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冷凍すると味が落ちる理由とは?
食材をまとめ買いするとき、長く保存できる冷凍保存はとても便利ですよね。しかし、すべての食材が冷凍保存に適しているわけではありません。特に水分が多い野菜や、食感が特徴的な食品は、冷凍すると細胞が壊れて食感や味が損なわれることがあります。
ここでは具体的に、冷凍すると美味しくなくなってしまう代表的な食材を5つ選び、その理由と美味しく保存する方法を詳しく紹介していきます。
冷凍すると味が落ちる5つの食材
ここからは、冷凍保存すると食感や味が損なわれる食材を、具体的な理由とあわせて詳しく解説します。また、どうしても冷凍したい場合の工夫や美味しく保存する方法も紹介します。
1. レタス
レタスは水分が非常に多いため、生のまま冷凍すると解凍時にドロドロになってしまいます。これはレタスの細胞内の水分が凍結して細胞が破壊されるためです。
レタスを美味しく保存するには、湿らせたキッチンペーパーで包み、密閉した袋に入れて野菜室で立てて保存しましょう。この方法で約10日間鮮度を保てます。
どうしても冷凍したい場合は、ざく切りにして油でさっと炒めてから冷凍すれば、チャーハンやスープの具材として使えます。ただし、生でサラダに使うのには向きません。
2. じゃがいも
じゃがいもを生のまま冷凍すると、解凍後に食感がザラザラになり美味しくありません。これはじゃがいもの中に含まれるデンプンが凍結・解凍時に変質するためです。
じゃがいものベストな保存方法は、直射日光が当たらない風通しの良い冷暗所で保存することです。新聞紙に一つずつ包んでおくと、芽が出にくくなり、新鮮な状態を長く保てます。
冷凍保存をしたい場合は、茹でたりマッシュポテトに加工してからジップロックで冷凍すると、コロッケやスープとして美味しく食べられます。また、冷凍後は解凍せず、そのまま料理に使うと食感が損なわれにくいです。
3. きゅうり
きゅうりは約95%が水分で構成されており、冷凍すると解凍時にふにゃふにゃの食感になってしまいます。そのため、生野菜としてそのまま食べるのには向いていません。
きゅうりは、一本ずつキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて野菜室に立てて保存すると鮮度を保てます。
もし冷凍保存を活用する場合は、薄切りにして塩もみした後、酢や砂糖などの調味料と一緒に平らにして冷凍すると、解凍後にシャキッとした酢の物として美味しく食べられます。
4. 豆腐
豆腐は水分を豊富に含んだ柔らかい食材の代表例です。そのまま冷凍すると、解凍時に水分が抜けてスポンジのような食感になります。これは豆腐の細胞内の水分が凍結して膨張し、組織が壊れるためです。
豆腐を冷蔵保存する場合は、豆腐が完全に浸かる量の水に入れて、密閉容器で保存しましょう。水を毎日交換すれば、冷蔵庫でも数日間鮮度を保てます。
もし冷凍保存するなら、水切りした後に小さく切り分けてラップで包んでから冷凍しましょう。解凍後のスポンジ状の豆腐は味がよく染みるため、炒め物や煮込み料理、豆腐そぼろなどに活用すると美味しく食べられます。
5. こんにゃく
こんにゃくは、冷凍すると独特のプリプリ食感が失われてゴムのような固さになります。これはこんにゃくがゲル状食品で、水分が多いためです。通常のこんにゃくの食感を楽しみたい場合は、冷凍保存は避けるべきです。
こんにゃくはパッケージ内の水に浸けたまま密閉容器に移して冷蔵庫で保存し、水を2日に一度交換すると約1ヵ月程度保存が可能です。
ただし、冷凍こんにゃくをあえて料理に利用する方法もあります。こんにゃくを小さくカットして冷凍・解凍すると、スポンジ状になって味が染み込みやすくなります。この性質を活用して、焼肉のたれや照り焼きソースなどと一緒に炒めると、ヘルシーなダイエット食材としても楽しめます。
【番外編】卵もそのまま冷凍はNG
卵は殻のままや生卵の状態で冷凍すると、卵黄と卵白が分離したり、白身がスポンジ状になったりして美味しくなくなります。
卵を美味しく冷凍保存するには、殻を割ってよく溶いた状態で保存容器やジップロックなどで冷凍しましょう。この方法なら、解凍後に卵焼きやスクランブルエッグとして調理しても美味しく食べられます。また、生卵を冷凍後に半解凍すると黄身がもちもちになり、違った食感を楽しめます。
美味しさをキープする冷凍保存のコツ
ここまで冷凍に不向きな食材を解説してきましたが、実は冷凍保存で重要なのは保存方法そのものです。特に注意したいのは「冷凍焼け」という現象です。
冷凍焼けは食材が空気に触れて乾燥することで起き、風味や食感を損ないます。これを防ぐには、保存袋の空気をしっかり抜いて密封し、冷凍庫を常にマイナス18℃以下に保ちましょう。
また、冷凍庫の開閉回数を減らし、食品は1~2ヵ月以内に使い切るのがおすすめです。解凍するときは、冷蔵庫内でゆっくり解凍するか、流水解凍する方法を選ぶと味の劣化を防げます。
まとめ
冷凍保存は手軽ですが、食材の特性によっては味や食感が落ちてしまいます。紹介した食材以外にも、油揚げなど水分や油分が多い食品は、油抜きや水切りを丁寧に行わないと味が落ちやすいため注意が必要です。
また、冷凍保存が適している食材でも、保存方法や解凍方法が間違っていると美味しさが半減します。常に冷凍庫を整理整頓し、保存袋の空気をしっかり抜く工夫をしておくことで、いつでも美味しい料理を手軽に楽しめますよ。