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蛇口からのポタポタ水漏れの主な原因とは?
蛇口は、毎日使うため部品が徐々に傷んでいきます。ポタポタと水が漏れる症状は、主に以下のような原因が考えられます。
パッキンが古くなっている
蛇口の部品には、水が漏れないようにゴム製のパッキンが使われています。このパッキンが古くなると、ゴムが硬くなったりヒビ割れたりして隙間ができ、水が漏れます。特に10~15年以上使っている蛇口の場合、パッキンの劣化はよく起こります。
ナットやネジがゆるんでいる
蛇口の各部品をつなぐ部分にはナットやネジが使われています。蛇口を長く使っていると、振動や使用中の力によって緩むことがあり、水漏れの原因になります。
蛇口の中にゴミが詰まっている
水道管から流れてくる砂やサビなどが蛇口内部に溜まると、水の流れが悪くなり、正常に閉まらなくなってポタポタと漏れることがあります。これは特に築年数が長い住宅でよくある症状です。
蛇口のポタポタ水漏れには、このような原因があります。次に、自宅ですぐに試せる応急処置について具体的に説明します。
蛇口のポタポタ水漏れに対する6つの応急処置
蛇口の水漏れを見つけたら、まず自分でできる応急処置を試してみましょう。ここからは具体的な方法と、なぜその作業をする必要があるのかを解説します。
①止水栓か元栓を閉めて水を止める
最初にやるべきことは、水漏れ箇所への水の供給を止めることです。水が流れたままでは作業中に水が溢れてしまうため、必ず止水栓を閉めます。キッチンや洗面台の下などにある蛇口の近くの止水栓を時計回りに回して閉めます。固くて回らない場合や止水栓が見つからない場合は、家の外にある元栓を閉めましょう。
止水栓を閉めたら、蛇口を開いて残っている水を抜いておきます。これで安全に作業できます。
②ナットやネジを締め直す
蛇口は使い続けるうちに、部品をつなぐナットやネジが徐々に緩みます。水漏れの多くは、この緩みが原因です。ナットやネジが緩んでいるか確認し、モンキーレンチやプライヤーなどの工具で軽く締め直しましょう。ここで大切なのは、強く締めすぎないことです。強く締めすぎるとナットが割れたり、蛇口が壊れてしまう可能性があります。
ナットを軽く締めて、水漏れが止まるか確認します。これで改善しない場合は、次の作業に進みます。
③蛇口の先端(吐水口)を掃除する
蛇口の先端には、水の流れを整えるためのフィルターがついています。この部分にサビやゴミが溜まると水の通り道が塞がり、蛇口が完全に閉じられなくなります。その結果、ポタポタと漏れてしまうことがあります。
蛇口の先端部分(キャップ)を手で回して取り外し、古い歯ブラシなどで内部をきれいに掃除します。掃除が終わったら再度取り付けて、水漏れが改善されるか確認しましょう。
④古いパッキンを新しいものに取り替える
ナットやネジの緩みを直しても水漏れが改善しない場合、パッキンが劣化している可能性があります。パッキンはゴム製で、10年程度で硬くなったり割れたりします。古いパッキンのままだと、どんなに締めても隙間ができて水が漏れます。
パッキンを交換するには、まず蛇口のハンドル部分を取り外します。内部にある古いパッキンを取り出して、同じサイズの新しいものに取り替えます。ホームセンターで蛇口のメーカーや型番を伝えると適したパッキンを購入できます。パッキンを交換したら、部品を元通り組み立てて水漏れが止まったか確認しましょう。
⑤カートリッジを新しいものに交換する
キッチンや洗面台の蛇口がレバー式(混合水栓)の場合は、「カートリッジ」と呼ばれる部品が使われています。カートリッジは水やお湯の量を調整する重要な部品です。長期間使用すると内部が劣化し、水が漏れることがあります。
レバー部分を外して古いカートリッジを取り出し、メーカーと型番を確認したら、新しいカートリッジに取り替えます。カートリッジは蛇口メーカーや型番ごとに異なり、ホームセンターやネット通販で購入可能です。
交換後に再び組み立て、水漏れが改善したか確認します。レバー式蛇口の内部構造は少し複雑なので、自信がない場合は専門業者に依頼しましょう。
⑥蛇口の部品そのものを交換する
パッキンやカートリッジを交換しても改善しない場合は、蛇口本体の寿命や部品の劣化が進んでいる可能性があります。蛇口の耐用年数は一般的に10~15年です。それ以上長く使用している場合は、部分的な修理よりも蛇口そのものを新しく交換するほうが良いこともあります。
新しい蛇口を購入する際は、取り付けサイズや給水管の位置が一致しているかを必ず確認してください。取り付けはある程度の工具と技術が必要になるため、無理せず業者に依頼することを検討しましょう。
自分で直すか業者に頼むかを判断するポイント
蛇口のポタポタ水漏れは自分で応急処置できることも多いですが、次のような場合は専門業者に修理を依頼したほうが安全です。
- 水漏れの勢いが激しい
- 止水栓が固くて動かない、または破損している
- 電子式やセンサー式の蛇口
- 給水管や配管自体に錆びや腐食が見られる
- 作業に必要な工具を持っていない、または作業に自信がない
無理な修理は水漏れを悪化させるだけでなく、建物自体にダメージを与える可能性があります。不安な場合や状況が複雑な場合は、迷わず業者に依頼しましょう。
修理費用はパッキン交換で数百円、カートリッジ交換で2,000円~5,000円、蛇口の交換は工賃込みで1万円~3万円が目安です。
ポタポタを放置すると起きる問題とは?
蛇口のポタポタ水漏れは、軽い問題だと思われがちです。しかし、長期間放置すると以下のような深刻な問題を引き起こします。
- 水道代の増加(1秒1滴でも年間約2,400円の損失)
- 床や壁が湿気で傷み、カビが発生
- 集合住宅の場合は階下への浸水で賠償責任が発生することも
小さな水漏れでも積み重なると大きな損害につながります。水漏れに気づいたら、早めに対応することが大切です。
まとめ
蛇口のポタポタ水漏れは軽視されやすいですが、実は住まい全体への影響を考えると、放置すべきではありません。水漏れ対応の経験がない人や、工具が不足している場合は、無理をせず業者に任せるのが最善です。
また、蛇口を長持ちさせるには、日頃からハンドルを強く閉めすぎないよう注意することも重要です。軽く締めるだけでも水は止まるため、普段の扱い方を意識してみましょう。