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買った野菜に虫がいたら捨てるべき?それとも食べられる?
スーパーや八百屋で買った野菜に、虫がついていることがあります。最初に気付いた時は驚いて捨ててしまいたくなりますよね。でも実は、小さな虫がついているくらいなら、野菜を捨ててしまうのはもったいないことです。
小さなアブラムシやコバエのような虫は、たとえ野菜についていても人体には基本的に害がないことが分かっています。もし誤って食べてしまったとしても、胃酸が虫を分解するので心配はいりません。ただし、ナメクジなどは病原性の寄生虫を媒介することがあるので、注意が必要です。
虫がいることでその野菜全体がダメになるわけではなく、正しい処理をすることで安心して食べることができます。
買った野菜に虫がついてしまう5つの理由
野菜に虫がついているのを見ると気持ちがよくないですよね。でも虫がつくのにはちゃんとした理由があります。その理由をしっかり理解すれば、野菜を安心して食べられるようになりますよ。
①農薬を使わずに野菜を育てているから
農薬を使わない、または農薬を少なくして野菜を作っている農家が増えています。農薬を使えば虫は減りますが、農薬の量を減らすと、どうしても虫がつきやすくなります。
虫がつく野菜を見ると、「汚い」「悪い」と感じる人もいますが、これはむしろ、野菜をできるだけ自然な状態で育てている証拠でもあります。農薬の使用量が少ない野菜は安心ですが、虫がついている可能性も増えます。
②肥料が多すぎて虫が集まる野菜になっている
実は、肥料を与えすぎると、虫がつきやすい野菜になることがあります。肥料が多すぎると野菜が必要以上に育ち、葉や茎が柔らかくなってしまいます。柔らかくなった部分は虫が食べやすくなるため、アブラムシやハダニなどの虫が集まってしまいます。
特に化学肥料を大量に使うと、野菜の栄養バランスが崩れて虫が寄ってきやすくなります。そのため、肥料を適切な量にすることも、虫がつきにくい野菜を作るポイントです。
③野菜の形が複雑で虫が隠れやすいから
野菜の形状によっても虫がつきやすくなることがあります。例えばブロッコリーやキャベツ、レタスなどは、葉が重なり合っていたり細かい隙間が多かったりして、虫が隠れやすいのです。
収穫や洗浄の段階で注意深くチェックしても、虫が内側に入り込んでしまっていることがあるため、こういった野菜では虫を完全に取り除くことが難しい場合もあります。
④収穫後のチェックで虫を見落としてしまうから
農場からスーパーに届くまでに、野菜は何度も検品され、虫がいないかチェックされます。でも、小さな虫や隠れている虫は見つけにくく、特に複雑な形状の野菜では見落とされることがあります。
この見落としが原因で、私たちの手元に届く時点で虫がついてしまうのです。注意深く洗浄すれば安全なので、検品の見落とし自体はあまり心配する必要はありません。
⑤日光や水が足りず、野菜が弱くなっているから
日光が少ない場所や水が足りない環境で育った野菜は、成長が悪く、防御力が低くなります。防御力が低い野菜には虫が寄りやすくなり、特にアブラムシなどが大量についてしまうことがあります。
家庭菜園などでは、水や日光の管理をきちんとすることが虫よけに効果的です。十分な水や日光を与えることで、野菜本来の抵抗力を引き出すことができます。
野菜に虫がついていた時、調理時に注意するべきことは?
虫がついていた野菜を安心して食べるには、正しく虫を取り除き、安全な調理をする方法を知ることが大切です。ここでは、具体的な手順を順番に紹介します。
虫がついた部分を取り除く
野菜についている虫や虫食い部分をよく確認し、虫がいた場所や穴が開いた部分、変色したところなどを包丁で切り取って捨てましょう。キャベツやレタスのように葉が何枚も重なっている野菜は、一枚ずつ丁寧にめくって、虫が隠れていないか確かめると安心です。
流水やぬるま湯で丁寧に洗う
虫を取り除いた後は、野菜を水道水で30秒ほどしっかりこすり洗いします。葉物野菜はボウルに水を張り、優しく振り洗いすると、葉の間に隠れている小さな虫も落ちやすくなります。また、水が冷たい季節は、40度ほどのぬるま湯を使うことで、虫が離れやすくなります。
重曹や酢を使った洗い方
虫や細菌が気になる場合、重曹水や酢水を使って洗浄するとさらに効果的です。
重曹は水に1%ほど(1リットルの水に小さじ1~2杯程度)、お酢は水で薄めて3%ほど(1リットルの水に大さじ2杯程度)を目安にします。約2分間野菜を浸けることで虫や細菌が落ちやすくなります。ただし酢水は野菜の味や香りに影響することもあるので注意してください。
ナメクジがいた時の特別な処理方法
ナメクジは寄生虫(広東住血線虫)を媒介することがあるため、特に注意が必要です。
ナメクジを見つけたら素手で触らず、割り箸でつまんで取り除きます。その後、取り除いたナメクジは熱湯をかけるか、中性洗剤を入れた水に浸けて安全に処分します。野菜に直接洗剤をかけるのは絶対に避けましょう。
加熱調理でさらに安全に
虫を取り除いても不安が残る場合は、生のままではなく、火を通す料理を選びましょう。虫や細菌、寄生虫は高温に弱く、炒め物や煮物のように十分な熱を加えることで、安心して食べることができます。
虫食いの野菜を保存するときに気をつけたいポイント
虫食い部分を取り除いても、野菜に穴が開いていると、そこから乾燥したり腐りやすくなったりします。切り取った後は、その部分が空気に直接触れないように、ラップや密閉容器で包んで冷蔵庫で保存すると安心です。
また、冷蔵庫内では温度を4℃以下に保つと、細菌や腐敗が進みにくくなります。切った野菜はできるだけ早く使い切るのが理想ですが、遅くても24時間以内に調理して食べるようにすると良いでしょう。
まとめ
虫がついている野菜は見た目こそ気持ちが悪いかもしれませんが、自然に近い方法で育てられている証拠でもあります。虫がいること自体は安全性を損なうものではありません。
ただし、ナメクジなど一部の虫は寄生虫を媒介する場合があるので注意が必要です。小さな虫を見つけたら取り除き、洗って加熱すれば安心して食べられます。虫がついた野菜も適切に処理して食べることで、食品ロスを減らすことにもつながります。