目次
のし袋の種類と選び方
結納・結婚など
結納や結婚の時などに使うのし袋は、一般的に使用するお祝いとは異なる豪華で華やかな祝儀袋を使います。飾り紐の「水引」の数は10本が好ましく、結婚が一生に一度きりでありますようにという思いから、一度結んだらほどくのが難しい「結び切り」「あわじ結び」を選びます。
結婚のお祝いの時は、ほどいても何度も結び直せる「蝶結び」は選ばないように気をつけてくださいね。水引の色は「紅白」「金銀」がお祝いの熨斗袋には一般的でしたが、最近では淡いパステル調の明るい色の袋や水引も多くなっています。
豪華なタイプののし袋は、包む金額とご祝儀袋のタイプは合わせるというマナーがありますので、金額が多い場合のみ使います。おしゃれなご祝儀袋は親しい友人などに使うのが無難で目上の人や職場の上司に渡す場合は通常のタイプのご祝儀袋を選ぶのがよいでしょう。
一般的な慶事
結婚祝い以外の一般的なお祝いの時に使うのし袋は、水引が紅白か金銀のもので、何度でも結び直すことができる「蝶結び」を選びます。
これには出産祝いや長寿祝いなどのように何度あっても良いという意味が込められていますが、地域によっては一般のお祝いにも結び切りが用いられる地域もあります。
一般的な慶事とは、主に「出産祝い」「七五三のお祝い」「入学祝い」「合格祝い」「長寿祝い」お中元やお歳暮などのご挨拶や神社への祈祷などがあります。どれも繰り返しお祝いしたいもののため蝶結びののし袋を選びます。
病気見舞い
病気見舞いは、おめでたいこととは違い病気を延ばさないようにとのしをつけない場合が多いです。ただ地域によっては、めでたくなるようにと祈ることでのしを付ける場合もあるそうです。
病気のお見舞いにのし袋を使う際は、水切りは紅白の色が一般的で「お見舞い」と印刷されているものを使います。
のし袋の正しい書き方
上包みに名目と氏名を書く
のし袋には袋の表側の上段に「寿」「御祝」などの贈る名目を書きますが、祝儀袋に印刷されていることも多いためその場合は自分で書く必要はありません。
もし自分で書く場合は喜びを祝うという意味を込めて、濃い色の墨などの毛筆が好ましいですが、無ければ筆ペンやサインペンなどを使います。水引の真ん中部分に、名目より小さ目の文字ではっきりと書くようにしてください。
薄墨の筆やボールペン、万年筆はNGとされていることと、誤って贈る相手の名前を書いてしまうケースがありますので注意しましょう。
連名で書く場合
夫婦や家族でご祝儀を渡すような場合は、順番は一番右側に世帯主の名前を、左側に世帯主以外の家族の名前を記入します。苗字は全てにつけても構わないとされています。職場の同僚や友人など夫婦でない場合は、立場や歳の上の人を右側にして、左側の順にします。
立場などが関係ない場合は五十音順に書きます。連名の人数は3名くらいまでで、4名以上になる場合は代表者の名前を中央に書き、左側に「外一同」とします。全員の氏名は、同封する別紙に書き、会社名を記載する場合は名前よりも小さめの文字で氏名の右側に書くようにします。
中袋は漢数字を使う
中袋には表側に金額を漢数字で書き、裏に氏名と住所を書きます。金額を記入する際は「金○萬円」と数字は旧字体で書くのが正式な書き方ですが、通常の漢数字でも差し支えは無いようです。「一・二・三・五・七・八・十・万」⇒「壱・弐・参・伍・七・八・拾・萬」となります。
熨斗袋に入れるお札の入れ方と折り方
新札を用意する
御祝いごとのため包むお金は必ず新札を用意して、向きをそろえて、お札に印刷されている人物の顔が見えるように入れます。アイロンでお札のしわを伸ばす方法もありますが、結婚式などは前もってわかっていることなので、当日に慌てないよう早目に新札を用意しておきましょう。
中包の包み方
奉書紙は裏側を上にして、お札の表が上になるようにします。お札の下側を折り曲げたら左側から右側の順番で折るようにします。上側はお札の幅に合わせて余った部分は内側に折りこみ、折り返した部分の空きが左上側になるようにしましょう。
のし袋の折り方
「幸福を受け取める」という意味で、下側の折り返しを上に重ねて折るようにします。折り方を逆にしてしまうとお悔みごとの折り方になりますので間違わないようにします。
のし袋に入れる金額相場とマナー
結婚式
のし袋に入れる金額の相場は贈る側の立場、関係によって変わります。
- 知人・友人・職場の同僚:3万円が一般的
- 夫婦で一緒に参列する場合:2人で5万円
- 結婚式に出席しない場合や未成年の子供:1万円
- 兄弟・姉妹、親戚などの親族:5万円~10万円
未成年の子供は親と一緒というケースがほとんどです。
結婚式以外
成人のお祝いの相場は1~5万円です。成人を迎えることで出費が多くなるため、親への援助という形で用意されるのが一般的です。就職のお祝いの相場は1万円前後が多いようです。入社式の1ヶ月前を目安に渡すのが良いですが、遅くても入社後1ヶ月以内には渡すようにしましょう。
また、出産のお祝いは相手との関係性によって金額の目安が異なり、兄弟姉妹の出産には1万円~3万円、親戚や友人の場合は3千円、5千円、1万円。職場の上司は5千円が相場となっています。
マナー
2人の仲が割れないようにと慶事には昔から割り切れない数字の「奇数」がよいとされています。ただし、現在では2という数字はペアとしてとらえて2万円でも良いとされています。末広がりの意味も縁起が良いとのことで8という数字も良いそうです。
さらに10万円を贈ることも偶数ですがおかしくありません。間違っても日本では死や苦しむことを連想させる4と9は避けるようにしましょう。
そしてもう一つ覚えておくことは、ご祝儀袋は包む金額とマッチしているものを選びます。3万円を包む場合に、豪華で高価なご祝儀袋に入れるというのはマナー違反になりますので気をつけましょう。
のし袋とは
のしとは延ばす、延びるに通じる意味を持ち「あわびのし」と呼ばれ、アワビをのして乾燥させた保存食とされていました。古来の中国であわびは不老長寿の薬効があるとされていたため、寿命を延ばすおめでたいものの象徴とされ、お祝いごとの贈り物に用いられていました。その名残としてのし袋の右上にあるイラストのようなものとして現在でも用いられています。
最後に
さまざまな場面で使うのし袋ですが弔事の時に使うのし袋は「白黒」または「グレー」の水引です。結び目は繰り返さない意味の結び切り、あわび結びです。
弔事などのお悔みの時に使うため、おめでたい意味を込めている「のしマーク」が付いているものは使っていけませんので気をつけましょう。