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夏は温かい飲み物も選択肢に入れよう
暑い季節になると、冷たいジュースやキンキンに冷えた飲み物が飲みたくなることも多いでしょう。しかし、冷たい飲み物ばかり飲んでいると体に負担をかける場合もあります。
特に、夏でもエアコンが効いた場所で長時間過ごすと、体が冷えすぎてしまうことがあり、健康に悪い影響を与える可能性があります。
一方で、温かい飲み物は、体の内側からゆっくり温めることで健康維持やリラックス効果が期待できます。冷たい飲み物と温かい飲み物のどちらか一方に偏るのではなく、それぞれの良さを知り、自分の体調や環境に合わせて選ぶことが重要です。
ここからは、なぜ夏に温かい飲み物が良いのか、具体的な理由を紹介していきます。
夏に温かい飲み物を飲む6つのメリット
夏でも温かい飲み物を取り入れることには、意外にもさまざまなメリットがあります。体にどのような良い影響があるのか、詳しく見ていきましょう。
①エアコンによる冷えを防ぐ
夏は外の気温が高くなりますが、室内はエアコンが効いていて寒く感じることも多くあります。これを「夏冷え」と言い、体が冷えすぎると、だるさや頭痛、消化不良といった体調不良を引き起こすことがあります。
冷えた飲み物を摂ると、さらに体の内部から冷えてしまい、血行が悪くなってしまいます。これに対し、温かい飲み物を摂ることで、体の内部からじんわりと温められ、血液の流れが改善します。
結果として、夏冷えを防ぐことにつながります。特に、オフィスでのデスクワークなど長時間冷房が効いた部屋にいる方は、温かい飲み物を積極的に選ぶと良いでしょう。
②胃腸の調子を整える
冷たい飲み物を大量に飲むと、胃腸が急激に冷えてしまい、消化不良や胃痛、下痢といったトラブルが起こりやすくなります。胃腸が冷えると、胃や腸の動きが鈍くなり、消化機能が落ちてしまうためです。
温かい飲み物を摂ることで、胃腸を内側から温め、胃腸の働きを活発にすることができます。消化酵素がよく働き、消化吸収がスムーズになるため、胃腸のトラブルを予防できます。食欲が落ちがちな夏でも、しっかり栄養を吸収でき、夏バテ予防にもつながります。
③汗をうまくかけるようになる
暑い日に温かい飲み物を飲むと、一時的に体温が少し上がります。すると体は、その熱を逃がすために汗をかく仕組みになっています。汗が蒸発する時に体の熱を奪ってくれるため、結果として体を涼しくすることができます。
ただし、この効果は湿度が低く、汗がしっかり蒸発する環境で最も発揮されます。湿度が高すぎる日は汗が蒸発しにくいため、体が逆に暑さを感じやすくなります。湿度や自分のいる場所を考えながら、温かい飲み物を選ぶのがおすすめです。
④体のだるさや疲れをとる
暑い季節に冷たいものばかりを飲んでいると、内臓が冷えて代謝が落ちることがあります。内臓が冷えると血液の循環が悪くなり、老廃物が体にたまりやすくなってしまいます。これが夏バテや体のだるさを引き起こす原因のひとつです。
温かい飲み物を摂ると内臓が適度に温まり、血液の流れが改善されます。血流が良くなることで疲労物質がスムーズに排出され、体がスッキリして、だるさや疲れを感じにくくなります。
⑤リラックスして気分が落ち着く
温かい飲み物は、体だけではなく心にも良い効果があります。温かい飲み物を飲むと、体がリラックスする効果があり、緊張がほぐれたり気持ちが落ち着いたりします。
特に温かいお茶類には香り成分が多く含まれており、緑茶やほうじ茶などは気分転換にも効果的です。ゆったりした気分を味わいたい時やストレスを感じた時は、温かい飲み物を飲んでリラックスしましょう。
⑥お茶の成分がしっかり取れる
お茶に含まれる健康に良い成分は、温かい状態のほうが効率よく抽出されます。例えば、緑茶に含まれるカテキンという成分は、70〜80℃程度のお湯で入れた時に一番多く溶け出します。カテキンには抗酸化作用があり、夏の日差しで傷つきがちな肌を守る手助けになります。
さらに、ビタミンCも温かいお茶に豊富に含まれており、美肌や疲労回復にも役立ちます。夏でも温かいお茶を取り入れることで、美容や健康効果が高まるのです。
夏におすすめの温かい飲み物
夏に温かい飲み物を飲むと良いことがわかったところで、具体的にはどんな飲み物が良いのでしょうか。手軽で飲みやすく、夏にぴったりの温かい飲み物を詳しく紹介します。
緑茶
夏に温かい飲み物として最もおすすめしたいのが緑茶です。緑茶にはカテキンが多く含まれており、紫外線から肌を守る抗酸化作用があります。また、適度なカフェインは眠気を取り除き、仕事や勉強中にも集中力を高めてくれます。
