「規定」と「規程」の違いとは?類義語5つや使い分け方も紹介!

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規定」と「規程」は類義語の関係で読みがともに同じであるため混同されることがあります。「規定」や「規程」の本来の意味を知り、その使い分けの基本を踏まえれば、間違うことはありません。英語での使い分けやその他類義語5つの意味・用い方もあわせてチェックします。

「規定」とは

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「規定(きてい)」は、約束ごとや決まりごとを定めた法律の条文や会社・団体などの事務処理の内容や手続きなど定める場合に用いられます。

「規定」は、名詞として「行為・手続きなどをするときの細かい決まり」を意味し、行政機関などでは、政令・告示などを構成する個々の条項の内容を指した形で使われています。また、動詞として「物事のやり方や決まった形に決めて定める」という意味で用いられます。

「規定」の使い方

「規定」には、名詞と動詞としての用法があります。名詞としての「規定」は、法令・規則などを構成する個々の条文・条項として定められているものを指す場合と、一般的な社会規範として、物事のやり方を決めてこれをルール化して定められたものも含みます。

動詞としての「規定(する)」は、一般的に物事の内容・プロセス・やり方などを一定の形に定めることを指し、法令のジャンルでは法令の条文として定めることを意味します。

「規定」を使用した例文

「規定」を使用した例文としては、以下のものがあります。

「オリンピックで正式種目とされている規定種目は次のとおりです」
「レジャー施設に入場するための規定料金はいくらですか?」
「予算執行の規定の限度額を超えた支出はできません」
「就業規則の規定に反する行為は現に慎む」
「履歴書は規定の用紙で提出すること」
「要綱第八条第一項の規定による業務としての取り組み」
「施設を利用時は規定の料金を支払う義務がある」

「規程」とは

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「規程」とは、「規定」の類義語で、広義には「規定」と同じように「行為・手続きなどをするときの細かい決まり」を意味しますが、行政機関などでは、「規程」は法律の施行手続きや法律の委任した事項など事務上の基準となるいくつかの条項をまとめた「規則」として解釈されています。

「規程」は、名詞形や動詞形のある「規定」と異なり、名詞形しかなく用語的には「○○規程」のような複合語として使われています。

「規程」の使い方

「規程」は、機能としては名詞形しかなく、名詞としての使い方しかありません。行政機関などでは、「規程」は法律の施行手続きや法律の委任した事項など細かいことをまとめた規則として用いられています。

一般的にも「規程」は、「出張旅費支給規程」や「社員職務規程」など、ある行為や手続きなどをするときの細かい決まりとして用いられていますが、それらのいずれもが「○○規程」のように複合語でしか用いられません。

「規程」を使用した例文

「規程」を使用した例文としては、以下のものがあります。

「会社の服務規程は社員として守らないといけません」
「出張旅費の支給は、出張旅費支給規程の定めによります」
「その商品については、取扱規程により処理します」
「規定と規程は、同じような意味合いがあります」
「法律の取扱いについては、両院協議会に関する規程に定めがあります」
「交際費の使い方は経理規程で細かく定めています」

「規定」と「規程」の違い

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「規定」と「規程」は類義語の関係にあり、読みがともに同じで、ある行為や手続きなどをするときの細かい決まりとして使われる場面で混同して用いられることがあります。

「規定」は狭義の意味で、法令・規則などを構成する個々の条文・条項として定められているものを指し、「規程」は狭義の意味で、法律の施行手続きや法律の委任した事項など事務上の基準となるいくつかの条項をまとめた規則とされ、概念上異なるとされています。

「規定」と「規程」の関係

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「規定、規程」はともに「ある行為や手続きなどをするときの細かい決まり」を意味する類義語の関係にあり、また、その読みも「きてい」と同一で、よく混同されて使われます。

このように「規定」と「規程」はともに紛れやすいところから、法令では「規程」を「規則」と言い換え、新聞などでは法律名などの固有名詞になっているものを除き、「規定」と「規程」のいずれも斉一的に「規定」として表記します。

