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「揚げ足取り」とはどんな行動?
会話中に、相手がちょっと間違ったり言葉が足りなかったりすると、そこを細かく指摘して批判したり、からかったりすることを「揚げ足取り」といいます。「でも…」「それは違うんじゃない?」などの言葉で会話の流れを止め、周りを嫌な気持ちにさせる行動です。
揚げ足を取る人は、自覚がある場合もあれば、無意識で行っている場合もあります。しかし、どちらにせよ、こうした行動は人間関係を悪くし、チームや家庭などの雰囲気を壊します。
揚げ足を取る人によくある5つの特徴
揚げ足を取る人には、ある程度共通する心理的な特徴があります。自分自身がそうなっていないか、あるいは周りにそういう人がいないかを確認してみましょう。
①自信がなく不安が強い
揚げ足を取る人は、自分に自信が持てず不安が強い傾向があります。一見すると堂々としているように見えても、内心では「自分は評価されていない」「周りから嫌われているのでは」と不安を抱えています。そのため、自分を守ろうとして、他人の小さなミスを指摘し、自分が相手より優れていると安心しようとします。
不安が強い人ほど、他人の小さなミスが気になりやすく、自分の中の不安を抑えるために相手を批判します。
②完璧を求めてしまう
完璧主義の人は、自分にも他人にも高い基準を持っており、小さなミスが気になります。本人としては、ただ正しくしたい、良くしたいという気持ちで指摘をしますが、それが頻繁になると周りの人からは「揚げ足取り」と見なされます。
完璧主義の人は、相手の意見や行動を認めるのが苦手で、「自分が思うように」進んでいないとストレスを感じ、細かいことを指摘しやすくなります。
③自分が中心になりたい
自分が話題の中心でいたい、注目されたいという気持ちが強い人も揚げ足を取りやすいです。会話が自分以外の誰かに注目が集まると、「でも、それって違うよね」とわざと話を遮って、自分に注目を集めようとします。
このタイプの人は、周囲が自分を見ていないと不安や不満を感じるため、相手を批判することで強引に場をコントロールしようとします。
④周囲を信用できない
周囲の人を信用できない人も、揚げ足を取りやすくなります。信用がないと「この人の話には何か裏がある」「間違っているのでは?」と疑い、小さな矛盾やミスを指摘することで、自分を守ろうとします。
信用がない環境では互いの小さなミスを責め合い、良好な人間関係が築けなくなります。このような環境では「揚げ足取り」が増える傾向があります。
⑤頑固で意見を変えない
自分の意見や考えが絶対に正しいと思っている人は、他人の意見を素直に受け入れられません。そのため、相手がどんなに正しいことを言っていても、小さな欠点を探して反論しようとします。
こうした人は、自分が間違っていることを認めるのが難しく、周囲の人からは頑固で付き合いにくいと感じられがちです。
揚げ足を取る人への上手な対応方法
周りに揚げ足を取る人がいると、ついイライラしてしまいますよね。こうした人と付き合う時には、相手の性格やその場の状況に合わせて、うまく対応する必要があります。
まずは受け止める
揚げ足を取られた時に、すぐに反論したり言い返したりすると、状況が悪化します。まずは冷静に「そうですね」「なるほど」と受け止めましょう。相手が感情的になっている場合でも、一旦その意見を聞いている姿勢を見せることで、場が落ち着きます。
「貴重なご意見ありがとうございます」と一言添えることで、相手も認められたと感じ、攻撃的な態度が和らぐ場合があります。
本題をはっきりさせる
揚げ足取りは細かい点にばかり注目し、本題を見失わせます。そのため、「確認ですが、本当に話したいことは○○ですよね?」と、論点をはっきりさせて本筋に戻すと効果的です。
また、具体的な数字や事実を示して相手の誤解を冷静に解くことで、感情的な批判が収まる場合があります。「数字で見ると○○ですよね」と客観的に説明するのがコツです。
相手を認めて褒める
揚げ足を取る人は、自分が認められていないと感じていることが多いため、積極的に相手を褒めるのも良い方法です。ただし、心のこもった褒め方をしないと逆効果になります。
具体的に相手の良い点を伝え、「さすがですね」「そういう見方もありますね、参考になります」と伝えることで、相手の気持ちが落ち着き、攻撃的な態度をやめることがあります。
場の空気をリセットする
会話が険悪になりそうだと感じたら、「ちょっと休憩しましょうか」「そろそろ話題を変えてもいいですか?」などと提案して、場の空気を切り替えましょう。短い休憩や、場所を変えるだけでも気分が落ち着き、会話がスムーズに進みやすくなります。
揚げ足取りが続く場面では、話題のリセットをこまめに取り入れて、不要な衝突を防ぎましょう。
はっきりと境界線を引く
どうしても改善されない場合は、はっきりと「その言い方はやめてほしいです」「そういった指摘は建設的ではありません」と伝え、境界線を引くことも大切です。特に職場などで繰り返される場合は、上司や第三者に相談することも検討しましょう。
相手に対して、「ここまでは許容するが、これ以上は困る」と具体的に示すことで、揚げ足取りが減る可能性があります。
まとめ
揚げ足を取る人は、悪意からだけでなく、内面の不安や承認欲求などからそうした行動をとります。対応する際は感情的にならず、相手がなぜそうするのかを理解して冷静に対処しましょう。
また、自分自身も無意識のうちに他人のミスを指摘しがちであることを忘れず、周囲とよい関係を築くためには、お互いに尊重し合い、小さなミスを許し合う心がけが大切です。