梅干しを冷蔵保存するときのNG行為7つ…風味を落とさないための基本ルール

梅干しは塩分濃度によって保存方法が違います。特に減塩タイプは冷蔵庫での保存が欠かせませんが、間違った方法で保存すると傷みやすくなります。この記事では梅干しを冷蔵保存する際に避けるべきNG行為と、正しい保存方法をわかりやすく解説します。

梅干しの冷蔵保存でよくある間違いとは?

カメに入った梅干し

梅干しは保存が効く食品として知られていますが、近年では健康を考えて減塩タイプを選ぶ人が増えています。

ところが、塩分が少ない梅干しは常温保存が難しく、冷蔵保存が欠かせません。しかし冷蔵庫に入れれば安心というわけではなく、保存方法を間違えるとカビや乾燥などさまざまな問題が起こります。

そこで、ここからは梅干しを冷蔵保存する際に避けるべき行為と、その理由を具体的に説明します。

梅干しを冷蔵保存する際に避けるべき7つのNG行為

南高梅

梅干しを冷蔵庫に保存する際、気づかずにやってしまいがちなNG行為があります。それらを避ける理由を説明しますので、当てはまっていないかチェックしてください。

1. 容器のふたをゆるく閉めている

冷蔵庫の中はとても乾燥しています。そのため、容器のふたがゆるいと梅干しが乾燥して固くなってしまい、本来の柔らかさや味が損なわれます。

また、冷蔵庫にはいろいろな食品が入っているため、密閉が不十分だと他の食品のにおいが梅干しに移ってしまいます。

梅干しは必ず密閉できる容器に入れ、ふたをしっかり閉めましょう。

  • 密閉性の高いガラスやホーロー容器を使う
  • ラップをしてからふたを閉める

2. ぬれたスプーンやはしを使って取り出す

梅干しを取り出すときに、料理で使ったぬれたスプーンや、唾液が付いたはしを使っていませんか? 実はこの行動がカビや雑菌の原因となります。水分や唾液が容器内に入ると雑菌が繁殖しやすく、梅干しが早く傷んでしまいます。

梅干しを取り出すときは、必ず清潔で乾燥したスプーンやはしを使い、取り出した梅干しは容器に戻さないようにしましょう。

  • 専用の取り出し用スプーンを使う
  • 毎回洗って乾燥させておく

3. 金属の容器に入れている

梅干しは塩分と酸が強いため、金属の容器に入れて保存すると容器が錆びたり、金属の成分が溶け出す恐れがあります。錆や金属の成分が梅干しに付着すると味が悪くなるだけでなく、健康にも良くありません。

そのため、梅干しを保存するときは必ずガラス、ホーロー、陶器など酸や塩分に強い容器を使うようにしましょう。

  • 金属容器は使わない
  • フタやパッキンも金属以外の素材にする

4. 冷蔵庫のドアポケットに置く

梅干しを冷蔵庫に入れるときに、取り出しやすいからといってドアポケットに置いていませんか?実は、ドアポケットは冷蔵庫の中で一番温度が変化しやすい場所です。

扉を開け閉めするたびに温度が上下するため、容器内に水滴が発生しやすくなります。その水滴はカビや雑菌が繁殖する原因となり、梅干しが早く傷んでしまいます。

梅干しは冷蔵庫内の奥や中段など、温度が安定している場所に置くようにしましょう。

  • ドアポケットには置かない
  • 奥や中段に置いて温度を一定に保つ

5. 冷蔵庫から頻繁に出し入れをする

梅干しを冷蔵庫から頻繁に出し入れすると、容器の中で急激な温度変化が起きます。その結果、容器の内側に水滴がつきやすくなり、梅干しにカビが発生する原因になります。

特に減塩タイプはカビが生えやすいので注意が必要です。また、常温に出しておくことで梅干しの鮮度や風味も損なわれやすくなります。

梅干しを使うときは手早く取り出し、使い終わったらすぐに冷蔵庫に戻すようにしましょう。

  • 使う分だけ別容器に移して使う
  • 出したら短時間で冷蔵庫に戻す

6. 大きすぎる容器で保存を続ける

最初はたくさんあった梅干しも、食べ進めて減ってくると、容器の中に空気が増えます。空気が多くなると梅干しが乾燥しやすくなり、風味が落ちたり硬くなったりします。

さらに、容器の中の空気が多いと結露も起こりやすく、カビの原因にもなります。梅干しが減ってきたら小さな容器に移し替えて、できるだけ空気に触れる面積を減らしましょう。

