目次
排水口のポコポコ音、放置するとどうなる?
キッチンやお風呂で水を流したときに、「ポコポコ」と音が聞こえたことはありませんか?この音を放っておくと、排水管の詰まりや水漏れ、嫌なにおいがする原因になります。排水管は見えない部分が多いため、異音を軽く見ていると予期せぬトラブルを招く可能性があります。
排水口からポコポコ音がする理由
排水口の「ポコポコ」という音にはいくつか原因があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
①排水管が少し詰まっている
排水口から音がする一番多い理由は、排水管の「部分的な詰まり」です。食べカスや油汚れ、髪の毛、石鹸のカスが管の中に少しずつ溜まることで、水の流れが悪くなります。このとき水が排水管内の空気と混ざって流れ、気泡ができてはじけるときにポコポコ音が発生します。
②空気の通り道が足りない
排水管の中には、空気が流れる通り道(通気管)があります。通気管が詰まったり、十分に設置されていないと、排水時に空気が上手く逃げられなくなります。その結果、排水管の中に気圧の差が生まれて、ポコポコ音が出てしまうのです。
③排水管の中で水が蒸発している(サイホン現象)
排水口の近くには、「排水トラップ」と呼ばれる水たまりが常にできています。この水は臭いや害虫が上がってこないようにする役割がありますが、しばらく水を使わないと蒸発して無くなります。水が無くなると空気が通りやすくなり、音が聞こえることがあります。
④大雨などで下水が逆流している
台風や集中豪雨で一時的に下水道の水位が上がると、排水口に向かって空気が逆流してしまうことがあります。この場合のポコポコ音は一時的で、大雨がおさまれば自然に止まります。
⑤排水管が変形・ゆがんでいる
家の築年数が経っていたり、地震の影響で排水管がゆがんだりすると、水が上手く流れず、管内に水たまりができます。これが常に空気と混ざり合ってしまい、継続的にポコポコ音が発生します。この場合、自分での対処は難しく専門業者による修理が必要です。
排水口のポコポコ音を止める方法
排水口から音が聞こえ始めたら、早めに対処しましょう。ここでは、誰でも自宅で簡単にできる方法をご紹介します。
温かいお湯を流す(45~50℃)
排水口に45~50℃のお湯を流してみましょう。温かいお湯で油汚れを柔らかくし、軽い詰まりを流しやすくします。ただし、熱湯(60℃以上)は排水管を傷めることがあるので使わないでください。
重曹とクエン酸を使う
排水口に重曹を大さじ2~3杯ふりかけ、その上にクエン酸を大さじ1~2杯かけてください。その後ぬるま湯をコップ1杯程度ゆっくり注ぎ、泡が出たら約30分待ちます。軽い汚れや臭いに効果的です。ただし、ひどい詰まりには向いていません。
市販のパイプクリーナーを使う
専用のパイプクリーナーを定期的(月1回程度)に使用すると、詰まりを防ぐことができます。使い方や放置する時間は商品ごとに違うため、説明書をよく読んで使いましょう。また、他の洗剤と混ぜて使うのは危険なので、必ず単独で使用してください。
ラバーカップ(スッポン)や真空式ポンプクリーナーを使う
詰まりが少し進んでしまった場合は、ラバーカップで排水口を押したり引いたりして詰まりを解消しましょう。ラバーカップで解決しないときは、真空式ポンプクリーナーというより強力な道具を試すのも良い方法です。価格は約2,000~5,000円程度で購入できます。
⑤空気弁(通気弁)を設置する
排水管内の空気の流れが悪い場合は、空気弁(通気弁)を設置すると改善されます。ただし、取り付け作業はやや専門的なため、自信がない人は業者に依頼しましょう。
排水口からのポコポコ音を予防する方法
排水口からのポコポコ音は、日頃の小さな心がけで防げます。まず調理後は、キッチンペーパーを使って食器についた油をしっかり拭き取ってから洗うようにしましょう。
また、油や煮汁は直接流さず、牛乳パックに新聞紙を詰めて固め、可燃ゴミとして捨てるのが効果的です。排水口にはゴミ受けネットや髪の毛キャッチャーを取り付け、毎週新しいものに交換してください。
さらに、キッチンは月に1回、浴室や洗面所は週に1〜2回ほど排水管用クリーナーで掃除する習慣をつけるとよいでしょう。もし長期間家を空ける場合は、排水トラップの水が蒸発しないように、サラダ油を少量流しておくと安心です。
まとめ
排水口から聞こえるポコポコ音は、放置すると水漏れや悪臭の原因になることがあります。異音に気づいたら早めに対処しましょう。日頃のちょっとした習慣がトラブルを未然に防ぎます。また、築年数が古い住宅や地震の後は特に注意して、定期的に排水管の点検を専門業者に依頼することで、予期せぬ出費や深刻なトラブルを回避できます。