目次
毎年多くの事故が発生!海の安全に要注意
毎年夏になると、海で遊ぶ人が増え、それと同時に水難事故も多発しています。2024年には全国で1,535件の水難事故が発生し、死者・行方不明者は816人にのぼりました。そのうち約半数は海での事故です。
海はとても楽しい場所ですが、一瞬の判断ミスが命取りになります。そこで、絶対に海に入ってはいけないサインを知っておく必要があります。
絶対に海に入ってはいけないサイン6つ
海には、誰でもすぐ気付ける危険なサインがあります。これらのサインが出ている時に海に入ることは、命を危険にさらす行為になります。
①赤い旗が立っている
海水浴場で赤い旗が立っている場合、それは「遊泳禁止」の合図です。これは波が非常に高かったり、離岸流と呼ばれる強い沖への流れが発生している時に立てられます。赤い旗が見えたら絶対に海には入らず、浜辺で過ごすようにしましょう。
②波が高くなっている
海で事故が起きる主な原因は高波です。見た目にわかるほど波が高く荒れている場合は非常に危険です。特に「土用波」と呼ばれる大きな波は、遠くにある台風の影響で突然やってきます。
このような波は、予測が難しく、急に足元がすくわれるほど強力です。波が高くなったら、海からすぐに出るようにしましょう。
③遠くに黒い雨雲や雷が見える
遠くに黒い雲や稲光が見えたら、海がすぐに荒れる可能性があります。黒い雲は強い風や大雨をもたらし、急激に海の状況を変化させます。また、雷は海面に落ちると感電の恐れがあります。雨雲や雷が見えた時は、海から速やかに離れる必要があります。
④強い風が急に吹いてきた
海で遊んでいる最中に急に強い風が吹き始めた場合は、沖合で波が高くなっていることが多く、短時間で浅瀬まで波が押し寄せる危険があります。特に子供や泳ぎに自信がない人はすぐに海から上がるようにしましょう。
⑤お盆の時期(8月13~16日頃)
昔からお盆の時期は「海に入ってはいけない」と言われています。実はこの期間、台風の影響で土用波が多く発生し、離岸流も強くなりやすく、さらにクラゲも増えます。
そのため事故が多く発生する時期なのです。「ご先祖様に足を引っ張られる」という迷信もありますが、実際には波や離岸流が危険なため、この期間の海水浴は避けましょう。
⑥防波堤や突堤、岩場付近
防波堤や突堤など人工物の周辺は離岸流が非常に発生しやすく、急に沖に流される危険があります。また岩場付近は海藻などで滑りやすく、転倒や怪我のリスクも高まります。安全な場所から離れないようにしましょう。
海で絶対にやってはいけないNG行動
海では安全に楽しむために守るべきルールがあります。特に次に紹介する行動は事故に直結するので、絶対にやめましょう。
お酒を飲んだ状態で泳ぐこと
飲酒すると判断力や注意力が低下し、さらに体温調整や運動機能も鈍くなります。泳いでいる最中に急に体が動かなくなったり、波に対応できなくなったりする危険があります。海で遊ぶ日はお酒は控え、安全を最優先しましょう。
遊泳禁止のエリアに入ること
「遊泳禁止」と書かれたエリアやロープで区切られた場所には絶対に入らないでください。そのようなエリアは離岸流が発生しやすい、岩が多いなどの理由で非常に危険だからです。ルールを無視して泳ぐと、命に関わる事故につながります。
モーターボートや水上バイクを遊泳エリアで使うこと
遊泳エリア内やその近くでモーターボートや水上バイクを使用すると、泳いでいる人と衝突する危険があります。大きな怪我や死亡事故を引き起こす可能性があるため、絶対に避けましょう。これらの乗り物を使う場合は、指定された専用エリアを必ず守ってください。
子どもから目を離すこと
海での事故の多くは、子どもから目を離した時に起きています。海ではほんの一瞬でも波や潮の流れにより子どもがさらわれる危険があります。大人が交代で見守るなどして、子どもから絶対に目を離さないようにしましょう。
安全に海を楽しむために大切なこと
ここまでは危険なサインや行動をお伝えしましたが、実際に海を安全に楽しむためには、事前の準備や対策も重要になります。
海に行く前に必ず確認すること
安全に楽しむために、次のことを事前にチェックしましょう。
- 波浪警報や注意報が出ていないか(気象情報を確認する)
- 海水浴場に監視員やライフセーバーがいるかどうか
- 海水浴場にクラゲ防止ネットが設置されているかどうか
特に波浪警報や注意報が出ている日は、絶対に海に行くのを中止しましょう。
ライフジャケットを着用しよう
泳ぎに自信がある人でも、ライフジャケットは着用するようにしましょう。特に子どもは、少しの波でも流されやすいため必須です。ライフジャケットを着けるだけで、万が一流されても浮力が保たれ、命が助かる可能性が飛躍的に高まります。
クラゲや日焼けの対策を忘れずに
夏の海ではクラゲが大量に発生しやすく、刺されると非常に痛みます。刺傷事故を防ぐため、長袖のラッシュガードやマリンシューズを着用しましょう。また日焼け対策として、帽子や日焼け止めクリームを使用して熱中症のリスクを防ぎましょう。
まとめ
海の事故を防ぐために最も大切なのは、「少しでも迷ったら海に入らない」という決断です。特に「みんな入っているから大丈夫だろう」「少しくらい平気」と軽く考えないことが重要です。
また、周囲の状況や他人の行動だけでなく、自分自身の体調にも気を配りましょう。万が一事故が起きた場合には、自分で無理に助けようとせず、すぐに周囲の人や監視員に助けを求めてください。