『暴力を振るう人』の心理とは?共通する特徴と身を守るための対処法

暴力を振るう人の心理には複雑な要素が絡み合っています。この記事では暴力を振るう人がなぜそのような行動をするのか、その心理と特徴を詳しく解説し、暴力を受けたときの対応方法についてもまとめています。

暴力は絶対に許されない行動

落ち込む女性

どのような理由があっても、暴力は決して許されることではありません。しかし、世の中にはすぐに手を上げてしまう人がいます。実際、令和5年のDV相談件数は88,619件にも達し、年々深刻化しています。

暴力を振るわれた側は、「自分が悪いのかもしれない」と考えてしまいがちです。しかし、暴力を振るう側に問題があり、振るわれた側に責任はありません。

暴力を防ぐためには、暴力を振るう人の心理を理解することが重要です。どのような心理状態が、暴力行為へとつながるのでしょうか。

暴力を振るう人の7つの心理

暴力を振るう人の心理には、本人の育った環境や心理状態、社会的背景など複雑な要因が絡んでいます。どのような心理が暴力を引き起こすのかを一つずつ解説します。

①相手を支配したい気持ちが強い

暴力を振るう人は、暴力によって相手を自分の思い通りにコントロールしようとします。これは「支配欲」と呼ばれる心理で、相手に暴力を振るえば自分の言うことを聞くという間違った認識を持っています。

この支配欲は、自分に自信がないために起こることが多く、暴力で相手を従わせることで自己肯定感を得ようとしています。

②劣等感や自信のなさを隠したい

暴力的な人は、表面的には自信満々に見えても、実際は強い劣等感や自分に対する不安を抱えています。自分の弱さを認めることができず、暴力によってその不安感や弱さを隠そうとしているのです。

また、暴力によって相手が恐怖を感じることで、強さを示した気持ちになり、自分の弱さから逃れようとしているのです。

③ストレスをうまく発散できない

日常的なストレスを上手に発散できない人が、暴力をふるってしまうケースもあります。仕事や人間関係で生まれたイライラや不安を抱え込み、これらの感情を暴力という誤った方法で発散しようとします。

このような人は、最初は物を投げたり、壁を叩くなどの物への暴力から始まり、徐々に人に向かうことがあるため注意が必要です。

④過去に受けた暴力やトラウマの影響

暴力を振るう人の中には、自分自身が過去に暴力を受けたり、幼少期にトラウマとなるような経験をした人も多くいます。過去に受けた暴力が、自分も暴力を使ってしまうという誤った価値観につながることがあります。

本人も気づかないうちに暴力の連鎖に巻き込まれ、意図せずとも暴力的になってしまうのです。

⑤お酒や薬物への依存

アルコールや薬物に依存している人は、感情や衝動のコントロールが効かず、暴力的になることがあります。アルコールを飲んでいるときには特に暴力を振るいやすくなり、刑事事件となったDVのうち約67%が飲酒時に発生しています。

依存症が暴力の原因である場合、暴力をやめさせるためには依存症自体への対応も必要になります。

⑥強い嫉妬心と独占欲

暴力を振るう人には、強い嫉妬心や独占欲が隠れていることがよくあります。パートナーが自分以外の誰かと話をするだけで「自分から離れるのではないか」という恐怖心が生まれ、それが暴力へとつながるのです。

嫉妬心が強いと、パートナーを束縛しようとします。例えばスマホを頻繁にチェックしたり、外出や友人との交流を制限したりします。このような行動が現れたら、暴力の兆候かもしれません。

⑦暴力を正当化する思い込み

暴力を振るう人の中には、「自分の暴力は正しい」と思い込んでいるケースも少なくありません。他人が振るう暴力には厳しい態度を取りますが、自分が暴力を振るう場合は何らかの理由をつけて正当化します。

このような人は自分自身を特別だと思い込んでいるため、自分の行動を客観的に見ることが難しいのです。

暴力を振るう人によく見られる特徴

暴力を振るう人には、いくつかの共通する特徴があります。これらの特徴を知ることで、暴力がエスカレートする前に危険を察知しやすくなります。

  • 普段は穏やかだが、自宅など特定の場所で豹変する
  • 他人の前ではいい人を演じるが、家族やパートナーには支配的な態度を取る
  • 些細なことでも自分の思い通りにならないと不機嫌になったり怒ったりする
  • 他人のミスには厳しく、自分のミスには甘い
  • お酒を飲むと態度が急変する

これらの特徴に当てはまる人には注意が必要です。

暴力を振るわれたときにとるべき行動

電話をかける白いシャツの女性

暴力を振るわれた場合には、決して我慢したり一人で悩んだりせずに、すぐに行動を起こすことが大切です。暴力を受け続けると、心身ともに深い傷を負う可能性があります。以下のような手順で対応しましょう。

まず身の安全を確保する

暴力を受けたら、まず何より自分の安全を最優先に考えてください。その場から離れることが最も重要です。家を出ることが難しい場合は、トイレや別室などに避難し、助けを求める方法を考えましょう。

信頼できる人や機関に相談する

安全を確保した後は、必ず誰かに相談しましょう。相談することで孤立感を防ぎ、適切な対応方法を知ることができます。相談先には以下があります。

  • 警察(緊急時は110番)
  • DV相談ナビ(電話番号:#8008)
  • DV相談+(電話番号:0120-279-889)
  • 地域の役所や女性センターなど公的機関
  • 信頼できる友人や家族

暴力の証拠を残す

暴力を受けた証拠は非常に重要です。写真を撮る、暴言を録音する、日付や状況を記録しておくなど、具体的な証拠を残しましょう。病院で診断書をもらうことも強力な証拠になります。

証拠があれば、警察や裁判所などで適切な保護を受ける際に役立ちます。

法的な保護措置を検討する

状況が深刻な場合は、法的保護措置を検討しましょう。DVに対する保護命令制度があり、加害者への接近禁止命令や退去命令などを裁判所に申し立てることができます。具体的な手続きは、地域の相談窓口や弁護士に相談することが可能です。

まとめ

暴力を振るう人の心理を知ることで、暴力被害を防ぐ第一歩になります。暴力は振るわれる側に責任があるわけではなく、暴力を振るう側の心理的問題が根底にあります。ただし、理解しても許容してはなりません。

もし暴力の兆候を感じたり実際に暴力を受けた場合は、すぐに行動を起こし、周囲の助けを求める勇気を持つことが大切です。あなたが勇気を出すことで、暴力の連鎖を止めることにもつながります。

この記事のタイトルとURLをコピーする

カテゴリから記事を探す

すべてみる
カテゴリを見る