  • 梅干しが減ったら小さい容器に移す
  • 小分けして空気に触れさせない

7. 梅酢を捨てて保存する

梅干しの容器に入っている梅酢を「余計な汁」と思って捨ててしまう人もいますが、これはNGです。

梅酢には梅干しを守る役割があり、実が乾燥したり酸化したりするのを防ぎます。また梅酢には殺菌効果があり、カビや雑菌が繁殖しにくくなっています。梅酢を捨てると梅干しが乾燥してしまい、風味も落ちやすくなります。

梅干しは梅酢に浸かった状態で保存するか、梅酢が少ない場合は落としラップなどを使って実が空気に触れないように保存しましょう。

  • 梅酢は捨てずに使う
  • 梅酢が足りない場合はラップで保護

梅干しの正しい保存方法

梅干しを傷ませず美味しく保存するには、種類や環境に合った適切な方法を実践する必要があります。ここでは、梅干しの種類別に正しい保存方法をわかりやすく紹介します。

塩分濃度によって保存場所を決める

梅干しは塩分濃度によって保存方法が異なります。

昔ながらの塩分が高い梅干し(15%以上)は、常温保存でもカビが生えにくく、冷暗所なら約1年ほど保存できます。ただし、湿度や温度が高くなる夏場や梅雨の時期には冷蔵庫で保存するのが安心です。

一方、塩分が少ない減塩タイプ(8〜10%程度)は常温保存が難しく、冷蔵庫で保存し、開封後は早めに食べ切りましょう。

梅干しに合った容器を選ぶポイント

梅干しを保存する容器は酸や塩分に強いものを選びましょう。

特にガラス製やホーロー製、陶器の容器が適しています。プラスチック容器は軽くて使いやすいですが、匂いが移りやすいため専用にしましょう。

また、金属製の容器やフタは酸で錆びやすいため避けましょう。容器は事前に熱湯消毒やアルコール消毒をして乾燥させておくと、さらに安心です。

梅酢の正しい使い方

梅干しを保存するときは梅酢を捨てずに活用しましょう。

梅酢は殺菌効果があるため、梅干しがカビたり乾燥したりするのを防いでくれます。梅干しが梅酢に浸るように保存すると長持ちします。

梅酢が少ない場合は落としラップを使って梅干しを空気から守りましょう。また、梅酢自体も料理やドレッシングに活用できます。

冷蔵庫内でおすすめの置き場所

梅干しを冷蔵庫に入れる場合は、温度が安定した場所を選ぶことが大切です。ドアポケットや扉近くは避け、冷蔵庫の奥や中段に置きましょう。

また、においの強い食品から離しておくと梅干しの風味を保てます。頻繁に取り出す場合は、小分けの容器に移して使うと便利です。

長期間保存したい場合は「冷凍」がおすすめ

梅干しを長期間保存したい場合は冷凍保存も可能です。冷凍する際は1粒ずつラップで包み、保存袋に入れて空気を抜き、冷凍庫に入れましょう。

冷凍保存した梅干しは半年程度は風味を落とさず保存できます。解凍するときは、食べる分だけ常温で自然解凍すると、美味しく食べられます。

まとめ

3種類の梅干し

梅干しは保存が効く食品だからといって、何も気をつけずに放置しておくと意外と早く傷んでしまいます。正しい保存法を実践することは、食品ロスを防ぐだけでなく、梅干しが持つ本来の栄養成分を長期間保つためにも有効です。

また、梅干しには抗菌作用のあるクエン酸が含まれているため、正しく保存するとキッチン周りの衛生管理にも役立ちます。毎日の健康維持や食事を美味しく楽しむためにも、ぜひここで紹介した保存方法を取り入れて、梅干しを無駄なく美味しく食べきりましょう。

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