夏は冷たい緑茶を飲む人が多いですが、温かい緑茶の方がこれらの成分を効率的に摂取できます。味わいもさっぱりとして飲みやすく、食欲がない時にも食事を助ける効果があります。
ほうじ茶
ほうじ茶は茶葉を焙煎して作られるため、香ばしい香りが特徴です。この香りにはリラックス効果があり、緊張を和らげてくれるため、仕事の合間や勉強の休憩におすすめです。カフェインが緑茶より少ないため、夕方以降や就寝前でも安心して飲むことができます。
また、温かいほうじ茶を飲むことで胃腸の動きを活発にする効果があり、食欲不振や消化不良を感じる夏にもぴったりです。
麦茶
麦茶といえば冷たいものが一般的ですが、実は温かい麦茶にも優れた効果があります。麦茶はカフェインが含まれていないため、寝る前や子どもにも安心して飲ませられます。
また、麦茶には汗で失われやすいミネラルが多く含まれており、夏のミネラル補給に役立ちます。体を内側からじんわりと温めてくれる温かい麦茶は、寝る前やリラックスタイムに最適です。
生姜湯
生姜には体を温める成分「ジンゲロール」が含まれていて、体を芯から温め、血行を促進してくれます。そのため、夏でもエアコンによる冷えが気になる人に特におすすめの飲み物です。
温かい生姜湯を飲むと体が温まり、胃腸の調子を整える効果も期待できます。少量のはちみつを入れることで飲みやすくなり、疲労回復やリラックス効果も高まります。
黒豆茶
黒豆茶には血行を良くするポリフェノールが含まれており、体の冷えやむくみ改善に効果的です。また、香ばしくクセのない味わいは、どんな年代の方にも好まれやすいでしょう。
カフェインが含まれていないため、妊娠中の女性や小さな子どもでも安心して飲むことができます。温かい黒豆茶を定期的に飲むことで、血流改善だけでなく、美肌効果も期待できます。
甘酒
甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれるほど栄養価が高く、疲労回復にとても効果的な飲み物です。発酵食品であるため消化吸収が良く、暑さで食欲が落ちている時でも手軽に栄養補給が可能です。
夏は温かい甘酒をそのまま飲むだけでなく、水で少し薄めて飲みやすくするのもおすすめです。ビタミンB群やアミノ酸が豊富で、夏の体力維持や美容にも役立ちます。
温かい飲み物の上手な飲み方
夏に温かい飲み物を上手に取り入れるためには、ちょっとしたコツがあります。自分の体調や状況に合わせて、快適に続けられるポイントを詳しく紹介します。
飲みやすい温度に調節する
飲み物の温度は50〜60℃くらいが理想です。これは熱すぎずぬるすぎない、口当たりがよく成分も抽出されやすい温度帯です。熱すぎると舌や口、食道に負担がかかり、逆に体に悪影響を与えることもあります。
温度調整が難しい場合は、温度設定機能付きのマグカップや保温ボトルを使うと手軽にちょうどよい温度を保つことができます。
時間を決めて飲む
温かい飲み物は、いつ飲むかを決めて習慣にすると効果的です。例えば、
- 起床時に白湯を一杯飲んで胃腸の動きを整える
- 昼食後に緑茶を飲んで集中力を高める
- 夕食後や寝る前にほうじ茶や生姜湯を飲んでリラックスする
といったように、一日の流れの中で取り入れるタイミングを決めておけば、無理なく継続できます。
飲み方に工夫を加える
同じ飲み物でも、工夫ひとつで飽きずに飲み続けられます。例えば、生姜湯に少量のはちみつやレモン汁を加えることで飲みやすくなりますし、緑茶には梅干しやミントを入れると夏らしく爽やかに楽しめます。
自分が好きな組み合わせを見つけることで、毎日飽きずに温かい飲み物を楽しむことができます。
季節感や見た目も意識する
飲み物を入れる器にもこだわると気分が変わります。夏ならガラス製の耐熱マグを使うことで涼しげな見た目を楽しめます。また、季節感のあるコースターやランチョンマットを添えると気持ちも豊かになります。
こうした工夫は見た目の満足感を高め、リラックス効果も向上させます。
まとめ
夏に温かい飲み物を取り入れることで体の内側から健康を保つことができますが、飲み物だけでなく普段の生活でも冷え対策を意識することが大切です。
夏は湯船に浸からずシャワーだけになりがちですが、週に数回でもぬるめのお湯にゆっくり入浴すると、血行が良くなり冷え改善につながります。また、室内では足元を冷やさないようにスリッパや靴下を活用するとさらに効果的です。飲み物と合わせて、夏の冷え対策をしっかり行いましょう。