木の食器を長く使うには、「洗う」「乾かす」「潤す」の3つのステップを丁寧に行うことが大切です。木は生き物のように繊細で、少しの違いで寿命が変わってきます。

それぞれのステップについて、理由と具体的な方法を紹介します。

ステップ①食べ終わったらすぐに洗う

木の食器は汚れを吸収しやすいため、食事が終わったら早めに洗うことが基本です。

食べ物の油分や色素が木の内部に浸透すると、黒ずみやシミ、カビの原因になります。特に油っぽい料理やカレーなどを食べた後は放置せず、すぐに洗うようにしましょう。

洗う際は、以下のポイントを守ると効果的です。

  • 30~40℃程度のぬるま湯を使う
  • 中性洗剤を直接つけず、水で薄めて泡立てて使う
  • スポンジや柔らかい布で、木目に沿って優しく洗う
  • 汚れが溜まりやすい溝や角は、柔らかいブラシや歯ブラシで丁寧に洗う

熱すぎるお湯は木の繊維を膨張させ、冷たすぎる水は汚れが落ちにくくなります。ぬるま湯が木にやさしく汚れも落としやすい最適な温度です。

また、洗剤の濃度が濃いと表面の油分が失われやすいため、薄めて泡で洗うと表面を傷めません。

ステップ②すぐに拭いて自然乾燥させる

洗った後は、乾いた清潔な布やキッチンペーパーで水気をすぐに拭き取ります。表面の水をすばやく取り除くことで、水分が木の内部に入り込むのを防ぎ、カビやひび割れを防ぐことができます。

拭き取ったら次のポイントで自然乾燥させます。

  • 直射日光や暖房器具の前を避ける
  • 通気性のよい場所で乾かす
  • お皿は縦置きにすると風通しがよくなり早く乾く
  • 湿度が高い季節は乾燥時間を長め(6~8時間)に取る

木の食器は、急激な温度や湿度の変化に敏感です。直射日光や暖房の温風で急激に乾燥させると、表面と内部で乾燥スピードが異なり、歪みや割れが起こります。

風通しのよい日陰でゆっくり自然乾燥させることが理想的です。

ステップ③定期的にオイルで保湿ケアをする

木の食器は使っているうちに自然な油分が抜けてしまい、手触りがカサカサしたり、色が薄くなったりしてきます。これが続くとひび割れや反りの原因になるため、月に1回程度、オイルで保湿を行いましょう。

保湿ケアのポイントは以下の通りです。

  • 使用する油はくるみ油、亜麻仁油、えごま油など乾性油を使う
  • 布に米粒2~3粒分ほどの少量を取って、薄く均一に塗り伸ばす
  • 30分~1時間放置して油分を木に浸透させる
  • 余分な油分は必ず乾いた布でしっかり拭き取る
  • 最後に一晩以上風通しの良い場所で乾かす

オリーブオイルなどの乾きにくい油はべたつくため、できるだけ乾性油を使うと快適に仕上がります。定期的にオイルを塗ることで木が呼吸しやすくなり、ツヤや防水性が回復します。

塗るたびに木目が鮮やかになり、木の食器を育てる楽しみを味わえます。

まとめ

木の食器は、正しく扱えば何年も使える優れたアイテムです。天然素材であるがゆえの繊細さはありますが、ひと手間を惜しまなければ、使うほどに風合いが増し愛着が湧いてきます。

普段の食卓にさりげなく木の食器を取り入れることで、食事の時間をもっと温かく、豊かなものにすることができます。難しく考えずに、楽しみながら長い付き合いを続けてください。

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