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料理用の赤ワインの選び方
「どんな赤ワインを選べば料理に合うのだろうか?」ワインの好みは人それぞれ。一概に「コレが合う」とは言い切れません。ワインによって様々な香り・風味・後味・口当たりが違います。どのワインを選ぶかによって、料理の仕上がりも全く別物の料理の様に仕上るのです。
今回は、一般的に料理に合いやすいとされる赤ワインの基準をお伝えしたいと思います。
味は辛くて渋みのあるライトボディを選ぼう
料理用として扱いやすい赤ワインの選び方は、「辛口で程よい渋みのあるライトボディ」です。ワインを普段飲まない方は何のことかちょっとわかりづらいですよね。
ワインによって「どれぐらい甘いか・どれぐらい渋いか・飲んだ時の重さはどれぐらいか」を表しています。調べるには、その赤ワインの表記を見てみましょう。ブランドによって表記の仕方が変わりますが、主に以下の3つが赤ワインの味の内容を示しています。
- 甘味辛味(または甘辛度)
- 渋味
- 厚み(またはボディ感)
赤ワインには、これらのそれぞれの強さを1から5段階で表記されています。料理用に使う赤ワインなら辛口のもの、または中口と辛口の間を選んでください。渋みは中間の「程よい」くらいでいいでしょう。あまり渋みが強すぎると料理の味が損なわれます。厚みは口当たりの強さを表すものです。
最も軽いライトボディから重みのある段階(フルボディ)に近づくほど口当たりが濃厚になり、料理に絡めた時にワインの主張が強すぎてしまいます。軽めのライトボディなら、誰もが使いやすい厚みです。
料理には安い赤ワインで大丈夫!
料理用に使うワインに高価なものは必要ありません!500円程度の商品で十分料理用として活用できます。もちろん、安い赤ワインだからといってなんでも正解というわけではなく、安くても料理に向いているワインが揃っているということです。
先にも説明したように、料理用の赤ワインを選ぶ時は「渋みのあるライトボディ」。商品によって口当たりや香りは若干変わるので、色んなワインを買って経験を積んでいけば、使い勝手の良い安いワインに出会えるでしょう。
高級ワインは「引き立て役」にならない
「値段が高いワインを使う方が素晴らしい料理ができるはず!」確かに何年も寝かしたワインや有名な産地のワインは深い味わいに芳醇な香りが楽しめます。ですが、「料理に使えるか」は別問題です。
高価なワインは料理用ではなく、あくまでそのまま飲んで味と香りを楽しむものです。赤ワインは「料理の引き立て役」でなければなりません。それゆえ、高価なワインの様に主張の強いワインは料理用に向いていないということです。
料理用赤ワインには「箱入りワイン」がおすすめ
ワインと言えば瓶やボトルに入っているのが一般的ですよね。しかし、今回紹介するワインは箱に入っているボックスタイプです。
このような商品の箱の中身は、赤ワインを真空した袋が入っています。袋に蛇口が取り付けられており、必要な分量をこの蛇口をひねって使います。
箱に入っているので、立てておこうが寝かせておこうが赤ワインがこぼれる心配はありません。容量も多く保存がきくうえに、場所を取らないので実際の調理現場でも好んで使用されます。
料理用赤ワインの使い方
「お肉料理といえば赤ワインがよく合う」と言われますよね。実際、お肉を食べながら赤ワインを飲むのは定番ですが、実は料理に直接かけて使うことで良い効能があります。赤ワインを料理で活用する方法をご覧ください。
お肉の臭いを消すために使う
お肉を焼き上げるとき、赤ワインをフライパンに入ったお肉に直接かけることで生臭さを消し、風味を加えることができます。それには「タンニン」と呼ばれる成分が深くかかわっています。
赤ワインには渋みと重厚感(ボディ感)がありますよね?この渋みと重厚感の正体が「タンニン」です。タンニンには生臭い臭いを抑制する効果があり、お肉にかけることで生臭さをなくし風味やコクをプラスしてくれます。
牛・豚などの臭みのあるお肉を調理する場合は赤ワインをかけて、風味豊かな料理に仕上げましょう。
肉質を柔らかくしてくれる
お肉を焼き上げる前にぜひやってほしいのが、「赤ワインにお肉を漬けること」です。赤ワインに漬けることで、お肉を焼いたときに驚くほど柔らかく仕上がります。それはなぜでしょうか?
