謝れない子どもを育てる親のNG行動8選…「ごめんね」が言えない心理とは?

子どもが自分の過ちを素直に認め謝ることは簡単ではありません。その理由は性格ではなく、親の接し方が影響していることが多いものです。子どもが自然に謝れるようになるために、親がしてはいけない行動と具体的な方法を紹介します。

謝れない子どもになる原因とは?

怒った子ども

子どもが悪いことをした時にすぐに謝ることが難しいのは、大人にとっても同じです。謝るという行動には勇気と心の余裕が必要だからです。

しかし、子どもがいつまで経っても謝れないのには理由があります。それは子どもの性格だけの問題ではありません。実は多くの場合、日常的な親の言動や対応が影響しています。

謝れない子どもが増えている背景には、親が知らず知らずのうちにしている行動があります。その行動に気づき、改善することが必要です。

謝れない子どもを育ててしまう親のNG行動

親がよかれと思っている行動が、実は子どもにとって謝りづらい状況を作り出していることがあります。次のような行動をとっていないか、まずは自分の育児を振り返ってみてください。

1. 頭ごなしに謝らせようとする

子どもが友達に迷惑をかけた時、「すぐ謝りなさい!」と叱りつけることがあります。親としては相手への礼儀として早く謝らせたいという気持ちからですが、子どもからすると「理由も聞かれずに謝罪を強制された」と感じます。これが繰り返されると、子どもは謝ることを「嫌なこと」と捉え、自分の非を認めることに抵抗を感じるようになってしまいます。

子どもの気持ちに共感せず、一方的に謝らせることは、謝ることの本当の意味を子どもに伝えられません。その結果、子どもは反発したり、心を閉ざしてしまうことがあります。

2. 親自身が謝る姿を見せない

子どもは親の行動を見て多くのことを学びます。親が日常的に謝罪する姿を見せない場合、子どもは謝ることの重要性を理解する機会がありません。特に親が問題を他人に押し付けたり、ごまかしたりする様子を見ていると、子どもは「謝ることは損なこと」と感じるようになります。

家庭の中で親自身が自分の間違いを認め、素直に謝る姿を見せることで、子どもは謝ることが恥ずかしいことではないと理解します。親が謝る姿を子どもに積極的に見せることが、子どもが謝れるようになるための第一歩です。

3. なんでも相手のせいにしてしまう

親が自分の失敗やミスをすぐに相手のせいにしたり、ごまかしたりすることも、子どもにとって大きな悪影響になります。このような環境で育つ子どもは、他人への責任転嫁を当然のことと捉えるようになり、謝ることの意味が理解できなくなります。

家庭内で相手を責めるようなコミュニケーションが日常化すると、子どもは謝罪によって問題が解決されることを経験する機会を失います。結果として子どもは、友達との関係や社会生活で困難を抱えるようになってしまいます。

4. 子どもの話を聞かずに叱ってしまう

子どもが何か問題を起こした時、すぐに感情的になって怒ったり叱りつけたりしてしまう親は少なくありません。これは親にとっては当たり前の反応に思えるかもしれませんが、子どもにとっては大きなストレスとなります。子どもは自分の気持ちや理由を親に聞いてもらえないことで、「どうせ何を言っても聞いてもらえない」と諦めてしまいます。

こうした経験が繰り返されると、子どもは徐々に心を閉ざし、自己肯定感が低下します。自己肯定感が低い子どもは、自分の非を認めることを非常に恐れます。その結果、謝ることがますます難しくなってしまうのです。

子どもが問題行動をした時こそ、まずは落ち着いて子どもの話を聞き、共感することが大切です。そうすることで子どもは自分の気持ちを整理しやすくなり、自発的に謝罪できるようになります。

5. 過保護で子どもに謝る機会を与えない

子どもを大切に育てたいという思いから、親が子どもの代わりに謝ってしまうことがあります。小さいうちはそれで問題ないと思うかもしれませんが、子ども自身が謝る経験をしないと、成長してからも自分の言葉で謝罪することが難しくなります。

過保護な環境では子どもは責任感を学べず、「自分が間違った時どうすればいいか」という行動が身につきません。自分の行動が他人にどのような影響を与えたかも理解しにくくなります。謝罪とは、自分の行動に責任を持つことだと学ぶ機会を失ってしまうのです。

子どもが自分で謝る機会を積極的に作りましょう。最初は親が隣で支えるなど、段階的にサポートすることで、子どもは自信を持って謝れるようになります。

6. 一貫性がない対応をする

親がその日の気分によって子どもへの対応を変えると、子どもは混乱します。ある日には問題を起こしても叱られず、別の日には激しく叱責されるといった状況が繰り返されると、子どもはどう行動したら良いのかわからなくなります。

一貫性がない対応をされると、子どもは次第に不安を感じるようになります。謝罪をすべき場面でも「今謝ったら怒られるのか、許されるのかわからない」と迷いが生じ、行動が止まってしまいます。こうした状況が続くと、子どもは謝るタイミングを逃し続け、謝ることに強い抵抗感や恐怖感を持つようになってしまいます。

親が子どもに対して一貫性をもって接することは、子どもが安心して謝罪を行える基盤を作ります。自分の気持ちや行動を整理する能力を養うためにも、一貫性のある態度が必要です。

子どもが謝れるようになる方法とは?

