目次
お湯を出しっぱなしにするとどうなる?
お風呂で体を洗う時やキッチンでお皿を洗う時、ついついシャワーや蛇口のお湯を出したままにしてしまうことがありますよね。でも毎日の小さな「出しっぱなし」は、積もり積もって水道代やガス代を大きく引き上げる原因になっています。
特に冬場など、お湯をたくさん使う時期は、知らないうちに高額な料金を支払っていることも珍しくありません。また、放置によって思わぬトラブルや二次被害を招く可能性もあります。
お湯を出しっぱなしすると料金はどのくらいになる?
ここからは、実際にお湯を出しっぱなしにするとどのくらいの料金がかかるのか、水道代・ガス代それぞれを詳しく見ていきましょう。
水道代は1分で約2円
水道料金は自治体ごとに異なりますが、日本の平均的な料金ではお湯1リットルあたり約0.18円です。シャワーは1分間に約10〜12リットルの水を使用しますので、1分あたり約2円ほどかかります。例えば、シャワーを15分間出しっぱなしにすると、水道代だけでも約30円程度になります。
15分程度のシャワー使用は一般的ですが、こまめに止めれば水道代は半分以下に抑えられるでしょう。
ガス代は都市ガスで1分約6〜8円、プロパンはその3倍以上
ガス代は使用するガスの種類や契約内容によって大きく変わりますが、都市ガスの場合は平均して1分あたり約6〜8円です。プロパンガスの場合はさらに高額で、都市ガスの約3〜4倍、1分あたり20円以上かかることもあります。
例えば、都市ガスでシャワーを15分使うと約90〜120円かかりますが、プロパンガスなら300円を超えることもあるのです。また、お湯の設定温度を1℃下げるだけでも、年間で数千円の節約につながります。
うっかり1時間出しっぱなしで約500円の損失
もしシャワーや蛇口をうっかり1時間放置してしまうとどうなるでしょうか。水道代が約120円、都市ガスの場合ガス代が約360〜480円、合わせると約500円にもなります。
ただし、ガスメーターには安全装置があり、約30〜60分で自動的にガスが止まる仕組みがあります。実際に1時間放置するケースは少ないですが、それでも30分放置すれば250円以上のムダが発生するため、注意が必要です。
お湯の出しっぱなしで起こるトラブル
お湯を出しっぱなしにすることで問題になるのは、料金だけではありません。実は、もっと大きなトラブルが起こる可能性もあります。
床が水浸しになる
シャワーや蛇口を出したまま忘れてしまうと、浴槽やシンクから水があふれ、床が水浸しになることがあります。
特に集合住宅では階下に水漏れが起こり、修理費用が数十万円に達するケースも少なくありません。また、このようなトラブルは、火災保険などの補償対象外となり、自己負担になることがほとんどです。
給湯器の故障や劣化が進む
長時間の出しっぱなしは、給湯器に大きな負担をかけます。給湯器が古い場合は、熱効率が下がり、同じ温度のお湯を出すためにさらに多くのガスを使ってしまいます。
実際、10年以上使った古い給湯器は効率が約10~15%も低下するため、年間数万円も光熱費が増える原因になることがあります。
お湯のムダ使いを防ぐ方法
では、お湯の出しっぱなしを防ぐためにはどんな方法があるでしょうか。誰でも簡単に実践できる方法を見ていきましょう。
使わないときは止めるクセをつける
シャワー中に髪や体を洗っている間や、お皿を洗っている最中は、こまめにお湯を止めるクセをつけましょう。わずか数秒~数十秒でも毎日続ければ、月に数百円から数千円の節約になります。
節水シャワーヘッドや自動停止の水栓を使う
節水シャワーヘッドを使うと、お湯の使用量を通常より30~60%減らすことができます。また、手元にストップボタンがあるタイプなら、こまめな止水も楽になります。
さらに、一定の時間が経つと自動的に水が止まる「自動停止水栓」も効果があります。初期投資は必要ですが、毎日の節約額を考えると半年~1年ほどで元が取れるケースがほとんどです。
給湯器の設定温度を少し下げる
給湯器の設定温度を2℃ほど下げるだけでも、大きな節約効果があります。経済産業省の試算によると、給湯器の設定温度を40℃から38℃に下げると、年間で約1,400円のガス代を節約できます。
さらにシャワーの温度を調整する際は、水で薄めるのではなく最初から少し低めの温度設定にすると、効率的な節約になります。
まとめ
日々の生活の中で「少しの間だから」とお湯を出しっぱなしにする習慣は、料金を引き上げるだけでなく思わぬトラブルを引き起こすこともあります。
自宅のガスや水道料金の確認はもちろん、日常の使い方を少し工夫するだけで家計にも環境にも良い影響があります。また、「こまめに止める」習慣が身につけば、暮らし全体の無駄を見直すきっかけにもなるでしょう。