肉汁が無くなると肉は固くなる
お肉が硬くなる原因はお肉内部の水分、肉汁や赤身が少なくなることが原因です。お肉を焼くと、肉汁がフライパンの上に流れ出ることはありませんか?肉汁がなくなればなるほど、肉の柔らかさや脂がなくなってしまい、硬くて味のない状態に仕上がります。肉汁が流れ出るのを防ぐには、焼き加減を調整する必要がありますが、プロの料理人でなければ微妙な火加減の調整は難しいです。
ここでも赤ワインのタンニンが効果を発揮する
そこで、赤ワインを活用しましょう。なぜ赤ワインに漬けこむと柔らかくなるのか?それに関与しているのが先ほども紹介した「タンニン」。タンニンは臭みを消す以外にもお肉を柔らかくしてくれる効能があります。タンニンとお肉に含まれるタンパク質が反応し合い、肉汁を外に流れ出るのを防いでくれます。
料理用赤ワインの保存方法
赤ワインを保存する理想的な環境
赤ワインの保存状態を良くするためには、赤ワインにとって良い環境が必要です。ワインにとって良い環境は以下のとおりです。
- 涼しくて気温差がない場所
- 光が差し込まないうす暗い場所
- ワインに振動を与えない場所
- 刺激の強い臭いが近くにない事
- 湿度が高く保たれている事
以上の条件があれば最適です。理想としては、地下室やワインセラーですが、一般の過程ではそういったものを手に入れることは難しいですよね。なので、うす暗くて湿度の高い押入れの奥や非常食などをストックできる床下が良いでしょう。
開封していない赤ワインの保存方法
まだ開封していない赤ワインなら、上記で説明した環境で保存すれば風味を落とさずに長い間保存することが可能です。しかし、季節の変化によって気温が大きく変わってしまいますよね。押し入れや床下に入れても気温の変化や湿度の変化を免れないときは冷蔵庫を活用しましょう。
冷蔵庫なら常に同じ温度・湿度・日が当たらないという条件を満たしています。ですが、冷えすぎると味が劣化してしまう可能性があるので温度を調整してください。赤ワインを冷蔵保存する時の最適な温度は13~15℃といわれています。
開封している赤ワインの保存方法
赤ワインは開封した直後から酸化が始まってしまいます。開封した当日が最も良い風味や味を楽しめますが、使い切るのはまず難しいです。少しでも酸化を防ぐには冷蔵庫で保存するのがベスト。1週間くらいなら問題なく使用できます。それでも、風味はだいぶ落ちています。冷蔵庫に保存しても美味しく飲める期間は3日程度でしょう。
料理用赤ワインで美味しく調理するコツ
煮詰めるとコクが増す
赤ワインを使ってお肉料理を美味しく仕上がるには、煮詰めることが大切です。赤ワインを料理にかけて煮詰めると、深い味わいやコクを出すことができます。
煮詰めるときは赤ワインの渋みを抑えて香りを残すように煮詰めるのがコツです。「後味がちょっぴり渋いな~」と感じるくらいだと成功といえるでしょう。
赤ワインの渋みがほとんど残らないように調理するには、使った赤ワインを煮詰め切ってください。上手に煮詰め切るとお肉表面にピカピカとしたツヤ感が現れます。
弱火~中火で加熱する
煮詰めるときは弱火~中火くらいで優しく加熱します。間違っても焦がしてはいけません。焦げ臭さや焦げの苦みがついてしまいます。
さいごに
以上が料理用赤ワインの選び方と保存方法、料理での使い方と美味しく仕上げるコツでした。
料理に適した赤ワインは辛口で渋みはあるけれど口当たりまろやかなライトボディです。その条件の赤ワインならワンコインで購入できる赤ワインでもあるので、ぜひお気に入りの一本を見つけて料理のおともにしましょう。
保存する時は押し入れや床下に入れることで赤ワインの劣化を防げますが、一年中気温や湿度を保つのは難しいので冷蔵庫での保存をおすすめします。
赤ワインに適した料理はお肉料理です。お肉を調理する前に赤ワインに漬けこんで使用してください。そうすることで、お肉の臭みを消して柔らかくする効果があります。
また、焼いているお肉に直接かけることで、コクと渋みのある後味をプラスすることができます。その際はお肉を赤ワインで覆うように煮詰めますが、焦がさない様に注意してください。
赤ワインの使い方をマスターし、おしゃれで美味しい料理を作りましょう!
管理栄養士取得後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」思いから独立しセミナーや個別サポートを行っている。その他、事業立ち上げ、商品開発、記事監修、特定保健指導、講師活動などを行っている。