浴槽のお湯、毎日流すべき?正しく使えば翌日もOK?リスクとメリットを解説

浴槽のお湯は毎日入れ替えるのが衛生的ですが、節水を考えて翌日に再利用したい人もいます。安全に残り湯を使うためのルールや注意点を分かりやすく解説します。

浴槽にお湯を残しておくメリットとは?

入浴後の浴槽には、大量のお湯が残ります。そのまま流してしまうのは、少しもったいない気がしますよね。実際、浴槽のお湯を翌日まで残しておくことには、節約以外にもメリットがあります。

水道代やガス代の節約になる

浴槽のお湯を毎日新しく張り直すと、水道代やガス代が余分にかかります。浴槽一杯(約200リットル)のお湯を毎日交換すると、水道料金は約48円程度かかります。これを数日続けると意外な金額になりますね。浴槽のお湯を再利用すれば、こうした費用を少しでも節約できます。

災害時の水の備えになる

災害で水道が止まった場合、浴槽のお湯はトイレを流したり掃除したりする生活用水として役立ちます。ただし、災害の備えとしては、できるだけ清潔な水をためておくことが望ましいため、残り湯ではなく、新しく入れた水道水を貯めることをおすすめします。

冬場の配管凍結を防げる

冬の寒い時期には、浴槽のお湯を一定量残しておくことで、追い焚き用の配管が凍結するのを防げます。配管が凍結すると、修理費用が高くつくことがあるため、寒さが厳しい日はお湯を少し残しておく方が安心です。

浴槽にお湯を残しておくメリットは様々ありますが、次に気をつけなければならない衛生上の問題を確認しましょう。

浴槽のお湯を毎日入れ替えるべき理由とは?

お風呂のイメージ

毎日浴槽のお湯を交換するのは手間も費用もかかりますが、衛生面では非常に重要なことです。その理由を知って、安全にお風呂を利用しましょう。

雑菌が急速に増える

浴槽のお湯には、皮脂や汗などの目には見えない汚れが浮いています。そのため、たとえ見た目が綺麗でも、実際には雑菌が繁殖しています。

特に、夏場や気温が高い日は、雑菌が数時間で急激に増えてしまうことがあります。浴槽のお湯を翌日以降も使いたい場合でも、できるだけその日のうちに使い切るのが安全です。

レジオネラ菌など健康を害する菌のリスク

残り湯の中でも特に注意したいのがレジオネラ菌です。この菌は浴槽の水温(20〜40℃)を好み、特に追い焚き配管の内部で繁殖しやすい特徴があります。

健康な人には問題なくても、免疫が弱い高齢者や赤ちゃんには重症化のリスクがあります。毎日新しくお湯を交換することで、こうした細菌のリスクを下げることができます。

このようなリスクを避けつつも、節約のために浴槽のお湯を再利用する方法について詳しく見ていきましょう。

浴槽のお湯を翌日に使うときの安全ルール

浴槽のお湯を節約のために翌日まで残したい場合は、衛生面や安全を考えた上で次のルールを守りましょう。

追い焚きで高温殺菌する

浴槽のお湯を翌日再利用する前には、65℃以上の高温で10分程度追い焚きをすると、多くの雑菌が死滅します。ただし、追い焚き直後は浴槽内に温度差が生じやすいため、入浴前によくかき混ぜて、やけどには注意しましょう。

入浴後はシャワーで体を洗い流す

残り湯で入浴した場合は、最後にシャワーを浴びて体や髪の毛についた菌をしっかり洗い流しましょう。そうすることで、菌が体についたままになることを防げます。

赤ちゃんや高齢者は新しいお湯を使う

抵抗力が弱い赤ちゃんや高齢者、病気療養中の人は特に細菌感染のリスクがあるため、浴槽の残り湯は使わずに、新しく清潔なお湯を使うようにしましょう。

これらのルールを守れば、安全に浴槽のお湯を再利用できます。

残り湯を洗濯や掃除に使うときのポイント

浴槽のお湯は入浴以外にも、洗濯や掃除に使うことができます。ただし、再利用時には次のような注意が必要です。

洗濯に使うのは「洗い」の工程だけ

残り湯を洗濯に使う場合は、洗濯機の「洗い」工程だけに使い、すすぎには必ず水道水を使います。残り湯をすすぎに使うと、雑菌が衣類に付着し、生乾きの臭いや衣類の黄ばみの原因になることがあります。

また、入浴剤を使った残り湯は衣類が変色したり傷んだりする恐れがあるため、使わないようにしましょう。

掃除には当日中に使い切る

掃除に残り湯を使う場合は、できるだけ入浴後すぐに使い切るのがベストです。特に、床の拭き掃除やベランダ掃除などで有効に使えます。ただし、食器洗いや調理器具の洗浄など、口に入る可能性がある用途には絶対に使わないでください。

追い焚き配管のお手入れ方法

浴槽のお湯を安全に使い続けるためには、追い焚き配管の定期的な掃除が欠かせません。目安としては月に1〜3回、専用の洗浄剤を使って配管内部を清掃しましょう。これにより、レジオネラ菌など雑菌の繁殖を大幅に防げます。

また、入浴剤を使用した場合、浴槽の水を抜く前に少量の水道水を入れて「たし湯」をすることで、配管内の入浴剤を流し、故障のリスクを減らすことができます。

浴槽にお湯を残しておくときの湿気対策

浴槽にお湯を残すと、蒸気が浴室にこもって湿度が高くなり、カビが発生しやすくなります。そのため、浴槽のお湯を残すときは、必ずフタをして浴室の湿気を抑えましょう。

さらに浴室の換気扇を回し、定期的に浴室を乾燥させることで、カビの発生を効果的に防ぐことができます。

まとめ

毎日の浴槽のお湯をどう扱うかは、安全性と節約効果のバランスが大切です。実は、浴槽の残り湯を庭や植木の水やりにも活用できますが、この場合は入浴剤入りのお湯は避けてください。

また、防災目的では残り湯よりも新しく張った清潔な水の方が安心です。大切なのは、残り湯を使うなら短期間で衛生的に使い切ること。無理をせず、自分の家庭のライフスタイルに合った使い方を選ぶことが、快適な毎日を過ごすポイントです。

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