親の接し方が原因で謝れない子どもになってしまうなら、逆に親の接し方次第で、子どもは自然と謝れるようになるということです。謝れる子どもに育てるためには、子どもの気持ちを尊重しながら、日常生活で次のことを意識して実践することが大切です。

親が自分の間違いを素直に認める

親自身が間違った時に素直に謝る姿を子どもに見せることは、非常に重要です。子どもは親が謝罪する様子を見て、自分も間違った時には素直に謝れば良いのだということを学びます。日常生活で些細なミスでも素直に謝ることで、子どもは自然に謝罪の習慣を身につけられます。

夫婦間での喧嘩や親子のやりとりで親が素直に謝る様子を見せると、子どもは謝ることが弱さや恥ではなく、むしろ勇気のある前向きな行動だと感じられるようになります。

子どもの気持ちを言葉にして共感する

子どもが何か失敗や問題を起こした時、まず親がするべきことは「なぜその行動をとったのか」を理解することです。そのためには子どもに優しく問いかけて話を聞き、その気持ちを代弁してあげることが大切です。

「友達のおもちゃを取ったのは、自分も遊びたかったからだよね」「本当は順番を待つのが嫌だったんだよね」と子どもの感情を具体的に言葉にしてあげることで、子どもは自分の気持ちが理解されたと感じます。自分の感情を受け止めてもらえると安心感が生まれ、謝罪に対する抵抗感も薄れていきます。

共感は、子どもが自分の気持ちを整理し、相手への思いやりを自然に学ぶ助けになります。

なぜ謝る必要があるのかを一緒に考える

子どもに謝罪を教える時は、謝ることの意味を丁寧に伝えることが重要です。ただ形式的に謝罪の言葉を言わせるのではなく、謝ることで「相手との関係が良くなる」ことや「自分も安心できる」ことを子ども自身が理解できるように促しましょう。

「もし逆の立場だったらどんな気持ちになるかな?」と問いかけたり、「謝ったら〇〇くんはどんな気持ちになると思う?」と一緒に想像してみたりすると、子どもは謝罪の本質を理解します。

謝る理由が明確になると、子どもは自分の意志で自然と謝罪できるようになります。

謝罪の練習を一緒にする

謝り方が分からずに戸惑ってしまう子どももいます。そんな場合は親子でロールプレイをしてみましょう。例えば「友達のおもちゃを壊してしまった」「嫌なことを言ってしまった」など具体的な場面を想定して、「どうやって謝れば相手は許してくれるかな?」というシミュレーションをします。

最初は親が一緒に謝る役割を担い、徐々に子どもが主導的に謝れるよう段階的にサポートしましょう。このように親子で繰り返し練習を重ねることで、子どもは実際の場面でも自然に謝れるようになります。

謝れた後の行動を認める

子どもが謝ることができた時は、すぐにその行動を認めましょう。ただし、大げさに褒めるのではなく、「謝れたことで相手も気持ちが楽になったね」「素直に謝れたからすぐに仲直りできたね」など、起こった事実を伝えるのが効果的です。

事実を具体的に言葉にして伝えることで、子どもは謝罪という行動が良い結果をもたらすことを実感し、自信をつけていきます。

また謝罪したことにより子どもの気持ちがどう変化したかを親が丁寧に確認してあげることで、子ども自身の自己肯定感も高まります。

焦らずに見守る

謝罪の習慣を身につけるには個人差があります。すぐにできるようになる子もいれば、時間がかかる子もいます。親が焦って無理やり謝らせようとすると、子どもは謝ることを拒否したり恐怖を感じたりしてしまいます。

子どもの成長スピードに合わせて、焦らずに見守ることが大切です。謝ることができない場面があっても、それを叱ったり責めたりせず、「今回は難しかったね。でも次はきっとできるよ」と穏やかに励ましましょう。親がゆったりとした気持ちで接することが、子どもの心の余裕につながります。

まとめ

子どもが謝れるようになるためには、親自身が日常生活で自然に謝る姿を見せることが何よりも大切です。子どもは親の姿を真似て謝罪を学びます。

また、謝る時の気持ちを理解しやすくするために、親子で普段から他者の気持ちについて話し合う習慣をつけることも効果的です。家庭での小さなやり取りが、子どもが社会に出た時に必要となる「誠実なコミュニケーション力」を育てていきます。

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