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エアコンの除湿機能とは?
気温が高くなる5月下旬から6月にかけて梅雨が訪れ、湿度が高くなります。この時期に活躍するのがエアコンの除湿(ドライ)機能です。
エアコンの除湿機能は、室内のジメジメした空気を吸い込み、湿気を取り除いて再び室内に戻す仕組みです。部屋の湿度を下げることで、蒸し暑さを感じにくくなり、快適に過ごせます。
除湿には種類があり、それぞれの特徴を知っておくと便利です。
弱冷房除湿と再熱除湿の違い
エアコンの除湿機能は主に「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2つに分かれます。
- 弱冷房除湿:
室内の空気を冷やして湿気を取り除き、そのまま冷えた空気を部屋に戻します。湿度は下がりますが、少し室温も下がるのが特徴です。
- 再熱除湿:
冷やして湿気を取り除いた空気を再度温めてから室内に戻す方法です。湿度を下げつつ、室温はほぼ維持されるため、肌寒さを感じにくく快適に過ごせます。ただし、電気代は弱冷房除湿よりも高くなります。
電気代が気になる場合、どちらを選ぶべきかは大切なポイントになります。
エアコン除湿の電気代の目安
除湿機能は梅雨や湿気の多い季節に便利ですが、電気代は実際にどのくらいかかるのでしょうか。弱冷房除湿と再熱除湿で違いがありますので、それぞれ見ていきます。
弱冷房除湿の電気代(1日つけっぱなしの場合)
弱冷房除湿の消費電力はおよそ80~150ワット(W)です。一般的な電気料金単価(約31円/kWh)を元に計算すると、24時間つけっぱなしの場合、電気代は約60~110円ほどになります。1ヶ月連続使用すると約1,800円~3,300円が目安となります。
弱冷房除湿はエアコンの中でも特に電気代が安い方法です。
再熱除湿の電気代(1日つけっぱなしの場合)
再熱除湿の場合、消費電力は約160~500ワット(W)と弱冷房除湿より高めです。そのため、24時間連続使用すると電気代は約120円~370円ほどになります。1ヶ月使い続けると約3,600円~11,000円と高額になることがあります。
湿気を取り除きつつも、室温を下げたくない場合は便利ですが、電気代は弱冷房除湿に比べて大幅に高くなります。
エアコン除湿と除湿機はどう違うの?
湿気を下げる方法としてはエアコンの除湿機能以外にも「除湿機」があります。この2つにはいくつか違いがあり、部屋や目的に応じて使い分けると効果的です。
エアコンの除湿機能の特徴
エアコンはもともと冷房や暖房をする機械で、除湿はその中の機能の一つです。部屋全体を除湿するのが得意で、自動的に排水が行われるため、手間がかかりません。一方で、除湿能力は専用の除湿機に比べるとやや劣る場合があります。
また、部屋の広さに合わせて効果が異なるため、広めの部屋全体を快適にしたいときに向いています。
除湿機の特徴
除湿機は除湿だけを専門に行う家電です。そのため、湿気を取り除く能力が非常に高く、特に衣類乾燥や押入れ、浴室などの狭い場所の除湿に適しています。除湿機には主に3つのタイプがあります。
- コンプレッサー式:夏場の暑い時期に向いていて、電気代が比較的安いのが特徴です。
- デシカント式:寒い時期でも除湿能力が高いですが、電気代は高めです。
- ハイブリッド式:コンプレッサー式とデシカント式の良いところを組み合わせており、年間通して快適に使えますが、本体価格はやや高めです。
ただし、除湿機は水をタンクに溜めて排水する必要があるため、定期的に水捨て作業が必要になります。
エアコン除湿と除湿機の電気代比較
電気代はどちらが安いか気になるところですが、実は使う時期や機種によって変わります。夏場の暑い時期に広い部屋を除湿したい場合は、エアコンの弱冷房除湿が最も安くなります。
一方で、冬場や小さな部屋、衣類乾燥など特定の場所を集中的に除湿する場合は、除湿機(コンプレッサー式またはハイブリッド式)のほうが安く済む場合もあります。
どちらを選ぶかは使用目的に応じて変わるため、部屋の大きさや季節に合った使い方をするのがおすすめです。
除湿で電気代を節約する方法
除湿を効果的に行いながらも電気代を節約する方法があります。具体的な方法を知っておくことで、快適さと節約を両立できます。
除湿+サーキュレーターで効率アップ
サーキュレーターや扇風機を除湿機能と一緒に使うと、部屋の空気が効率よく循環します。特に洗濯物を部屋干しするときに役立ち、洗濯物が早く乾きます。部屋干し時間を短縮することで、除湿の運転時間を減らし、電気代を節約できます。
サーキュレーターは洗濯物の下や近くに置き、下から上に風を当てると効率的に乾きます。
洗濯物の干し方を工夫する
洗濯物を部屋干しするときに、干し方を工夫すると除湿効率がアップします。洗濯物の間隔を十分に空けて風通しを良くすると、早く乾きます。また、部屋のドアや窓を少し開けて空気の通り道を作り、換気をよくすることも重要です。
洗濯物が早く乾けば除湿運転の時間が短くなり、結果的に電気代の節約につながります。
エアコンの自動運転モードを使う
エアコンには自動運転モードがあります。これは室内の湿度や温度を自動で検知して適切な強さで運転する機能です。湿度が低くなれば自動的に運転を弱めたり停止したりするため、ムダな電力消費を防げます。
常に強運転にせず、自動モードを積極的に活用するのがポイントです。
フィルターと室外機のお手入れ
エアコンのフィルターや室外機が汚れていると、効率が落ちて電気代が増えます。フィルターは月に1回程度を目安に掃除をして、室外機の周りには物を置かず風通しを良くしましょう。これだけでも除湿効率がアップし、節約につながります。
古いエアコンは買い替える
古いエアコンを使い続けている場合、最新の省エネモデルに買い替えると大幅な節電ができます。10年以上前のエアコンを最新モデルにすると、年間で約7,000円~11,000円ほど電気代が安くなることもあります。
古いエアコンを使っている家庭は、一度買い替えを検討するのも良いでしょう。
まとめ
除湿を効果的に行うためには、湿度を40〜60%に保つことが大切です。特に夏場の除湿時は、湿度を低く設定しすぎると乾燥が進んで肌や喉のトラブルにつながることがあります。快適な湿度範囲を意識し、必要に応じて加湿器などで調整するとよいでしょう。
また、契約している電気料金プランを見直し、ライフスタイルに合ったものに変更すると、毎月の電気代の大幅な節約になることもあります。