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梅干しは体にいい?酸っぱさの正体
梅干しは酸味が強く、日本の食卓で広く愛されている食材です。特におにぎりの具やお弁当のおかずとして親しまれており、最近では甘みのある梅干しも人気です。
梅干しには、疲れを取る効果のあるクエン酸が多く含まれています。またカルシウムや鉄分、カリウムといったミネラル成分も含んでいるため、健康に役立つ食材として知られています。
ただし、梅干しには塩分が多く、1個あたり約1~2gもの塩分が含まれているため、食べ過ぎには注意しましょう。健康な成人であれば1日に1個程度が適量です。
梅干しと食べ合わせが悪い食材
梅干しは健康食材として優秀ですが、一部の食べ物とは一緒に食べることで健康を害する恐れがあります。その中でも特に気をつけるべき食材を紹介します。
① 塩分が多い食品(キムチや塩辛)
梅干し自体の塩分が高いため、同じく塩分が多い食品と組み合わせると、塩分の摂取量が急激に増えてしまいます。これは血圧を上げたり、むくみを引き起こす原因にもなります。
特に気をつける食品としては以下のものがあります。
- キムチ(30gあたり約1gの塩分)
- イカの塩辛(大さじ1杯で約1.4gの塩分)
- 干物(アジやサバの干物は1枚で約2〜3gの塩分)
塩分を控える必要がある人は、梅干しとこれらの食品を同時に食べないか、減塩タイプの梅干しを選ぶようにしましょう。
② インスタント食品(カップラーメンなど)
カップラーメンなどのインスタント食品は、ただでさえ塩分や油分が多く胃腸に負担がかかります。これに梅干しを加えると、酸味による胃の刺激が強まり、胸焼けや胃もたれのリスクが高まります。
特に以下の食品は要注意です。
- カップラーメン(1食で塩分約4〜5g)
- インスタントうどんやそば(1食で塩分約4g)
これらを食べる際には梅干しを同時に摂取しないか、梅干しは少量にとどめてください。
③ 濃い味付けの漬物や佃煮
梅干しの酸味は胃酸の分泌を促すため、胃腸が弱い人には負担が大きくなります。特に濃い味付けの漬物や佃煮と組み合わせると、塩分の摂りすぎに加え、胃腸への負担が倍増します。
以下のような食品が該当します。
- たくあん(1切れで約0.3gの塩分)
- 昆布の佃煮(大さじ1杯で約1gの塩分)
- 福神漬け(大さじ1杯で約0.5gの塩分)
胃が弱い人は、これらの食品と梅干しを一緒に食べることを避け、胃腸に負担をかけない食生活を心がけましょう。
梅干しと相性の良い食材
梅干しには健康や美容をサポートする栄養素がたくさんあります。これらの効果をさらに引き出すために、梅干しと組み合わせて食べると体に良い食材を紹介します。
疲れをとる食材(豚肉や鶏肉)
梅干しに多く含まれるクエン酸は疲れを回復する効果があります。豚肉や鶏肉と一緒に摂ると、疲労回復の相乗効果が高まります。豚肉にはビタミンB1が豊富で、鶏肉には疲労回復成分であるイミダペプチドが多く含まれています。梅干しとこれらを合わせることで、体の疲れがより早く取れやすくなります。
骨を丈夫にする食材(ヨーグルトやしらす)
ヨーグルトやチーズ、しらすなどの乳製品や小魚はカルシウムを多く含みます。梅干しのクエン酸はカルシウムの吸収を促すため、骨や歯を丈夫に保つ効果が期待できます。特に成長期の子供や骨粗しょう症が気になる高齢者にはおすすめの組み合わせです。
塩分の取りすぎを防ぐ食材(バナナやきゅうり)
梅干しは塩分が多いため、余分な塩分を体外に排出する効果のあるカリウムを含んだ食材と一緒に食べると良いでしょう。バナナやきゅうり、ほうれん草などはカリウムが豊富で、梅干しによる塩分の取りすぎを防いでくれます。むくみの予防にも役立つ組み合わせです。
肝臓を守る食材(しじみ)
肝臓を守り、二日酔いの予防に役立つのが、梅干しとしじみの組み合わせです。しじみに含まれるオルニチンは肝臓の働きを助ける成分であり、梅干しのクエン酸とともに摂取することで肝臓への負担を和らげ、肝機能を整える効果が期待できます。
うなぎと梅干しは本当にダメ?昔からの迷信の正体
昔から「うなぎと梅干しを一緒に食べるとよくない」という言い伝えがあります。この理由としては、「うなぎの脂と梅干しの酸味で消化不良を起こす」、「梅干しの酸味がうなぎの腐敗を隠す」、「食欲が増して高級なうなぎを食べ過ぎるのを防ぐため」などがあります。
しかし、実際にはこれらに科学的な根拠はありません。それどころか、梅干しのクエン酸がうなぎの脂の消化を助け、うなぎに多く含まれるビタミンB1とともに疲労回復の効果を高めることがわかっています。つまり、うなぎと梅干しは栄養面でも味の面でも良い組み合わせと言えます。
なぜ青梅とタコは一緒に食べてはいけない?
「青梅とタコを一緒に食べると危険」と言われることがありますが、正確には青梅そのものに注意が必要です。
未熟な梅の実(青梅)にはアミグダリンという有毒な物質が含まれており、体内で青酸という毒に変化します。大量に食べると中毒症状を引き起こす可能性があります。
タコ自体には問題はなく、この言い伝えは、タコの美味しさが青梅の大量摂取を促してしまうために生まれたものとされています。梅干しはしっかりと漬け込まれているため、このような毒性の心配はありません。
まとめ
梅干しは塩分が多いですが、工夫して食べることで健康効果が十分に得られます。また、減塩タイプやはちみつ梅干しといった新しい種類を選ぶことで、塩分摂取を抑えながら美味しく楽しむことが可能です。梅干しを使ったドレッシングやソースを手作りすることで、食卓の味の幅も広がります。適切な量を守り、組み合わせる食品を工夫しながら日常生活に上手に取り入れましょう。