仏壇を置くときに絶対避けたい場所7選 正しい方角や高さの選び方も解説

仏壇は故人を供養する大切な場所です。置いてはいけない場所や最適な場所を知らずに間違えると、失礼になったり仏壇が傷んだりします。この記事で正しい置き場所を詳しく解説します。

仏壇を置くときに大切なこと

仏壇はどこに置くべき?

仏壇は、家族が亡くなった後に故人を供養し、日々感謝を伝える大切な場所です。しかし近年、仏間がない住宅も多くなり、どこに置けば良いか迷う家庭も増えています。

仏壇を置く際には、以下の2つを特に気をつけましょう。

  • 毎日手を合わせやすい場所にすること
  • 仏壇を傷めない環境を選ぶこと

置いてはいけない場所や適した場所を知らないと、思わぬトラブルや礼儀を欠くことになります。この記事では仏壇を置いてはいけない場所を詳しく説明し、その後でおすすめの置き場所を紹介します。

仏壇を置いてはいけない7つの場所

仏壇を置いてはいけない場所にはいくつか理由があります。伝統的な礼儀だけでなく、仏壇を長持ちさせるためにも注意が必要です。それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

①神棚の真下や向かい側

神棚と仏壇は役割が異なります。神棚は神様を祀る場所であり、仏壇はご先祖様を供養する場所です。神棚と仏壇を向かい合わせにすると、どちらかに背を向けてしまい、礼儀に欠けます。また上下に置くのも避けましょう。どちらが上でも、下になった方に失礼になります。

②床の間の向かい側

日本家屋で「床の間」は特別に格式高い場所です。そのため、床の間の正面に仏壇を置くと、仏壇が最も低い位置と見なされてしまいます。床の間に仏壇を置くのは問題ありませんが、対面の位置は避けましょう。

③直射日光が当たる場所

直射日光は、仏壇の木材や漆などを傷めます。日差しが直接当たる場所に置くと、色あせたり、ひび割れたりする可能性が高くなります。仏壇を長く美しく保つためには、日差しが柔らかく入る場所を選びましょう。障子やカーテンで日差しを和らげる工夫も大切です。

④湿気が多くて風通しの悪い場所

仏壇は木材や金属でできており、湿気が多い場所に置くとカビが生えたり、金具が錆びたりします。特に水回りや窓際など、結露しやすい場所は注意しましょう。壁から少し離して設置し、週に一度は扉を開けて換気をすると長持ちします。

⑤冷暖房の風が直接当たる場所

冷暖房の風が直接当たると、仏壇の木材が急激に乾燥し、ひび割れを起こす可能性があります。仏壇の素材を守るためにも、エアコンの送風口から離れた場所に設置しましょう。

⑥家族があまり通らない場所

仏壇は毎日手を合わせる場所であるため、あまり使わない部屋や人が来ない場所に置くと、故人へのお参りが疎かになります。仏壇は家族がよく使うリビングや和室など、自然と家族が集まる場所に置くと良いでしょう。

⑦仏壇の真上や正面に飾り物がある場所

仏壇の上に時計や棚、写真などを置いたり掛けたりすると、ご本尊の頭上を塞いでしまいます。これは礼儀に欠けるため、仏壇の真上や正面には何も飾らないようにしましょう。もしどうしても難しい場合は、「雲」「空」と書いた紙を貼って配慮を示す方法もあります。

仏壇を置くのにおすすめの場所と向き

仏壇の最適な置き場所とは?

仏壇を置くおすすめの場所を紹介します。宗派や家族の状況に応じて選びやすくするため、具体的なポイントと工夫を詳しく説明していきます。

家族がよく集まるリビング

リビングは家族が自然と集まる場所です。毎日のように仏壇に手を合わせることができ、故人を身近に感じやすい場所でもあります。リビングに置く際には、家族がくつろぐスペースと程よい距離を保つのがおすすめです。人の通り道やテレビの正面など、騒がしい場所は避けましょう。

静かな和室や仏間

仏間がある家では、仏壇を仏間に置くのが一番適しています。和室や仏間は静かで落ち着いた雰囲気があり、お参りするのに理想的な環境です。また、畳の上に仏壇を置く場合は、畳が沈まないように専用の板や台を敷くと良いでしょう。

寝室や書斎など静かな部屋

リビングや和室が難しい場合は、寝室や書斎などの静かで落ち着いた部屋に置くのも良いでしょう。毎日朝晩手を合わせやすく、静かに故人を偲ぶ時間を持てる場所です。ただし、寝室の場合、仏壇に足を向けて寝ないように配置を工夫しましょう。

マンションの場合の注意点

マンションなどスペースが限られた住宅では、小さめのモダンな仏壇を選ぶと置きやすくなります。リビングや寝室の棚やキャビネットの上に置くと、高さを保つことができ、お参りしやすくなります。壁掛けタイプの仏壇もあり、設置スペースが狭い場合には特に便利です。

宗派別おすすめの仏壇の向き

仏壇を置く方角については宗派によって考え方が異なります。主な宗派の考え方を以下にまとめました。

  • 南向き(曹洞宗・臨済宗)
    お釈迦様が南を向いて説法したことから、この方角が良いとされています。
  • 東向き(浄土宗・浄土真宗・天台宗)
    浄土が西にあるとされており、そのために仏壇が東を向くことでお参りする人が西(浄土)を向くという考え方です。
  • 本山の方向(真言宗など)
    宗派の本山のある方向に仏壇を向けることもあります。

方角にこだわり過ぎる必要はありませんが、迷った時は菩提寺に相談してみると安心できます。

仏壇を置くときのちょっとした工夫

仏壇に手を合わせる女性

仏壇を設置する際には、ちょっとした工夫でさらに丁寧なお参りができます。ここでは、よくある疑問への答えと具体的な工夫を紹介します。

仏壇の背面を壁から少し離す

仏壇の背面は壁から5〜10cmほど離して設置しましょう。湿気を防ぎ、風通しを良くして、仏壇を長持ちさせることができます。定期的に扉を開けて換気するのも忘れないようにしましょう。

仏壇の上階に人が住む場合の対応

マンションや2階建て以上の住宅で仏壇の真上に人が住む場合、「雲」「空」などと書いた紙や札を天井に貼ることで、「仏壇の上には何もありません」という意味を示せます。これは伝統的な配慮で、気持ちよく故人を供養することができます。

仏壇の高さ調整

特に小型の仏壇を置く場合は、低い場所に置かず、棚や台を使ってお参りする人の目線より高く設置しましょう。立ってお参りするのか、椅子や床に座るのかで適切な高さは異なります。日常的なお参りの姿勢に合わせて高さを調整しましょう。

まとめ

仏壇を置く際に最も重要なのは、「家族が無理なく毎日お参りできること」です。仏壇の置き場所について伝統的な礼儀を守ることも大切ですが、家庭のライフスタイルに合わせて柔軟に対応しましょう。

また、仏壇に飾る花や線香の煙にも注意が必要です。仏壇の近くに空気清浄機を置いたり、燃えにくい素材の仏具を選ぶなど、現代的な工夫も取り入れると、さらに安心して故人への想いを大切にできます。

この記事のタイトルとURLをコピーする

カテゴリから記事を探す

すべてみる
カテゴリを見る