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入浴剤の残り湯は洗濯できる!
入浴剤を入れた残り湯で洗濯しても大丈夫です。入浴剤には色素・香料、そしてその他の有効成分が配合されていますので、衣類に影響がありそうで洗濯するのをためらっているかもしれませんが衣類への影響はほとんどありません。
使用する前に入浴剤の使用方法の注意書きを確認しましょう。市販の入浴剤のパッケージには、残り湯を洗濯に使えるかどうかが書かれています。洗浄力にはほとんど影響はありませんので、洗濯に使えないと明記されているもの以外は、ほぼ大丈夫といえるでしょう。もし洗濯に関して何も書かれていない場合、色のついている入浴剤入りの残り湯での置きは避けたほうが無難なようです。
入浴剤の残り湯の洗濯方法
残り湯で洗濯OKの入浴剤でも、色つきの入浴剤の場合、残り湯の色が衣類へ着色することもまれにあります。
考えられることとして次のことがあげられます。
- 柔軟剤との併用がNGの入浴剤の残り湯に柔軟剤を入れてしまった
- 色つきの入浴剤の残り湯に長時間つけおきした
衣類用柔軟剤を併用した場合
入浴剤の中には「残り湯と柔軟剤の併用はNG」のものもあります。併用することで着色してしまった可能性がありますので、入浴剤の注意書きを確認しましょう。(※1)ただし柔軟剤入り洗剤は使っても問題はないようです。
もし、うっかり柔軟剤を入れて着色してしまった場合、洗剤で洗濯しなおせば比較的簡単に洗い落とすことができるようです。それでも落ちない時には、漂白剤を使用してみてください。
このようなことを防ぐ方法として、入浴剤が入っている残り湯を洗濯に使用する時は、洗剤で洗ったあと、水道水でよくすすぎ、残り湯をしっかり落としてから柔軟剤を使用することをおすすめします。
なお、着色の原因が入浴剤とは全く関係ない場合もあります。よくあるケースとして、「色物と白地の衣類を一緒に洗濯した時の移染」や「水中の鉄イオン(Fe3+)による黄ばみ染着」などが考えられます。
入浴剤の残り湯の注意ポイント
お風呂の残り湯でお洗濯をする際の注意点や、ちょっとしたコツをいくつかご紹介します。
残り湯と柔軟剤を一緒に使わない
柔軟仕上げ剤を入れるときに残り湯を使うと、まれに、入浴剤の色素が洗濯物に染着することがあります。また、前回の洗濯の際の柔軟仕上げ剤が洗濯物に過剰に残っていたりすると、その部分に染着する可能性があります。それを防ぐためにも柔軟仕上げ剤は決められた分量を使うようにしてください。
残り湯でおろしたての衣類を洗濯しない
おろしたての衣類は、あらかじめ柔軟仕上げがされていることがありますので、同じように入浴剤の色素が洗濯物に染着する可能性があります。こちらの場合も残り湯は使わず、水道水でお洗濯してください。
残り湯でつけおきはしない
つけおきすることによって、入浴剤の色素が洗濯物に接触する時間が長くなり、洗濯物に染着する可能性がより高くなります。
すすぎは清水を使う
洗濯の最終段階で残り湯を使うと、色鮮やかな入浴剤の色素がそのまま洗濯物に残ってしまう可能性があります。また、残り湯には雑菌が多いため、洗濯物が臭くなる原因になりますので、最終段階のすすぎの際には必ず水道水を使うようにしてください。
入浴剤を使っている場合は取扱い説明書を確認する
入浴剤を入れた残り湯で洗濯できるかどうかは、実際のところ、その入浴剤の種類によって異なります。ですので、使用した商品のパッケージを見て確認してみてください。ほとんどの市販の入浴剤のパッケージには、残り湯を洗濯に使えるか書かれています。入浴剤パッケージに「残り湯は洗濯に使えません」と明記されているもの以外はほぼ大丈夫といえるでしょう。
お風呂に入浴剤を入れている場合には、入浴剤の説明書きに残り湯を洗濯に使用できるか、そうでないかの記載があるかチェックしてみましょう。
塩が含まれているものは要注意
バスソルトなどは塩ですので、これでお洗濯をすると衣類をいためてしまいます。岩塩などミネラル分が多い入浴剤を入れた残り湯を使った場合、カルシウムやマグネシウムなどミネラル分が、石鹸と結合して洗浄力を持たない金属石鹸に変えてしまうため、石鹸の泡立ちがいつもより弱く感じるかもしれません。
不快臭をおさえる
入浴剤には香り付きのものが多いので、洗剤や柔軟剤の香りと混ざって不快臭になってしまうことがあります