「規則」と「規定」「規程」の関係

「規則」とは、法令や定款などで定められた事項に基づき、執行務や業務の運営・取扱いなどについて定めたものを言います。

「規程」は、法律の施行手続きや法律の委任した事項など事務上の基準となるいくつかの条項をまとめたもので、「規則」と同じレベルに位置します。「規定」は、事務処理の内容・手順を定めた「規則」や「規程」等の中の個々の条文・条項のことを指します。

「規定」と「規程」の使い分け

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「規定、規程」はともに「ある行為や手続きなどをするときの細かい決まり」を意味する類義語の関係にあり、また、その読みも「きてい」と同一で、よく混同されて使われます。

このような混同を避けるため、法令では「規程」を「規則」と言い換え、新聞などでは法律名などの固有名詞になっているものを除き、「規定」と「規程」のいずれも斉一的に「規定」として表記することで使い分けしています。

「規定」と「規程」の類義語5つ

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「規程」と「規程」はともに「ある行為や手続きなどをするときの細かい決まり」を意味しますが、このような意味合いの類義語としては、「規則」や「規約」、「規律」、「きまり」、「ルール」などがあります。

これらの類義語は、一般的にどのような意味合いを持っているのか?どのような使い分けがされているのか? 一つひとつ見てみましょう。

「規定」と「規程」の類義語1:規則(きそく)

「規則」は、一般的に何らかの目的のために行動や手続きなどに関して定められたもので、「就業規則」などがあります。

法令用語として、「人がある行為をするにあたり守らなければならない定め」を言い、「規程」と同じ趣旨の準則といえます。

法の形式としては、国会の両議院や最高裁判所、会計検査院、人事院などが制定する議院規則、最高裁判所規則、会計検査院規則、人事院規則などがあります。

「規定」と「規程」の類義語2:規約(きやく)

「規約」とは、組織や団体などに関係する人達の間で相談して決めた約束ごとを言います。「規約」は組織・団体内の成員・関係者に適用される規則で、組織・団体外の人にはその効力は及びません。

用例としては、「規約に従う」「規約を改正する」「規約どおりに実行する」「退職規定を規約に定める」などがあります。

「規定」と「規程」の類義語3:規律(きりつ)

「規律」とは、個人の生活や会社など集団における秩序を維持するための決まりやけじめを言います。「規律」を破っても法令違反になりませんが、家庭や会社など集団で取り決めた懲戒や懲罰を受けることもあります。

用例としては、「規律が厳しい」「規律が乱れる」「規律正しい生活をする」などがあります。

「規定」と「規程」の類義語4:きまり

「きまり」とは、「規則」と同じ意味ですが、「規則」ほど厳しいものでなく、仲間内での約束ごとなどの意味で広い範囲で使われています。また、「朝方の散歩がきまりだ」のように、習慣や風習を表す場合にも使われます。

用例としては、「学校のきまりに従う」「これで方針はきまりだ」「きまりに背く」「市のきまりでゴミは6種類に分別する」などがあります。

「規定」と「規程」の類義語5:ルール

「ルール」は、スポーツの分野で「規則」「規定」の意味で使われます。「ルール違反」は法令違反になりませんが、不正な行いとしてルール上に定めたペナルティーを課さられることがあります。

用例としては、「ルールブック(スポーツや下無などの規則をまとめて記した本)」「ルールを決める」「ルールを守る」「ルールどおりやる」「安全運転の基本的なルール」などがあります。

英語で比較する「規定」と「規程」

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「規程」と「規定」は、一般的には、英語で「regulations」「rules」と訳されます。

「規定」と「規程」をより狭く解釈すると、「規定」は条項・規定を意味する「stipulations・prescriptions・provision」が意味合いが近くなり、「規程」は組織体を運営するための決まり、規則などを意味する「regulations」の方が意味合いが近くなります。

「規定」と「規程」の違いを知って正しい使い分けをしましょう

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「規定」と「規程」は類義語の関係にあり、読みがともに同じであるため、混同して用いられることがあります。

しかし、狭義の意味で言えば、「規定」は法令などの条文・条項を指し、「規程」は、法律の施行手続きや法律の委任した事項などいくつかの条項をまとめた規則とされ、「規定」と「規程」はその内容が違います。

「規定」と「規程」の違いを知って正しく使えば、貴方の文章力はさらにブラッシュアップされます。

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