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まな板の種類と寿命の目安
料理に欠かせないまな板ですが、素材によって寿命が異なります。正しくお手入れすれば寿命が伸び、経済的にも衛生的にもメリットがあります。ここでは素材別の特徴と、買い替え時期の目安を解説します。
素材ごとの特徴と寿命の早見表
主に家庭で使われるまな板の素材には、次の3種類があります。
- 木製まな板:
刃当たりが柔らかく、包丁の刃を傷めにくい。水分や菌に弱いため定期的なお手入れが必要。寿命の目安は5~7年程度。表面を削れば多少長持ちします。
- プラスチック製まな板:
軽くて安価で手入れが簡単ですが、傷が付きやすく雑菌が溜まりやすいのが欠点。寿命は1~2年と短めで、変形したらすぐ交換が必要です。
- ゴム製まな板:
耐久性と刃当たりのバランスが良く、プロの調理現場でも人気。熱湯や漂白剤に強く、寿命の目安は5~10年ほどです。
これらを目安に、自分のまな板の交換時期を判断しましょう。
まな板を交換するべきタイミング
まな板を使い続けるうちに、次のような状態になったら交換時期です。
- 表面に深い傷や溝が多数できた場合
- まな板が反ったり変形した場合
- 黒ずみや汚れが洗っても落ちなくなった場合
まな板が傷むと、包丁の切れ味が落ちたり、雑菌が増えて衛生的にも問題が起こります。早めの買い替えを心がけましょう。
まな板の寿命を縮める8つのNG行為
毎日使うまな板ですが、知らず知らずのうちに間違った使い方をしていることがあります。まな板を長持ちさせるためにも、以下のNG行為を避け、正しい使い方を実践しましょう。
① 木製まな板を乾いたまま使う
木製のまな板を乾いたまま使用すると、まな板が食材の水分を吸収し、膨張して反りや割れが起こります。これを防ぐために、木製まな板は使用前に両面を軽く水で濡らしておくことが重要です。こうすることで表面に水の膜ができ、汚れが浸透しにくくなります。
② 濡れたまな板を直射日光や熱風で乾かす
濡れた木製まな板を直射日光やドライヤーなどの熱風で急速に乾かすと、急激に乾燥してひび割れや反りが発生します。正しい方法は、まず布巾でしっかり水気を拭き取り、風通しの良い場所に立てかけて陰干しすることです。ゆっくりと自然乾燥させることで、木材の状態が安定します。
③ 木製まな板を長時間水に浸ける・濡れたまま放置する
木製まな板を長時間水につけたり、洗った後に濡れたまま放置すると、内部まで水分が入り込んで繊維が膨らみ、カビが深く浸透してしまいます。こうなると表面を削っても修復が難しくなります。水に濡らす時間はできるだけ短くし、使用後はすぐに水気を拭き取って乾燥させましょう。
④ 木製まな板に高濃度の漂白剤を長時間使う
漂白剤を高濃度で長時間使うと、木に含まれるヤニや油分が落ち、木質が脆くなり劣化します。木製まな板の汚れ落としは、まず中性洗剤を少量使って洗い、ひどい汚れには重曹ペーストを使って擦り洗いしましょう。除菌したい場合は薄めの漂白剤(200ppm程度)を短時間使用し、よくすすぎましょう。
⑤ 包丁で強く切りつけるように使う
特に力を込めて包丁を使うと、まな板に深い傷や溝ができます。こうした深い傷は雑菌や汚れが入り込みやすく、まな板の劣化を早める原因になります。また、強く力をかけることで包丁の刃も傷みやすくなります。正しくは、適度な力加減で食材を「切る」感覚で包丁を使いましょう。包丁の切れ味が悪くなったら、まな板の寿命にも影響するため、定期的に包丁を研ぐことも重要です。
⑥ プラスチックやゴム製まな板を金属タワシや硬いスポンジで洗う
金属タワシや研磨剤入りの硬いスポンジを使ってプラスチックやゴム製のまな板を洗うと、表面に細かな傷が大量につきます。これらの傷は汚れが溜まりやすく、菌が繁殖する原因となり、まな板が傷んで寿命が短くなります。プラスチックやゴム製のまな板は、柔らかいスポンジやナイロン製のソフトタイプのスポンジを使って優しく洗いましょう。落ちにくい汚れには漂白剤を薄めて短時間浸け置きすることも効果的です。
⑦ 木製まな板を食器洗い機で洗う
木製まな板は食器洗い乾燥機を使ってはいけません。食洗機は高温の水や熱風乾燥を使うため、木材が急激に乾燥して反りや割れの原因になります。木製まな板を長持ちさせるためには、必ず手洗いを行い、水気をよく拭き取った後、陰干しで自然乾燥させましょう。食洗機を使用したい場合は、食洗機対応のプラスチック製やゴム製のまな板を使い分けるのが便利です。
⑧ プラスチックまな板を食洗機や熱湯で消毒する
耐熱表示がないプラスチック製まな板を食洗機や熱湯で洗ったり消毒したりすると、素材が変形したり反りが生じてしまいます。変形したまな板は使いづらく、交換が必要になるため寿命が縮みます。プラスチック製のまな板は必ず製品の耐熱温度を確認しましょう。耐熱温度が90℃以上で食洗機対応と表示されたものなら食洗機も安心して使えます。
まな板を長持ちさせるためのお手入れ方法
まな板を清潔に保ち、長持ちさせるためには日頃のお手入れが重要です。使った後は食器用中性洗剤を少量使い、柔らかいスポンジやタワシで洗いましょう。
木製まな板の場合は、最後に70℃程度のお湯を短時間かけると雑菌の繁殖を防げます。プラスチック製やゴム製は、週に一度程度、薄めた漂白剤で軽く消毒すると良いでしょう。
洗った後は必ず水気を拭き取り、風通しの良いところで陰干しします。定期的に表面の傷や汚れをチェックし、深い傷や落ちない黒ずみができたら、買い替えを検討しましょう。まな板を用途別に複数用意して使い分ければ、それぞれの傷みが抑えられて寿命も延ばせます。
まとめ
まな板は普段目に見えない菌が繁殖しやすいアイテムです。傷や汚れが気にならない程度でも雑菌が溜まっていることがあります。寿命を長く保つためには、普段から汚れを溜めない意識とお手入れの習慣化が大切です。最近は環境に優しいFSC認証の木製まな板や、抗菌加工が施されたゴム製まな板も増えているので、買い替えの際はそういった機能性も考えて選んでみてください。