雑菌の繁殖を抑える
残り湯に重曹を入れておくことで、水がアルカリ性になり、雑菌の繁殖を防いでくれる役割があります。洗濯洗剤に除菌・抗菌成分が配合されているものを使用したり、酸素系漂白剤を投入することも有効です。
残り湯を上手に使うコツ
洗濯機に「残り湯洗濯機能」が搭載されているモノもありますが、「残り湯洗濯機能」が付いていない場合には、市販のバスポンプやバケツを使ってみましょう。
手順
- 洗濯機に洗濯物を入れ、バスポンプをセットする、もしくは、バケツを使い、残り湯を洗濯機に入れる。
- 洗濯物が完全に浮く程度の水量になったら、洗剤を入れ洗濯をスタートさせる。
2回目(最終段階)のすすぎは水道水で
お風呂の残り湯には、確かに雑菌が多く繁殖し、一晩おいておくとその数は1,000倍に増えているとのデータもあります。そのようなお風呂の残り湯を、洗濯の洗いからすすぎまでの全ての工程で使用してしまうと、雑菌や垢が洗濯に残ってしまう可能性もあり、臭いの元にもなります。
そのため、お風呂の残り湯をお洗濯に使用する場合には「洗いの工程でのみ」使用することを心がけましょう。そうすれば、洗濯物に雑菌や垢が残る可能性もほぼありませんので、臭いがつくこともなく清潔です。もし、すすぎの際も残り湯を使いたい場合は、すすぎの1回目までにしましょう。2回目(最終段階)のすすぎを水道水で行うのであれば、残り湯程度の汚れは洗い流すことができますので大丈夫です。
重曹で残り湯の臭いを取る
残り湯が少々濁っていても、洗濯の際、洗剤がしっかり泡立つ状態であれば、汚れを包み込んで洗い流してくれるので再付着の心配もいりません。それでも少々の濁りが気になるようなときには、残り湯にスプーン1杯程度の重曹を入れておくことで、水がアルカリ性になり、雑菌の繁殖を防ぎ、臭いをとってくれる役割があります。
水温をできだけ高く保つ
洗濯するときまで水温をできるだけ高いまま保てるよう、浴槽にはフタをしておきましょう。
お湯を汚さないよう注意する
バスタブに浸かる前にきちんと身体を流してから入浴し、お湯を汚さないよう気をつけましょう。バスタブ内にタオルを浸けないことや、ゴミや髪の毛が浮いていたら取り除くようにするなどして、残り湯をできるだけ清潔に保つことも大切です。
給水ポンプも清潔にする
バスタブや風呂釜の掃除をして常に清潔な状態を保ちましょう。そして、給水ポンプのお手入れも定期的に行ってください。ポンプ吸い込み口のヌメリなどはブラシや束子でよくこすり、内蔵フィルターも定期的に取りだして水洗いします。
お風呂の残り湯で洗濯するメリット
皮脂などの脂汚れは水温が高いほうがよく落ちますので、お風呂の残り湯の方が蛇口から出す水より洗浄力が上がります。ちなみに、皮脂よごれの融点は48℃ですが、その90%は37℃で溶解して液体となります。石鹸を充分に溶かして効率よく洗濯するためには、最低でも20℃程度の水温が必要です。
夏場は蛇口から出したての水でも20℃を越えていることが多いですが、東京都を例に取ると、11月~5月は水温平均が20℃を下回っています。お風呂の残り湯だと、冬でも20℃以上あることが多いので石鹸がうまく溶け、効率的に汚れを落とすことができます。
入浴し終えた直後の40℃以上ある残り湯はそのまま高温洗濯に使えます。40℃以上のお湯で洗濯をすることを高温洗濯といいますが、これは低温で洗ったときと比較して汚れ落ちが格段にアップします。
洗い1回分、すすぎ1回分の水道水を使わなくて済むということは、水資源の有効利用になり、下水処理場への負荷が減るだけでなく、水道代の節約にもなります。ただし、最後のすすぎだけは必ず蛇口からの水道水を使ってくださいね。
部屋干し臭とは、衣類に残っている皮脂汚れなどが変質したり、それをエサにして雑菌が繁殖することが原因なので、衣類の汚れがきっちり落ちていればそれほど臭くなりません。といことは、冷たい水よりも汚れをよく落とせる残り湯での洗濯は、部屋干し臭の対策にもなるでしょう。
まとめ
東京都内では7割以上の人がお風呂の残り湯を洗濯に利用すると言われています。お風呂の残り湯を洗濯に使う一番のメリットは「節約」かもしれませんね。入浴剤を入れた残り湯を使うことの衛生面が気になる方は「お風呂に入ったその日のうちに使う」や「最後のすすぎは水道水を使う」「浸け置きをしない」などを心がけましょう。